宮崎県で注文住宅を建てるなら雨戸は必須？台風と防犯を見据えた選び方

 

宮崎県で注文住宅を検討する際、台風対策や防犯面で雨戸は本当に必要なのか気になる方も多いはずです。この記事では、宮崎の気候特性、台風の影響、雨戸の防災・防犯機能、種類や費用、導入事例までを網羅的に解説。結論として、台風被害が多く防犯対策も重要な宮崎では、雨戸の設置は非常に有効な選択肢と言えます。

 宮崎県の気候と自然災害の特徴

 南国特有の気候と降水量の多さ

宮崎県は九州南東部に位置し、温暖で湿潤な気候が特徴です。年間平均気温はおよそ17〜18℃と比較的高く、冬場でも温暖な日が多く見られます。一方で、年間降水量は全国的に見ても多く、年間2,500mmを超える地域も珍しくありません。このような気候は南国的なイメージを与える一方で、住宅の設計や設備に湿気や豪雨への配慮を必要とします。

さらに、宮崎平野や延岡市内陸部などでは、地域によって雨の降り方に偏りがあり、梅雨時期や台風シーズンには集中的な豪雨が発生することもあります。このため、雨水の排水設計や屋根・外壁の防水対策が注文住宅において重要な検討要素となります。

 台風の接近数と被害の実態

宮崎県は日本の中でも特に台風の通過・接近が多い地域のひとつです。気象庁の統計によると、平均して年間2〜3回の台風が県内に接近または上陸し、その影響で暴風・大雨が発生します。特に太平洋側に面しているため、台風の進路によっては直撃しやすく、沿岸部や河川流域では注意が必要です。

例えば、2017年の平成29年台風第18号では、都城市を中心に床下・床上浸水や住宅の窓ガラスの破損被害が多く報告されました。これは、強風による飛来物や風圧が原因となり、雨戸やシャッター、窓ガラスの防災強化の必要性を再認識させる事例となりました。

以下に、過去5年間の宮崎県における主な台風接近数と被害状況を示します。

年度	台風接近・上陸数（宮崎県）	主な被害内容
2023年	3回	強風による看板倒壊、住宅ガラス破損、停電
2022年	2回	延岡市での冠水・飛来物による窓破損
2021年	3回	南部地域で農作物被害、強風による屋根破損
2020年	4回	西都市を中心に停電、外構設備の損壊
2019年	3回	豪雨による床下浸水、ガラス窓の破損が多発

このように、宮崎県においては毎年のように台風への備えが必要であり、飛来物や暴風雨への対策は欠かせません。注文住宅を設計する段階で、台風に強い構造や設備を取り入れることが、防災レベルを高める鍵となります。

 

 注文住宅における雨戸の役割とは

 台風に対する雨戸の耐久性と効果

宮崎県は日本国内でも特に台風の襲来が多い地域として知られており、注文住宅を建てる際には風雨への備えが極めて重要です。雨戸はその中でも、台風から家屋を守るための基本的かつ重要な設備です。特に窓ガラスは強風で飛来する物体に弱く、対策を講じなければ深刻な損害を受けるおそれがあります。

雨戸は飛来物などの衝撃を直接受け止めることで、ガラスの破損や破片による屋内被害を防止します。アルミやスチールなどの耐久性が高い素材で作られた雨戸であれば、風速40mを超えるような暴風でも十分な耐風強度が確認されている製品もあります。

 強風・飛来物からの窓ガラス破損防止

台風によって強風が発生した場合、植木鉢や看板、小枝などが飛来し、窓ガラスに直撃することがあります。このような飛来物衝突に最も弱いのが開口部、すなわち窓です。ガラスが割れると飛散により室内に危害が及ぶほか、そこから風が室内に流れ込み屋根や壁の破損につながる「内圧破壊」を起こす要因にもなります。

標準的なガラスや複層ガラスでは完全に防げない場面でも、雨戸を閉めることで物理的なバリアが形成され、衝撃そのものを遮断することが可能です。この点から見ても、注文住宅へ雨戸を設置することは非常に有効な災害対策になります。

