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地震に備える!マンションでエレベーターが止まる、立体駐車場が使えない時のベスト対策まとめ

地震発生時、マンションではエレベーター停止や立体駐車場の利用不可、停電など様々なトラブルが起こり得ます。この記事を読むと、これら具体的なリスクへの備え方や対策、防災グッズ選び、住民間協力や地震保険の重要ポイントまで、今すぐ実践できる最適な防災対策が分かります。

目次

 地震発生時にマンションで発生する主要なトラブルとは

日本は地震が多い国であり、マンションに住んでいると戸建て住宅とは異なる特有のトラブルが発生することがあります。地震発生直後には、エレベーターの停止や立体駐車場の利用不能、さらには停電や断水といった二次被害が重なり、生活に大きな支障が出ることがあります。ここでは、マンション特有の地震時トラブルについて詳しく解説します。

 エレベーターの停止による影響

地震発生時にはマンション内のエレベーターが自動停止することが多く、長時間にわたり再稼働できないケースが見られます。これは安全装置が作動し、建物内やエレベーター本体の安全確認が完了するまで運転が再開できないためです。高層階に住んでいる場合、階段移動が必須となり、荷物の運搬や高齢者・小さなお子さまの移動に多大な負担がかかります。また、エレベーター内に閉じ込められる可能性もあり、防災マニュアルや非常ボタンなどの把握が重要です。

 立体駐車場が使えなくなるリスク

多くのマンションで採用されている機械式立体駐車場は、地震や停電の直後に自動で運転が停止します。地震の揺れや、設備の故障による閉じ込めなどのリスクがあり、車を出し入れできなくなることもあります。車が非常用物資の保管や緊急時の移動手段になっている家庭では、駐車場が使えないことで大きな不安が生じます。また、設備の点検待ちや修理に時間がかかる事例もあり注意が必要です。

トラブル項目 発生しやすい原因 主な影響
エレベーター停止 安全装置作動・停電・設備損傷 移動困難・閉じ込め・高層階での生活困難
立体駐車場の利用不能 地震動検知・停電・設備トラブル 車の取り出し不可・物資運搬/移動困難
停電・断水・他設備障害 インフラ損傷・マンション設備故障 ライフライン停止・防犯/防災機能低下

 停電・断水など他の二次被害

大規模な地震では、エレベーターや立体駐車場だけでなく、マンション全体のライフラインが停止することがあります。たとえば、停電によって共用部分のオートロックや照明、防犯カメラが使えなくなるほか、断水によるトイレ利用の制限や飲料水の確保が急務となります。ガスの供給停止・インターネット通信のダウンも発生しやすく、情報取得や緊急連絡に支障をきたす場合もあります。マンションではエレベーター・立体駐車場以外の設備も含め、こうした二次被害を見越した備えが必要になります。

 エレベーターが止まった場合の具体的な対策

 非常用階段・避難経路の確認

マンションで地震が発生しエレベーターが停止した場合、まず大切なのは非常用階段や避難経路を事前に確認しておくことです。建物ごとに非常階段へのアクセス方法が異なり、普段利用しない居住者も多いため、各階の非常口や避難通路の場所、閉鎖されていないかなどを定期的に確認しましょう。また、夜間や停電時にも安全に移動できるように、懐中電灯の携帯や誘導灯の設置状況も確認しておくことが重要です。

 階段移動の負担を減らす工夫

上層階ほど階段の昇降が大きな負担となります。体力や健康状態に不安のある方は、日頃からリュック型の防災袋や、階段昇降機器(簡易補助具など)の配置を検討しましょう。また、避難用スリッパや滑り止め付きの手袋、給水ボトルなどを準備し、移動時の負担軽減に役立ててください。住民同士で協力して移動をサポートし合える体制も大切です。

階段移動時に役立つ防災グッズ 用途・特徴
リュック型非常持出袋 両手が空くため手すりを掴みやすい。災害時の必需品を収納。
避難用スリッパ(滑り止め付) 階段での転倒防止やガラス片から足を守る。
携帯ライト 停電時や夜間の視界確保。
携帯用給水ボトル 長時間の移動や避難時の脱水対策。
簡易昇降補助具 足腰が弱い方や高齢者の階段移動をサポート。

