宮崎市で涼しい平屋を建てるには?軒・窓・屋根・風通しを大工が解説
2026年07月05日
目次
- 1 宮崎市で涼しい平屋を建てたい方へ
- 2 宮崎市の平屋は本当に暑いのか?
- 3 宮崎市で涼しい平屋をつくるなら、最初に考えたいのは「日差し」
- 4 軒の出が平屋の涼しさを変える
- 5 軒を深くすれば、すべて解決するわけではない
- 6 大きな窓がある家ほど涼しい、は本当か?
- 7 「窓を開ければ風が通る」は本当か?
- 8 宮崎の風を見るには、土地を見る必要がある
- 9 縦すべり窓は風を取り込めるのか?
- 10 平屋の暑さは屋根で大きく変わる
- 11 屋根の形は外観だけで決めない
- 12 ウッドデッキも位置を考える
- 13 宮崎市で涼しい平屋を建てるなら、土地を買う前に確認したいこと
- 14 南向きの土地が一番良いとは限らない
- 15 佐藤建設が平屋を設計するときに見ること
- 16 大工として思うこと
- 17 参考・確認した情報
- 18 よくある質問
- 19 まとめ|宮崎市で涼しい平屋を建てるなら、土地と太陽と風を見る
宮崎市で涼しい平屋を建てたい方へ
宮崎市で平屋を検討している方から、
「平屋は二階建てより暑いですか?」
と聞かれることがあります。
たしかに平屋は、すべての部屋の上に屋根があります。
そのため、
「屋根からの熱で暑くなるのでは?」
と心配される方もいます。
しかし私は、大工として家を建ててきた経験から、平屋だから暑い、二階建てだから涼しいとは単純に言えないと考えています。
平屋の暑さは、
・軒の出
・窓の位置
・窓の大きさ
・屋根の形
・断熱の考え方
・風の入口と出口
・隣の建物の位置
・庭や駐車場のつくり方
によって大きく変わります。
そして、もう一つ重要なのが、
その土地に、太陽がどのように当たり、風がどこから入ってくるのか
ということです。
涼しい平屋をつくるためには、間取りを描く前に、土地を見る必要があります。
今回は、宮崎市で平屋を建てるときに考えたい、
「軒」
「窓」
「屋根」
「風通し」
について、大工・設計・現場の目線から解説します。
宮崎市の平屋は本当に暑いのか?
最初に結論から言うと、
平屋だから必ず暑くなるわけではありません。
ただし、平屋には暑さ対策を考える上での特徴があります。
平屋はすべての部屋が屋根の下にある
二階建ての場合、1階の上には2階があります。
しかし平屋の場合は、リビングも寝室も子ども部屋も、すべて屋根の下です。
夏の強い日差しを受けた屋根は熱を持ちます。
そのため、屋根から室内へ伝わる熱をどのように減らすかは、平屋づくりで重要なポイントです。
しかし、だからといって、
「断熱材を厚くすれば終わり」
とは私は考えていません。
家の中に熱が入ってから止めるだけではなく、
そもそも家に強い日差しを当てすぎないこと
も大切です。
国土交通省の住宅省エネルギー資料でも、住宅の夏の快適性を考える際には、断熱だけでなく、窓などの開口部から入る日射を遮ることが重要とされています。
宮崎市で涼しい平屋をつくるなら、最初に考えたいのは「日差し」
私は、宮崎で平屋を考えるとき、
まず断熱材の商品名から考えるのではなく、
太陽がどこから当たるのか
を見ることが大切だと考えています。
夏に室内が暑くなる原因の一つは、窓から入る日差しです。
特に窓は、壁とは違います。
大きな窓から強い日差しが直接入れば、床や家具が熱を持ち、室内が暑くなります。
だからこそ、宮崎で涼しい平屋をつくるためには、
「どの窓から光を入れるか」
だけではなく、
「どの窓から夏の日差しを入れないか」
を考える必要があります。
軒の出が平屋の涼しさを変える
昔の日本の家には、深い軒がありました。
私は、この「軒」というものを、宮崎の家づくりでもう一度しっかり考える必要があると思っています。
軒は雨を防ぐだけではない
軒には、
・外壁を雨から守る
・窓に直接雨が当たりにくくする
・夏の日差しを遮る