 雨戸による断熱性・遮光性の向上

雨戸には災害対策の役目だけでなく、住まいの快適性を高める副次的な効果もあります。具体的には断熱性と遮光性の向上です。特に夏場、直射日光が窓ガラスを通して室内に入り込むと、室温が上昇しエアコンの効率が悪化します。

雨戸を閉めることで外部からの日射を遮断し、室内の温度上昇を防ぐことができ、冷房効率が向上して光熱費の削減にもつながります。また、冬場には窓からの冷気の侵入を抑えるため防寒効果も期待できます。

遮光性においても、夜間に雨戸を閉めることで外部の光や音を遮り、静かで快適な睡眠環境を確保することが可能です。また、日中に雨戸を活用することで映画鑑賞やシアタールームとしての活用など、住空間の使い方の幅を広げることもできます。

雨戸の役割	具体的な効果	期待されるメリット
台風対策	飛来物の衝突から窓ガラスを保護	ガラス破損や室内の損害を防止
防風・内圧破壊防止	窓からの風の侵入を防ぎ住宅構造を保護	建物全体の損傷リスクを低減
断熱・省エネ	日射遮蔽、冷気遮断による室温調整	冷暖房効率の向上と光熱費削減
遮光・防音	外部光・音の遮断	快適な睡眠・居住空間を実現

このように、雨戸には宮崎県のような自然災害リスクの高い地域において、防災だけでなく住環境の質を高める多面的な役割があります。注文住宅であれば設計段階で取り入れることが可能なため、早めの検討をおすすめします。

 

 防犯対策としての雨戸のメリット

 空き巣・侵入対策としての機能性

宮崎県は比較的治安が安定している地域とされていますが、それでも住宅街での空き巣被害は全国的には無視できない現実です。雨戸は建物の開口部を物理的に覆うことで、不審者による侵入を未然に防ぐ大きな効果があります。特に夜間や長期間の留守、不在が続く際などは、開口部が無防備であればあるほど標的にされやすくなります。

雨戸があることで「物理的な障壁」＋「視覚的抑止効果」の二重のセキュリティが実現します。室内からの施錠だけではなく、外側からもアクセスを封じる構造にすることで、窓ガラスの破壊やこじ開けといった典型的な侵入手口を大幅に減少させられます。特に電動シャッタータイプは遠隔操作やタイマー機能が付いたものもあり、夜間の閉鎖を日常的に自動化できる点でも利便性と防犯性を両立できます。

 留守中の防犯意識を高める視覚的効果

空き巣犯は対象とする家を事前に観察し、侵入しやすい家かどうかを判断しています。雨戸が設置されており、かつ日常的に活用されている住宅では、「防犯意識が高い家」として認識されやすく、犯行の抑止につながるという心理的効果も期待できます。

例えば、旅行や帰省などで数日間家を空ける場合、雨戸を閉めておくことで窓からの中の様子が見えにくくなり、在宅か不在かの判別がしづらくなります。これにより、犯人が侵入を諦める可能性が高まります。防犯カメラやセンサーライトと併用することで、さらに防犯性能は向上し、空き巣対策として高い相乗効果が得られます。

 防犯性能を高めるための雨戸タイプ別の違い

雨戸の種類	防犯効果の特徴	推奨利用シーン
手動スライド式雨戸	簡易的な防犯対策として有効。堅牢性は高いが開閉の手間あり。	日中は開けておきたい住宅、外出時や就寝時の短期的な防犯
電動シャッター	リモコン操作やタイマーによる自動開閉。セキュリティ性と利便性を両立。	共働き家庭や高齢者世帯、防犯を重視する住宅
セキュリティ付きシャッター（鍵・警報装置付き）	鍵付きや侵入検知センサー付きで、プロの空き巣にも対処可能な高性能モデル。	留守がちの住宅や長期不在の予定がある家庭

 防犯対策として雨戸を採用する際の注意点

防犯を目的として雨戸を導入する際は、住宅周辺環境や建物の構造をふまえたうえで最適なタイプの選定が必要です。たとえば、住宅密集地では雨戸の開閉音が近隣の迷惑となる場合があるため、静音仕様のスライド式や電動タイプがおすすめです。また、単に雨戸を設置しただけで満足するのではなく、防犯意識を高く維持し、日々活用することが重要です。