 マンション管理組合への連絡・点検体制の整備

エレベーターが停止した場合は、速やかにマンション管理組合や管理会社へ連絡することが重要です。緊急時の連絡先は普段から控えておきましょう。エレベーター点検や復旧の優先順位は、管理組合との協力や、エレベーター保守会社との契約内容によって決まるため、日常的に情報共有・再確認を行っておくと安心です。また、マンション内の放送設備や掲示板での情報共有体制を整えておくことで、住民全体に迅速な対応が可能となります。

連絡・対応体制 備考・ポイント
管理組合・管理会社への緊急連絡体制 連絡網や電話番号リストを定期的に更新・配布
エレベーター保守会社の連絡先 エレベーター内部・共用部に掲示しておく
放送設備・掲示板など情報伝達手段の確保 停電時に備えて拡声器や充電式メガホンの準備も有効

 エレベーター内の閉じ込め対策と非常用グッズ

揺れている最中や直後には、エレベーター内に閉じ込められるリスクがあります。まず落ち着いて非常用呼び出しボタンで外部と連絡を取り、救助を待つことが原則です。閉じ込めに備えて、防災用の飲料水、小型懐中電灯、簡易トイレなどの非常用グッズを各エレベーターに備えているマンションも増えています。また、エレベーター内にはJIS基準の非常用インターホンが設置されているため、非常時は必ず使用しましょう。

エレベーター内に備えるべき非常用グッズ 用途の説明
飲料水 救出までの脱水予防
防災用懐中電灯 停電時の視界確保・安心感
簡易トイレ 長時間閉じ込め時の緊急用
ホイッスル・笛 大声が出せない場合の助けを呼ぶ手段
ビニールシート・防災アルミブランケット 寒さ対策や身体の保護に役立つ

上記のような備えをマンション全体、または各住戸が連携して行うことで、エレベーター停止時のリスクを大幅に軽減することが可能です。

 立体駐車場が使えなくなった際の対応策

 車の一時的な移動・出庫計画

地震発生時には立体駐車場の機械式部分が作動停止や故障により、車の出し入れができなくなる場合があります。特に高層型や地下併設型の立体駐車場では安全確認と復旧作業に時間がかかることが多いため、余震や二次災害の発生を考慮して、車両の一時退避や出庫のタイミングをあらかじめ決めておくことが重要です。マンション内で事前に「優先出庫対象車両」や「出庫手順」を決めておくと、混乱を避けることができます。

対応パターン 具体的な行動 注意点
駐車場復旧まで出庫できない 徒歩や他の交通手段で移動 交通機関やタクシーも混雑するため事前に家族と動き方を話し合う
早期に安全確認し出庫可能な場合 周囲と連携して速やかに出庫 余震注意。安全が確保されたら管理会社または警備員の指示に従う

 立体駐車場の地震対策の見直しポイント

マンションの立体駐車場は耐震構造や免震装置などの設備基準を満たしているか、市役所や管理組合経由で定期的に確認することが大切です。また、地震時には作動が自動停止し非常用モードに切り替わる機種も多いため、非常停止した際の解除手順や、復旧時の点検フローを住民全員が把握できるよう、マニュアルや掲示による周知を徹底する必要があります。

さらに、定期的な防災訓練やメーカーによる点検報告会の実施を管理組合と協力して行うことで、住民の意識向上や迅速な対応につながります。

 管理会社・業者との連携

立体駐車場が使用不可になった際は、管理会社と保守会社に即時に連絡することが重要です。多くのマンションではメーカーや保守点検業者と定期契約があり、緊急時の連絡先と優先対応の指示系統を平時から明確にしておくことが大切です。

停電や通信障害が発生している場合にも備え、各住戸への連絡体制や掲示板へのアナウンス方法を準備しておきましょう。自立型発電機や防災用非常電話(NTT災害用公衆電話など)の設置も、有効な備えになります。

 近隣のコインパーキングや代替駐車場利用の検討

長期間にわたり立体駐車場が利用できなくなるケースでは、近隣のコインパーキングや時間貸し駐車場を一時的な代替先とすることも検討しましょう。災害直後は空車情報を事前に把握するのが難しいため、近隣駐車場の情報リストや、緊急時の臨時駐車場の設営計画を管理組合で共有しておくと安心です。

都心部では地域単位で災害時の一時避難場所として駐車場スペースを提供する制度がある場合もあります。自治体や町内会とも連携し、災害時の駐車スペース利用ルールや、トラブル防止策を事前に調整しておくことも後々役立ちます。