・家の外周に日陰をつくる
という役割があります。
平屋は二階建てと比べて建物全体を大きな屋根で覆いやすいため、軒を活かした設計と相性が良い住宅です。
国土交通省が紹介する住宅事例でも、深い軒を使って夏の日射を遮り、冬の日差しを取り入れる設計が紹介されています。
夏と冬では太陽の高さが違う
夏の太陽は高い位置から入ります。
冬の太陽は低い位置から入ります。
そのため、南側では軒の出を考えることで、
夏の高い太陽の日差しを遮り、
冬の低い太陽の日差しを室内に取り入れる、
という考え方ができます。
ただし、
「軒は何センチ出せば正解です」
と一律には言えません。
土地の向き、窓の高さ、建物の位置、隣家の位置によって変わるからです。
軒を深くすれば、すべて解決するわけではない
ここで注意したいことがあります。
軒を深くすれば、どの方向の窓でも同じように日差しを防げるわけではありません。
特に注意したいのが、
東と西の窓です。
西日は軒だけでは防ぎにくい
夕方の太陽は、低い位置から入ってきます。
そのため、屋根の軒だけでは、西日を十分に遮れない場合があります。
宮崎市で平屋を設計するとき、
「西側だから窓を付けてはいけない」
ということではありません。
しかし、
・大きすぎる窓にしない
・窓の位置を考える
・外側で日射を遮る
・植栽や外構を活用する
・部屋の用途を考える
という工夫が必要です。
私は家づくりでは、
窓は多ければ良い、大きければ良いとは限らない
と考えています。
大きな窓がある家ほど涼しい、は本当か?
住宅を見ると、
大きな窓がある家は開放的で、気持ちよく見えます。
しかし、
大きな窓=涼しい家
ではありません。
大きな窓には、
・光が入る
・景色が見える
・開放感が出る
という良さがあります。
一方で、
・夏の日差しが入りやすい
・外から室内が見えやすい
・家具を置く場所が減る
・窓の向きによっては熱の影響を受けやすい
という面もあります。
窓は、外観デザインだけで決めるのではなく、
その窓に、どんな仕事をさせるのか
を考えることが大切です。
窓にはそれぞれ役割がある
私は窓を考えるとき、すべての窓を同じようには考えません。
窓には、
・光を入れる窓
・風を入れる窓
・風を逃がす窓
・景色を見る窓
・庭とつながる窓
・換気をする窓
など、それぞれ役割があります。
たとえば、
明るさが欲しいだけなら、必ずしも大きな掃き出し窓である必要はありません。
風を取り込みたいなら、
「窓があるか」
ではなく、
「風がどこから来るか」
を見る必要があります。
「窓を開ければ風が通る」は本当か?
これは、今回の記事で最も伝えたいことの一つです。
私は、
窓を開ければ風が通るわけではない
と考えています。
たとえば、同じ位置に窓を二つ付けても、風が通らないことがあります。
風を通すには、
入口と出口
が必要です。
風は一方向から入るだけでは足りない
風が入ってきても、抜ける場所がなければ、室内を流れにくくなります。
国土交通省の住宅事例でも、夏の通風を考えるため、南北・東西に高さや大きさの異なる窓を配置した例が紹介されています。
大切なのは、
・どこから風が来るか
・どの窓で風を受けるか
・家の中をどう通すか
・どこから抜くか
です。
宮崎の風を見るには、土地を見る必要がある
ここが、土地を買う前に相談していただきたい理由でもあります。
同じ宮崎市内でも、風の流れは土地によって違います。
海に近い場所。
山に近い場所。
田んぼに囲まれた場所。
住宅が密集した場所。
大きな建物の隣。
道路沿い。
それぞれ風の流れは違います。
気象庁では、宮崎の平年値として風向・風速を含む気象情報を公開していますが、実際の住宅設計では、地域全体の風向だけでなく、敷地周辺の建物や地形も確認する必要があります。
だから私は、
土地を見ずに、
「南側に大きな窓を付けましょう」
「北側に窓を付ければ風が抜けます」
とは簡単には言えません。
縦すべり窓は風を取り込めるのか?