さらに、雨戸の防犯機能を最大限活かすには、鍵の管理や開閉のタイミング、他の防犯設備（例：センサーライト、窓用補助錠）との組み合わせなども合わせて検討することが求められます。宮崎県内でも特に人通りの少ないエリアでは雨戸の設置と活用が有効に働きやすいと言えるでしょう。

 

 宮崎県で注文住宅を建てる際の雨戸の必要性

 必要性を判断するためのポイント

宮崎県は年間を通して温暖な気候に恵まれていますが、その一方で台風の接近数が全国的に見ても多く、暴風・豪雨に見舞われる機会の多い地域でもあります。注文住宅を建てる際には、こうした地域特性に応じた住宅設備の導入が重要です。

特に窓周りの設備については、被害予防と快適な生活環境の確保の両立が求められます。雨戸は外部からの風雨を直接受け止めてくれるため、台風時の住宅被害の軽減につながる重要な設備と言えます。また、住宅密集地ではない郊外で住宅を建てる場合、防犯面での備えとしても有効です。

また、リフォームではなく新築のタイミングで導入することで、設計段階から住宅全体の耐候性や防犯性を計画的に高めることが可能です。特に以下の要素を踏まえることで、導入の優先度を判断しやすくなります。

判断ポイント	内容
台風の影響度	強風や飛来物によるガラス破損、家財への被害リスクを考慮
住宅の立地	海に近い・高台・開けた場所など、風の通りやすさ・飛来物リスクの高い地域かを確認
常時在宅の可否	共働き世帯や長期不在が多い家庭では、防犯対策としても有効
家族構成	子どもや高齢者がいる場合、安心感と安全性を高めるために導入を検討する価値あり
他の防災設備の有無	防犯合わせガラスやサッシ強化などとの連携を検討し、総合的に判断

 災害リスクの高い地域における重要性

宮崎県内においても、日南市や都城市、延岡市、宮崎市郊外などでは、毎年複数回の台風が接近もしくは上陸し、停電や風害、浸水被害が報告されています。特に台風10号や21号に代表されるような大型台風では、住宅のガラスが割れて室内に雨水が流入し、修繕費や保険対応が発生するケースも少なくありません。

このような状況を受けて、気象庁や自治体では、暴風対策としての雨戸・シャッターの活用を公式に推奨しています。また、宮崎県防災科研の報告によると、雨戸を設置していない住宅では窓ガラスの破損率が2倍以上高くなるとのデータもあります。（※2022年度・宮崎県防災調査より）

さらに、沿岸部に近い住宅や、風の通り道になりやすい角地に位置する住宅などでは、地域全体が早期警戒対象地域に指定されることもあるため、個別に対策を講じる必要性が一層高まります。

また、防犯面でも、一般的な開き窓や引違い窓は外部からの侵入経路になりやすいため、夜間や留守中の侵入対策として雨戸を閉めておくことで、被害を未然に防ぐ効果が期待できます。実際、宮崎県警の公開している犯罪抑制対策資料でも「開口部の二重ロック」「視覚的防犯対策」として雨戸やシャッター等の導入を奨励しています。

 

 雨戸の種類とその選び方

 手動式雨戸と電動シャッターの比較

注文住宅における雨戸の選択では、操作方法の違いから大きく2種類に分けられます。それが「手動式雨戸」と「電動シャッター」です。それぞれの特徴とメリット・デメリットを把握することで、ライフスタイルや予算に応じた最適な選択が可能となります。

項目	手動式雨戸	電動シャッター
操作方法	手で開け閉めする	スイッチやリモコンで操作
価格	比較的安価、設置費も低め	初期費用が高い、電源工事が必要
メンテナンス	構造がシンプルで故障しにくい	モーター部品の劣化に注意が必要
高齢者対応	力が必要なため高齢者には不向き	身体的負担が少なくバリアフリー対応
停電時対応	常に手動で対応可能	停電時は一部機種で手動切替が必要

電動シャッターは、リモコンやスマートフォン操作に対応している製品も多く、最新の注文住宅では採用率が高まっています。一方、コスト重視の場合には手動式雨戸が現実的な選択肢となることが多いです。特に台風の多い宮崎県では、複数の開口部にスムーズに対応できるよう、電動タイプの採用が防災の観点からも推奨されます。