 事前にできるマンション防災対策

 防災訓練・シミュレーションの実施

マンション全体で定期的な防災訓練や避難シミュレーションを行うことは、非常時に落ち着いて行動するために不可欠です。
これにより、実際の避難ルートや非常階段の位置、エレベーターが使えない場合の搬出方法などを全住民が正確に把握できます。特に高層階や幼児・高齢者のいる家庭では、階段移動の難しさを体感した上で、補助の手順も確認することをおすすめします。避難指示や連絡手段も共有しましょう。

 家庭内での備蓄・備品(非常食・飲料水・簡易トイレなど)

各家庭で最低3日分以上の飲料水、非常食、簡易トイレ、救急セット、懐中電灯、モバイルバッテリーなどの備蓄を徹底しましょう。
特に、マンション住まいの場合は上下水道や電力の復旧に時間がかかることがあるため、備蓄は多めを心掛けましょう。「尾西のごはん」や「アルファ米」、ペットボトル飲料、衛生用品、FM/AM対応のポータブルラジオ、使い捨てカイロも推奨されます。

備蓄品目 推奨個数・量(人数×日) 備考
水(飲料・生活用) 1人1日3L × 3日分 飲用・調理・衛生用
非常食 3日分×人数 アルファ米、缶詰、ビスケット等
簡易トイレ 大人1人1日5回×3日 凝固剤付きなど
携帯ラジオ・モバイルバッテリー 各1台 情報収集・携帯端末充電
救急箱 1セット 家族構成を考慮
防寒・雨具 各人数分 ブランケット、レインコート等

 マンション管理組合の防災計画の見直し

管理組合では、地震発生時の対応マニュアルや役割分担、安否確認の手順、防災設備の点検頻度について定期的な見直しを行いましょう。
特に、エレベーター停止や立体駐車場の閉鎖に関する対応フローを分かりやすくまとめ、防災備蓄倉庫の設置や共有部分の非常用備品(発電機、非常用トイレ、ライト、ヘルメットなど)配備状況も点検します。共用掲示板やマンションアプリなどで、周知徹底することも重要です。

 住民同士の協力体制づくり

隣人との日ごろからのコミュニケーションを図り、災害時には声掛け合いや助け合いができるよう協力体制をつくっておきましょう。
特に、高齢者、障がいのある方、小さなお子様がいる家庭は、災害時に支援が必要となります。安否確認や応急対応のために、LINEグループや回覧板、マンション内での緊急連絡網を作成しておくと効果的です。自治会や居住者同士で役割分担を決めて助け合える環境を整えましょう。

 停電時に役立つアイテム・最新の防災グッズ情報

 携帯用ラジオ・モバイルバッテリー・懐中電灯

停電時には情報収集が何より重要です。携帯電話が使えない場合やインターネットが繋がらない場合、携帯用ラジオが必須となります。「SONY ICF-B99」や「Panasonic RF-TJ20」はAM/FMともに受信でき、手回し充電機能搭載モデルもあります。
スマートフォンや小型家電の充電切れ対策には大容量のモバイルバッテリー(例:Anker PowerCore シリーズ)を用意しておくと安心です。
懐中電灯はLEDタイプの「GENTOS」やヘッドライト型も有効です。乾電池式・充電式いずれも備蓄し、定期的な点検をしましょう。

 簡易発電機・ポータブルバッテリーの活用

停電が長引くと、家庭内の電源確保が課題となります。小型のインバーター発電機(例:Honda エネポ、YAMAHA EF900iS)は、屋外でのみ使用できますが、携帯電話の充電や小型家電の稼働に役立ちます。
また、屋内利用可能なポータブル電源(例:EcoFlow RIVER、Jackery ポータブル電源)は、USB・AC双方の出力端子を持ち、LED照明や電気毛布、扇風機の稼働にも対応しています。
充電方法には、ソーラーパネルを活用できる機種も増えており、夜間・日中問わず安心の備えとなります。

