セテニル・デ・ラス・ボデガススペイン ガディス
大きな岩の下に店舗なども立ち並び神秘的な町でした。
撮影:佐藤建設株式会社 佐藤光輝














🌄 海外視察レポート|Setenil de las Bodegas — 岩に抱かれた白い村から学ぶ「地形 × 住宅」の思想
① 村の概要
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Setenil de las Bodegas(以下「セテニル」)はスペイン南部アンダルシア州カディス県にある小さな村で、人口は数千人ほどのコミュニティ。ウィキペディア+2e-aruki.net+2
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この村の最大の特徴は、巨大な岩の張り出しや峡谷の岩壁を“そのまま活かした住宅群” です。多くの住居や建物が、自然の岩を屋根や壁に用い、洞窟あるいは岩をくり抜いた“岩と共にある住宅”として成立しています。Salt in our Hair Travel Blog+2Essential Marbella Magazine+2
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このような形で人が住み続けてきた土着の住環境は、ローマ時代以前からの長い歴史を持つとされ、人類の古い居住形態が現代に残る稀有な場所でもあります。theunknownenthusiast.com+2archdaily.com+2
② 見どころ・街並みの設計的魅力
■ 岩と建築の融合——“自然との共生”が生む独特の景観
セテニルでは、岩のオーバーハング(張り出し)や峡谷の壁面を利用して家々が造られており、通りによっては“巨大な岩の天井”の下を歩くような感覚です。まるで住居そのものが自然の岩の一部になっていて、「岩に飲み込まれた村」のような独特のリアリティがあります。Phil and Garth+2en.agnesinversiones.com+2
■ 気候と快適性を考えた“岩住まい”の合理性
このような岩の中の住居には、自然の断熱・保温効果があり、夏の強い日差しも遮断され、冬でも比較的温かさが保たれることから、気候の激しい地域でも快適性を保てる住まいの“知恵”が感じられます。Hotel La Garganta+2vagabondveronika.com+2
■ 路地・地形を活かしたスケールと動線の妙
峡谷に沿った“谷底の通り”と、岩上の棚状地形、斜面・段差・高低差を利用した街区構造――こうした複雑な地形が、「直線・水平だけではない動線と空間構成」を生み、村内を歩くだけで異なる時間・視点・景色が訪れる“体験的な街並み”となっています。ベコログ+2Salt in our Hair Travel Blog+2
■ 白く塗られた建物 × 岩 × 光・影のコントラストによる景観美
多くの建物は白壁で外装されており、白い壁と岩の粗い質感、そして日差しや影によるコントラストが、岩の“陰影”と“質感”を際立たせ、普通の住宅地とは異なる、時と光によって変化する豊かな景観を生んでいます。スペイン語教室ADELANTE+2bodegadonafelisa.com+2
③ 私たちの家づくりへの示唆 — “地形 × 素材 × 光” を活かす設計アプローチ
■ 地形を活かす設計思想 — 「敷地の個性」を強みに
傾斜地・岩盤地・高低差ある敷地など、日本でも“難しい敷地”は存在します。セテニルのように地形を“制約”と捉えず、“設計の個性”として取り込めば、唯一無二の建築が生まれます。例えば、段差を活かしたスキップフロア、地形に沿った窓やテラス配置、外構と建物の一体設計など――地形と対話する住まいづくりが可能です。
■ 素材と自然の調和 — 岩や天然素材の活用
岩・石・左官・無垢材など、自然素材を積極的に使い、“素材そのものの質感・経年変化・自然とのつながり”を感じられる住まい。セテニルの住宅がそうであるように、素材を隠すのではなく“建築の一部”として見せることで、立体感と歴史感、時間の蓄積を感じる住まいをデザインできます。
■ 光・影・環境の設計 — 日射・風通し・季節感を含めた空間設計
自然の岩が屋根になるような住まいならではの“影と涼”の恩恵を、設計で取り入れる。たとえば庇やオーバーハング、深い軒、屋根と壁のボリューム感を用いて、夏の直射を避けつつ、冬には光を取り込む。光と影、季節による温度の変化、風通し――地域の気候を読みながら設計することで、心地よく長く住める家になります。
■ “曖昧な外界との境界” — 内と外を繋げる空間の構成
岩・壁・外構・地形・外部環境を含めて住まいを設計することで、屋内・屋外・自然が境界なくつながる“住まいと環境の一体化”を実現。庭、テラス、中庭、岩や緑を取り込んだ外構、あるいは地形に沿った設計――“住む”という行為自体を自然との対話にすることができます。
📝 まとめ
Setenil de las Bodegas は、自然地形と人間の暮らしが“真に一体化”した貴重な村です。岩という“大きな制約”を、そのまま住まいの素材・構造・景観として活かすことで、生きた建築、風景としての住宅、時間と自然を感じる住まいが成立しています。
私たち 佐藤建設(自然屋) は、この視察で得た 「地形・素材・光・環境」への敬意と発想 を、宮崎の土地・気候・暮らしに合わせて落とし込み、これからの住宅設計に活かしてまいります。