 アルミ製、鋼板製、樹脂製などの素材の違い

雨戸の性能を左右するのが素材です。現在流通している主な素材には「アルミ製」「鋼板製」「樹脂製（プラスチック系）」があります。それぞれの特性を以下に比較します。

素材名	耐久性	防犯効果	断熱性能	価格帯
アルミ製	高い（腐食しにくい）	中程度（薄い板の場合は注意）	中程度	中価格帯
鋼板製	非常に高い	高い（耐衝撃性が強い）	低い（熱伝導率が高い）	やや高額
樹脂製	中程度（紫外線に弱い）	低い（破損しやすい）	高い（断熱性に優れる）	比較的安価

宮崎県のように高温多湿で台風の直撃が多い地域では、耐食性・耐風性に優れるアルミ製や鋼板製の利用が推奨されます。特に海に近いエリアでは、塩害にも配慮しアルミに表面塗装を施したタイプや、ステンレスとの複合材を選ぶケースも見受けられます。

 デザイン性と住宅の外観への影響

注文住宅では機能性に加え外観の美しさも重視されるため、雨戸選びにはデザイン性も欠かせません。従来の雨戸は無機質な印象を与えがちでしたが、近年は意匠を凝らした商品も増加しています。

多くのメーカーでは、住宅外観に調和するよう木目調、マットブラック、モダンカラーなど豊富なカラーバリエーションを用意しており、建物のスタイルに合わせたコーディネートが可能です。
また、スラットと呼ばれる羽根が細かく設計された「ブラインドシャッター」や、部分的に採光を得られるスリット入りタイプも人気です。これにより、雨戸を閉めた状態でも自然光を取り入れやすく、閉塞感を避けることができます。

雨戸が住宅の景観に与える影響は大きく、後付けで選ぶ場合は建物の外壁材や窓枠の色調と合わせて、違和感が出ないようなデザイン計画が求められます。設計段階から考慮することが、機能性と美観を両立する鍵となります。

 

 費用相場とコストパフォーマンス

 設置費用の目安とランニングコスト

宮崎県で注文住宅を建てる際、雨戸の設置費用は選ぶタイプや素材、窓の大きさ、枚数により異なります。おおよその目安として、以下のような相場があります。

雨戸の種類	素材	1窓あたりの設置費用（概算）	ランニングコスト
引き違い式手動雨戸	アルミ製	約7〜10万円	メンテナンス費用少、電力不要
シャッター式手動雨戸	スチール製	約6〜12万円	数年ごとの塗装・潤滑剤メンテナンス必要
電動シャッター雨戸	アルミ合金	約12〜18万円	電気代（年間約1,000円前後）＋メンテナンスあり

導入初期費用は電動式になるほど高額になりますが、日々の利便性や使用頻度、防犯性の高さを志向する場合には、多少の初期投資が長期的に見て利得となる可能性があります。

また、同じ雨戸でも、住宅の窓の数が多い・大開口の掃き出し窓が多い場合には費用も比例して増加します。そのため、間取り設計の段階から雨戸設置を考慮に入れて計画することが、費用の最適化に繋がります。

 雨戸設置によって得られる経済的メリット

初期投資がかかる雨戸設置ですが、長期的に見た場合の経済的メリットも見逃せません。以下のような形で、雨戸は住宅の保護機能としての効果に加えて、継続的なコスト削減に寄与します。

• 台風などの自然災害による窓ガラス破損の予防：修理費や破損による室内家具の損傷リスクを抑える。
• 断熱性の向上：外気の熱や冷気を遮断し、冷暖房効率を高めることで、電気代の節約に。
• 遮光・遮音効果：遮光性によって室内の家具や床の色褪せを防止。また交通量の多いエリアでは遮音性により日常の快適性が向上。

これらの点を考慮すると、雨戸は単なる災害・防犯対策というだけではなく、住宅全体の耐久性・快適性・経済性を高める設備として、優れたコストパフォーマンスを発揮します。

