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世界住宅視察

アルコス邸 一般住宅視察アンダルシア ロンダ

一般住宅の視察になります。
100年以上も受け継がれている住宅です。

撮影:佐藤建設株式会社 佐藤光輝

海外視察レポート|一般住宅視察から得た「住まいの基本」に立ち返る設計ヒント

 

このたび、佐藤建設は海外の一般住宅を視察しました。

住宅設計の原点に立ち返りつつ、住まいの“素”としての設計思想、生活のしやすさ、素材の見え方、光と影の関係などを改めて考える機会となりました。

本記事では、視察住宅で見られた特徴を「① 想定される住宅概要/② 注目ポイント & 設計的魅力/③ 私たちの家づくりへの応用可能性」の3点から整理します。


① 想定される住宅概要

  • 規模としては、単世帯の一戸建て住宅または戸建て住宅群の一軒。間取り・構成から「家族構成世帯向けの住まい」である可能性が高く、敷地・建物のプロポーション、バランスともに落ち着いた設計。

 

  • 外観および外構・敷地計画においては、周囲の環境との調和を意識したスケール感。庭先、中庭、テラスあるいはバルコニーを備え、屋内と屋外の空間の往来・連続性が取れているように見受けられます。

 

  • 建材や仕上げには、ナチュラルな素材——木、石、あるいは左官仕上げ、自然な色調の壁や床材——を用いており、過度なモダン装飾ではなく「年月と共に味わいが増す住まい」を想定できる造り。

 


② 注目ポイント & 設計的魅力

 

■ 屋内外の連続性と自然とのつながり

 

 

大きな開口/窓、テラスや中庭へのアクセス、中庭や庭との視線の抜けなど、屋内と外をゆるやかにつなぐ設計が見られました。


これにより「閉じた箱」ではなく、「自然と共に暮らす住まい」としての安心感と開放感が両立しています。

■ 素材感・質感の落ち着きと経年変化への配慮

 

無垢木材や自然素材の風合い、あるいは左官+自然塗料などの仕上げによって、時間とともに味わいが増すような造り。


これにより、住まいは“使うほどに深みを増す居場所”となり、住む人に長く愛される設計思想が感じられます。

■ 適度なスケール感とゆとりのある間取り

 

派手さや過剰なデザインではなく、人の暮らしに寄り添うスケール感。必要十分な広さ、動線、居住性が確保されており、日々の生活がストレスなく送れるよう配慮された設計。

■ 環境・気候への配慮と思慮あるデザイン

 

敷地の向き、窓の配置、庇(ひさし)や軒の出、通風・採光を考慮した設計は、おそらくその地域の気候にあわせた“素朴で実直な住宅デザイン”である可能性があります。


③ 佐藤建設として応用できる設計のヒント

 

  • 屋内外をつなぐ設計:庭、中庭、テラス、ウッドデッキなどを暮らしの一部として設計。無垢材や自然素材を使いながら、内と外のつながりを重視した家づくり。

 

  • 素材の経年変化を活かす設計:年月とともに味が出る素材・仕上げを選び、住む人に「育てる家」という価値提案をする。

 

  • 居住性・実用性を重視したスケール設計:過剰なデザインを排し、使いやすさ、メンテナンス性、動線の良さを確保。長く安心して暮らせる住まいを基本に据える。

 

  • 気候や敷地条件との調和:敷地向き、風通し、採光、庇・屋根の形、窓の配置など、環境条件を活かす設計。宮崎で家を建てる際にも重要な設計観点。

 


■ まとめ

この一般住宅の視察は、派手な建築や流行デザインではなく、住まいの本質――「居心地のよさ、自然とのつながり、素材感、時間と共に味わう豊かさ」――を再認識させてくれる貴重な機会でした。

佐藤建設としては、このような 素朴で、しかし丁寧に設計された住まい を改めて提案のベースに据え、宮崎の気候・暮らしに合わせた「本物の住まい」をこれからも追求してまいります。