 車中泊できるグッズや用意しておきたいアイテム

立体駐車場が使えず車が一時的な避難・仮住まいとなるケースも想定しましょう。下記のグッズは役立ちます。

アイテム 用途・特徴 代表的な製品名
ポータブルトイレ 車中や自宅停電時のトイレ対策。消臭袋・凝固剤付きを選ぶと衛生的。 ラップポン・BOS非常用トイレセット
厚手の車中泊用マット・寝袋 底冷えや腰痛予防に有効。コンパクト収納型が便利。 キャプテンスタッグEVAフォームマット、モンベル アルパイン寝袋
ポータブル電源・照明 車内でのスマホ充電・照明に。 Jackery ポータブル電源、LEDランタン「スノーピークほおずき」
目隠しサンシェード プライバシー確保、防犯対策にも。 車種別カット サンシェード
ペット用避難グッズ ペット同伴での車中泊や避難をサポート。 リッチェルポータブルキャリー、ペット用飲料水ボトル

加えて、携帯カセットコンロやレトルト食品・飲料水、簡易加熱剤(モーリアンヒートパックなど)があると停電中も栄養補給がしやすくなります。

 マンション住まいでの地震保険や補償の重要性

 地震保険でカバーできるリスクと注意点

マンション居住者にとって、地震保険は財産や生活の再建を守るために欠かせない補償制度です。日本は地震大国であり、建物本体や家財が被害を受けるリスクが高いため、マンションの場合も十分な備えが求められます。

地震保険は「火災保険」とは異なり、地震・噴火・これらによる津波を原因とした損害を補償対象とします。火災保険単体では地震による損害はカバーされないため、地震保険の付帯が必須となります。

補償内容 概要
建物の損害 マンション自体の主要構造部分や共用部分の損壊・倒壊・焼失を補償
家財の損害 室内の家具・家電・衣料品・現金(一定額まで)などの損害を補償
共用部分の補償 管理組合として加入していれば、エントランスやエレベーター、立体駐車場など共用設備の損害も対象

注意したいのは、地震保険は「全額補償」ではなく、最大でも火災保険金額の50%まで、また損害認定も「全損」「大半損」「小半損」「一部損」と区分され、それぞれ保険金額が異なる点です。さらに、設備の「使用不能」による二次的な損失(例:エレベーターや立体駐車場が使えない事による不便等)は原則補償対象外であることを理解しておく必要があります。

 被災時の損害申請や手続きの流れ

地震発生後、損害申請手続きを速やかに進めることが大切です。まず契約中の損害保険会社に速やかに被害状況を連絡します。多くの企業では、電話・インターネット・スマートフォンアプリなどで申請が可能です。保険会社の担当者がマンションを訪問し、損害調査(現地確認・写真撮影)を行い、認定後、保険金が支払われます。

手続きのポイント 内容
被害状況の記録 被害箇所や被災物の写真を撮影し、可能な限り多くの証拠を残す
管理組合への報告 共用部分の被害は管理組合が一括で手続きすることが多いため、速やかに報告
保険証券の確認 契約内容や保険金額、被保険者などを再確認
必要書類の提出 被害申請書、写真、見積書や修理明細などを提出
損害認定・保険金支払い 保険会社の調査、認定を経て保険金が口座に振り込まれる

マンション独自の補償内容や管理規約による制限も存在するため、入居時や定期的に確認し、地震発生前から適切な備えを整えておきましょう。

 マンション管理組合・個人で加入すべき補償の種類

マンションの場合、「共用部分の地震保険」は管理組合が一括で契約している場合が大半ですが、「専有部分の地震保険」は各住戸ごとに個別加入が必要です。加えて、賃貸マンションの入居者は家財地震保険の加入も重要です。

加入主体 対象 主な補償内容
管理組合 共用部分 構造体やエレベーター・立体駐車場設備・屋根・外壁などの修復費用
居住者(分譲) 専有部分・家財 室内の壁・床・天井等の建物内部、家財の損害への補償
居住者(賃貸) 家財 家具・家電・生活用品の損害補償

地震保険に加え、特約や追加補償として「地震火災費用保険」「臨時費用補償」「仮住まい費用特約」などを検討することで、万が一の時の再建をより手厚くすることが可能です。

定期的な保険内容の見直しと、住戸ごとのリスク評価に基づく補償の最適化が、マンション住まいならではの重要な防災対策となります。

 まとめ

地震発生時、マンションでエレベーターや立体駐車場が使えなくなるリスクは高く、事前の備えが重要です。非常階段や代替駐車場の確認、防災訓練や備蓄、最新防災グッズの準備、管理組合との連携、そして地震保険の加入により、安心して生活を守ることができます。