戻る

世界遺産視察

ガウディ建築 カサ・バトリョスペイン バルセロナ

アントニ・ガウディが手掛けた建築物。1877年に建築。
曲線を特徴とするモデルニスモの作品。

撮影:佐藤建設株式会社 佐藤光輝

① 建物概要

 

  • Casa Batlló は、もともと 1877年に建てられた建築を、1904〜1906年に Antoni Gaudí が全面改築した集合住宅/邸宅です。Casa Batlló+2MasterClass+2

 

  • 所在地はバルセロナのパセジ・ダ・グラシア通り沿い。改築前の建物を大胆に作り変え、現在は彼の代表作のひとつとなっています。Casa Batlló+1

 

  • この建築は直線をほとんど用いず、曲線と有機的なフォルムを徹底。また、外壁や屋根、バルコニーなどにモザイクタイルや色彩豊かな素材を用い、「見る建築/感じる住まい」として強い個性を放っています。ウィキペディア+2世界遺産オンラインガイド+2

 


② 見どころ・設計的魅力

 

 

■ 自然/海/生命を想起させる有機的フォルム

 

Casa Batlló のファサードや屋根は、「波」「水面」「生き物の背中」「ドラゴンの鱗」などを想起させるデザイン。

モザイクのタイルや陶器片(トレンカディス)で彩色された外壁は、光の当たり方で色合いや表情を変え、見る者を魅了します。catalunya-kankou.com+2barcelona.de+2


建物としての箱型ではなく、“自然の一部”のような造形――この自由さと遊び心が、現代の住宅設計においても示唆に富んでいます。

■ 光・影・空気・視線——“空間の演出力”

 

内部は直線が排され、曲線による壁・天井・窓の配置、ステンドグラスや曲がった柱、流れるような階段などで構成され、光の入り方や影の落ち方、空気の流れまで設計されています。

これにより、時間や季節、見る角度で表情を変える“生きた空間”が生まれています。ウィキペディア+2domusweb.it+2

■ 建築としての“象徴性/物語性”

 

外観の龍の背中、骨のようなバルコニー、海底や洞窟を思わせる内装――Casa Batlló は単なる「住まい」ではなく、「伝説」「自然」「芸術」を語る“空間の物語”として成立しています。

どこを切り取っても、鑑賞と発見があり、住む人・訪れる人に記憶として残る建築です。musei-vaticani-roma.it+2Listone Giordano+2


③ 佐藤建設として得たインスピレーション/住まいづくりへの応用

 

  • 自然のゆらぎ・有機性を取り入れたフォルムの提案


     直線・箱型ではなく、曲線や不規則なライン、自然の形状をモチーフにした設計で、「唯一無二の住まい」を創り出す可能性。

 

  • 素材 × 光 × 形状による“空間の物語性”


     無垢材・自然素材と、光の入り方・影の落ち方を意識した設計で、住まいが時間を刻む“生きた空間”になる。

 

  • 住まいを“鑑賞される建築”として捉える


     ただ機能を満たすだけでなく、訪れる人の感性に訴え、思わず写真を撮りたくなる・人に語りたくなるような建築デザイン。

 

  • 住む人の日常に“非日常性”を融合
     日常の帰宅・家族の時間・暮らしの中に、“少しの驚き”や“心地よい違和感”――それが住まいの価値になる。