縦すべり窓は、開いた窓そのものが風を受ける板のような役割をすることがあります。
そのため、窓の向きや開き方によっては、壁に沿って流れている風を室内に取り込みやすくなることがあります。
しかし、これも、
「縦すべり窓を付ければ必ず風が入る」
という話ではありません。
重要なのは、
・どちらから風が来るのか
・窓がどちら向きに開くのか
・隣の建物はどこにあるのか
・反対側に風の出口があるか
です。
窓の商品を決める前に、
土地の風を見ること
が先です。
平屋の暑さは屋根で大きく変わる
平屋は、すべての部屋が屋根の下にあります。
そのため、屋根の考え方はとても重要です。
夏の屋根は強い日差しを受ける
宮崎では夏の日差しが強く、気象庁では宮崎の日照時間や全天日射量も継続して観測しています。
屋根は、その日差しを直接受けます。
そのため、
・屋根材
・屋根の色
・屋根の形
・屋根下の空間
・断熱の位置
・換気の考え方
を総合的に考える必要があります。
断熱材だけで考えない
もちろん断熱は重要です。
しかし私は、
「断熱材を厚くすれば、どんな設計でも涼しくなる」
とは考えていません。
たとえば、大きな西日が室内に直接入り続ければ、せっかく断熱をしていても室内は暑くなります。
つまり、
熱を入れない工夫
と、
入ってくる熱を抑える工夫
の両方が必要です。
屋根の形は外観だけで決めない
屋根は家の外観を決める重要な部分です。
しかし、見た目だけで決めるものではありません。
屋根の形によって、
・雨水の流れ
・軒の出
・太陽光パネルの載せ方
・屋根裏空間
・メンテナンス方法
が変わります。
宮崎では台風や大雨も考える必要があります。
そのため私は、
「写真で格好良く見えるから」
だけでなく、
宮崎で長く暮らす家としてどうなのか
を考えることが大切だと思っています。
庭と外構も平屋の暑さに関係する
涼しい家を考えるとき、建物の中だけを見てはいけません。
家の周りも重要です。
コンクリートに囲まれた家
駐車場をすべてコンクリートにすると、管理は楽になります。
しかし、夏の日差しを受けた地面は熱を持ちます。
その熱が窓の近くにあれば、家の周りの環境にも影響します。
一方で、
・植栽
・芝生
・土
・日陰
などを上手に取り入れることで、家の周りの環境を考えることができます。
国土交通省の住宅事例でも、植栽や緑化した外部空間を、
住宅周辺の熱環境を考える工夫として紹介しています。
ウッドデッキも位置を考える
平屋とウッドデッキは相性が良い組み合わせです。
リビングから庭につながり、
子どもが遊んだり、
食事をしたり、
洗濯物を干したりできます。
しかし、
ウッドデッキを付ければ必ず快適になるわけではありません。
夏に一日中強い日差しが当たる場所では、
暑くて使えないこともあります。
ウッドデッキを考えるなら、
・どの時間に使うのか
・どこから日が当たるか
・屋根を付けるのか
・庭木で日陰をつくるのか
まで考えることが大切です。
宮崎市で涼しい平屋を建てるなら、土地を買う前に確認したいこと
平屋の暑さ対策は、家を建てるときだけではありません。
土地選びの段階から始まっています。
土地を見るときには、
・東西南北
・隣家の位置
・道路の方向
・周辺の建物の高さ
・午後の西日
・風の流れ
・地面の高さ
・水はけ
を確認します。
さらに宮崎市では、洪水・津波・高潮などのハザードマップも公開されています。平屋は生活空間がすべて1階にあるため、土地選びでは災害リスクの確認も重要です。
南向きの土地が一番良いとは限らない
家づくりでは、
「南向きの土地が良い」
と言われることがあります。
もちろん南向きには良さがあります。
しかし、私はすべての人に南向きが一番良いとは思っていません。
たとえば、
南側に大きな道路がある。
人通りが多い。
向かいに高い建物がある。
西側が大きく開けている。
このような場合は、単純に方角だけでは判断できません。
大切なのは、
その土地で、どこに家を置き、どこに庭をつくり、どこに窓を開けるか
です。
佐藤建設が平屋を設計するときに見ること
私が平屋を考えるときは、最初から間取りだけを見るわけではありません。
まず土地を見ます。
1.太陽を見る
朝、昼、夕方に、どこから日差しが入るのか。
夏と冬でどう変わるのか。