特に、宮崎県のように台風リスクが高いエリアでは、雨戸を設置したことで将来的な被害コストを回避できる可能性が高く、それだけでも十分に元が取れると考えられます。また、防犯性能が向上することで空き巣対策にもなり、安心して留守を任せられるという精神的なメリットも費用に見合った価値のひとつです。

 

 宮崎県内の注文住宅で雨戸を導入した事例紹介

 台風被害を防げた成功例

宮崎県日南市に新築注文住宅を建てたS様邸では、電動アルミシャッタータイプの雨戸を全ての主開口部に採用しました。S様は過去に実家で台風による飛来物が窓ガラスを直撃し、室内が破損した経験があり、注文住宅の計画段階から台風対策に強いこだわりを持っていました。

2023年9月に接近した台風14号では、宮崎市や日南市を中心に最大瞬間風速40mを超える暴風が観測されました。しかしS様邸の雨戸は事前に閉めておくことで、ガラス面の損傷ゼロ、雨水の侵入も皆無という結果に。近隣住宅でガラスの破損が相次ぐなか、被害ゼロで済んだことから「導入して本当に良かった」とのコメントをいただいています。

また、電動式であるため就寝前や外出時にもスイッチ一つで操作可能であり、気象警報が出た際にもスピーディな対応が可能だった点も評価されました。

 雨戸による防犯対策が功を奏したケース

宮崎市内に実家を持つI様は、郊外に注文住宅を建築する際、防犯性能を高める目的で鋼板製手動タイプの雨戸を選択しました。I様の自宅は市街地から少し離れた閑静な住宅地に位置しており、夜間や長期不在時の防犯に不安があったため、設計段階で住宅会社から雨戸の導入を提案されました。

導入から約半年後、近隣で空き巣の被害が複数発生する事件がありました。その際、雨戸が閉じられた状態のI様邸には侵入された形跡が一切なかったことが、防犯上の高い抑止力となったことが確認されました。

I様は「雨戸があるというだけで、外部からの侵入をためらわせる雰囲気がある。住んでいて心理的にも安心感が高い」と話しています。また、家を空けることが多い日中も物理的な目隠しになることから、『留守であることが分かりにくい』という点でも大きな安心材料となっています。

 事例別の雨戸導入概要

施主名（仮名）	地域	雨戸の種類	目的	導入効果
S様邸	日南市	電動アルミシャッター	台風・飛来物対策	台風被害ゼロ、操作性高評価
I様邸	宮崎市郊外	鋼板製手動雨戸	防犯・長期不在対策	空き巣未遂回避、防犯意識向上

このように、宮崎県内で雨戸の導入を検討するにあたっては、台風リスクと防犯リスクの双方を視野に入れることが極めて重要です。地域性や立地環境、自身の生活スタイルを見極めることで、もっとも効果を発揮する雨戸の導入が可能となります。

 

 雨戸以外の台風・防犯対策とは

 複層ガラスや防犯合わせガラスの導入

宮崎県のように台風の通過が頻繁な地域では、窓ガラスの強化が極めて重要です。最近の注文住宅では「複層ガラス（二重ガラス）」の導入が一般的になりつつあります。これは2枚のガラスの間に中空層を設け、断熱性や気密性、防音性を向上させるだけでなく強風時の飛来物衝突に対しても一定の耐性を発揮します。

より強固な防災・防犯性能を求めるなら、「防犯合わせガラス」の活用が推奨されます。これは2枚のガラスの間に樹脂中間膜を挟み込むことで、割れても破片が飛散しにくく、貫通しにくい特徴を持ちます。これにより、空き巣や強風による物理的な衝撃から家を守る効果があります。

 住宅の向きと開口部の配置プランの工夫

住宅の設計段階で開口部の配置や建物の向きを工夫することで、台風や強風による被害を最小化することが可能です。一般的に、宮崎県では夏から秋にかけて台風が南から接近することが多く、南側や南西側に大きな開口部を設ける設計は風の直撃を受けやすいため注意が必要です。

以下の表は、気象条件に配慮した開口部設計の一例を示したものです。

開口部の配置	対策効果	留意点
北面・東面中心	台風時の主風向から外れる	採光不足になりがち
庇や袖壁による庇護設計	風雨の直撃を防ぐ	デザイン性とのバランスが必要
開口部を最小限に設ける	物理的リスクを軽減	通風・採光計画に制約

また、吹き抜け構造や高窓の採用も、防犯リスクを抑えながら通風・採光を確保する有効な方法です。プライバシーを守りつつ、自然の脅威からの防御性能を高める設計が求められます。

 防犯カメラ・センサーライトとの併用

物理的な侵入防止に雨戸を活用するだけでなく、防犯カメラやセンサーライトなどの電子的対策を併用することで、総合的な防犯性能を向上させることが可能です。

防犯カメラは、不審者の動きを記録するだけでなく、カメラの存在自体が犯罪抑止効果を発揮します。特に、玄関・勝手口・掃き出し窓付近など、外部から侵入経路となる可能性があるポイントへの設置が有効です。

また、動体検知付きのセンサーライトは、夜間に近づく人物や動物を感知して点灯することで、空き巣や不審者の侵入を防ぐ効果があります。最近ではソーラー発電タイプやスマートフォン連携型など、高機能な製品が増加しています。

さらに、これらの設備は宅内からスマートフォンで遠隔監視や制御が可能なIoT対応型も登場しており、共働き世帯や長期の旅行中にも安心して住宅を見守る体制が整いつつあります。

 

 宮崎で注文住宅を依頼する際の住宅会社選びのポイント

 地元の気候に詳しい住宅会社の選定

宮崎県で注文住宅を建てる際には、地域の気候特性や自然災害に精通した地元の住宅会社を選ぶことが重要です。特に毎年のように発生する強い台風に対応するため、耐風・耐水・防災設計において実績がある業者であれば、安心して依頼できます。たとえば、宮崎市や都城市、延岡市などの海岸部では、風速対策や浸水対策が不可欠であるため、その地域の過去の被害状況や地盤、海抜情報を熟知している会社であれば最適な提案が可能です。

また、年間を通じて高温多湿な気候が続く宮崎では、屋根や外壁の施工において通気性・防腐性を考慮したノウハウも求められます。住宅完成後のメンテナンス計画も把握している地元企業であれば、長期的に安心して家を任せられるでしょう。

 防災・防犯設備の提案力と施工実績

注文住宅では、台風や地震といった自然災害への備えに加え、防犯対策の確実な施工が求められます。そのため、雨戸、電動シャッター、防犯合わせガラス、防犯カメラ設置などの総合的な提案ができる住宅会社を選ぶことが大切です。

以下のように、各施工内容について明確な実績がある住宅会社を選ぶことで、安心して家づくりを進めることができます。

防災・防犯設備の種類	提案・施工実績の確認ポイント	期待される効果
雨戸（手動・電動）	施工写真、台風被害時の実績、施主の口コミ	飛来物から窓を守り、侵入防止にも有効
防犯合わせガラス	使用している製品の種類とメーカーを提示できる	ガラス破りの侵入に時間がかかることで抑止効果
センサーライト・防犯カメラ	設置位置、カメラの死角対策、録画保存の仕組み	夜間でも敷地周辺の不審者侵入を察知・記録
屋根・外壁の耐風構造	建築基準法以上の耐風等級に対応	強風による屋根材や外壁材の飛散リスク低減

施工だけでなく、設計段階でのリスクシミュレーション提案力がある住宅会社なら、より具体的に自然災害や防犯トラブルを回避する方法を示してくれます。また、火災保険や地震保険の適応条件となる防災仕様にも詳しい住宅会社であれば、金銭面でも有利です。

加えて、宮崎県内では雨戸やシャッターの設置に補助金が出る市町村もあるため、補助制度を熟知し、申請を代行してくれる会社を選べば、導入コストを抑えながら最大の効果を得られます。

 

 まとめ

宮崎県で注文住宅を建てる際、雨戸の設置は台風による飛来物から窓を守り、防犯性を高めるうえでも有効です。手動や電動、素材の種類により機能性やデザイン性も選べるため、それぞれの家庭に適した雨戸を選ぶことが重要です。台風常襲地域である宮崎では、雨戸と合わせて複層ガラスや防犯設備の併用も視野に入れ、防災・防犯に強い住まいづくりを行いましょう。