2.風を見る
風がどこから来て、どこへ抜けていくのか。
周りの建物が風を止めていないか。
3.雨を見る
雨水がどこへ流れるのか。
敷地に水がたまらないか。
4.隣の家を見る
窓が向かい合わないか。
日当たりを遮らないか。
プライバシーは守れるか。
5.家族の暮らしを見る
朝は何時に起きるのか。
洗濯は外干しか室内干しか。
庭を使うのか。
車は何台あるのか。
子どもは何歳なのか。
将来は夫婦二人で暮らすのか。
涼しい家とは、
単純に室温が低い家ではありません。
その家族が自然に、無理なく、快適に暮らせる家だと私は考えています。
大工として思うこと
住宅業界では、
性能を数字で比較することが増えました。
もちろん、断熱性能や省エネルギー性能は大切です。
しかし、私は大工として、
数字だけでは家は完成しないと思っています。
土地に立ってみる。
風を感じる。
太陽を見る。
隣の家を見る。
雨が降ったときの水の流れを見る。
その上で、
軒をどのくらい出すのか。
どこに窓を付けるのか。
屋根をどうするのか。
庭をどこにつくるのか。
一つずつ考えていく。
それが、宮崎で暮らしやすい平屋づくりにつながるのではないでしょうか。
執筆者について
この記事は、宮崎市で注文住宅・平屋・リフォーム・土地探しの相談を行っている佐藤建設が作成しています。
佐藤建設代表は、高校卒業後に大工として修業し、その後独立。
現在は、
・土地探し
・住宅設計
・外観デザイン
・間取り提案
・模型制作
・現場管理
・大工工事
・アフターメンテナンス
まで、一貫して家づくりに関わっています。
図面だけではなく、
実際の土地、
実際の風、
実際の太陽、
実際に暮らす家族、
そして現場での納まりまで考えた家づくりを大切にしています。
参考・確認した情報
この記事の作成にあたり、以下の公的・専門機関の情報を確認しています。
・気象庁「宮崎の平年値」
・国土交通省「住宅の省エネルギー設計と施工」
・国土交通省「住宅省エネルギー技術講習資料」
・国土交通省「気候風土適応住宅事例」
・宮崎市「洪水ハザードマップ」
・宮崎市「津波ハザードマップ」
宮崎市で土地を検討する際には、候補地ごとに最新のハザードマップや行政情報をご確認ください。
よくある質問
Q. 平屋は二階建てより暑いですか?
平屋だから必ず暑いわけではありません。
ただし、すべての部屋が屋根の下にあるため、屋根、断熱、日射遮蔽の考え方は重要です。
軒、窓、屋根、風通しを総合的に考える必要があります。
Q. 南向きの土地が一番良いですか?
必ずしもそうとは限りません。
道路、隣家、周辺建物、プライバシー、風の流れによって変わります。
方角だけではなく、土地全体を見ることが大切です。
Q. 窓は大きい方が風通しが良くなりますか?
必ずしもそうではありません。
風を通すには、風の入口と出口が必要です。
窓の大きさだけでなく、位置や開き方、周辺環境が重要です。
Q. 軒は深い方が良いですか?
軒には日射遮蔽や雨から外壁を守る役割があります。
ただし、深ければ深いほど良いとは限りません。
方角、窓の位置、冬の日射取得なども考えて決める必要があります。
Q. 土地がまだ決まっていなくても相談できますか?
はい。
むしろ、涼しい平屋を考えるなら、土地を購入する前の相談をおすすめします。
土地の向き、日当たり、風、隣家、水はけなどを確認した上で、平屋に向いているかを考えることができます。
まとめ|宮崎市で涼しい平屋を建てるなら、土地と太陽と風を見る
宮崎市で涼しい平屋を建てるために大切なのは、
高価な設備を付けることだけではありません。
・夏の日差しを軒で遮る
・窓を必要な場所に配置する
・西日を考える
・屋根からの熱を考える
・風の入口と出口をつくる
・庭や外構まで考える
そして何より、
土地を見てから家を考えること
が大切です。
同じ平屋の間取りでも、
建てる土地が変われば、
太陽も、
風も、
隣の家も、
景色も、
雨水の流れも変わります。
だから佐藤建設では、
土地と建物を別々には考えません。
宮崎市で平屋を検討されている方、
気になる土地が見つかった方、
土地を購入する前に平屋が建てられるか確認したい方は、お気軽にご相談ください。
涼しい平屋づくりは、
間取りを描く前、
その土地に立つところから始まります。




