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世界展示会 工場視察

パッシブハウス工事現場視察ドイツ ハイデルベルク

集合住宅の現場を視察。
断熱性能や機密性能を学びました。



撮影:佐藤建設株式会社 佐藤光輝

🏠 海外視察レポート案|パッシブハウス集合住宅工事現場視察 —「快適・省エネ × 住まいの未来」


① “Passive House(パッシブハウス)”とは

  • パッシブハウスは、建物の断熱性・気密性・熱橋対策・高性能窓・換気システムなどを総合的に設計・施工することで、冷暖房に頼らずとも快適な室内環境を実現する「高性能住宅の国際基準」です。 passipedia.org+2VY Architecture+2

  • その結果、一般的な住宅と比べて 冷暖房エネルギーを大幅削減 できるため、長期的な光熱費の削減、CO₂削減、快適な住環境の維持につながります。 ウィキペディア+2beattie.io+2

  • また、断熱・気密性能の高さは室内の温度差や結露、外気変動などの影響を抑えるため、 年齢や健康状態を問わず快適で安全な住まい という観点からも注目されています。 パッシブハウス・ジャパン+2ROCKWOOL+2

このようなパッシブハウスの思想・技術を、多数戸住宅(集合住宅)のスケールで取り入れた現場の視察となりました。


② 視察した集合住宅工事現場の特徴と学び

以下は、今回の視察で特に確認・注目した点です:

■ 高断熱・高気密性能における構造と施工の徹底

  • 外壁・屋根・床など建物の“外皮(エンベロープ)”全体にわたって断熱材を厚く、高性能に施工。これにより、外部の気温変化を遮断し、室内温度を安定させる基盤が整えられていました。

  • 窓や開口部には高性能サッシ・複層ガラス(トリプルガラスなど)が採用され、窓からの熱ロスを最小化。熱の出入りを抑えることで冷暖房負荷を下げる設計となっています。

  • 建物全体が「熱橋(熱の逃げやすい部分)」をできるだけ排除するようディテール設計がなされ、断熱・気密性能を確保する工夫が随所に見られました。

■ 換気+熱回収システムによる快適な空気環境

  • 外気と室内空気を入れ替える換気システムに加えて、排気の熱を再利用する「熱回収換気(HRV/ERV)」が導入されており、換気による熱ロスを抑えながら新鮮な空気を取り込む設計。これにより、室温だけでなく 空気質・住環境の安全性 も配慮されていました。

  • 高気密な住宅では特に重要となる「換気と熱管理」のバランスが、設計・施工の初期段階から意識されている点が印象的でした。

■ 集合住宅ならではの“スケール × 効率性”

  • 単一戸建てでなく、複数戸がまとまった集合住宅でパッシブハウスを採用することで、コスト効率・施工効率・エネルギー効率のメリットが相対的に活きやすいという可能性を実感。

  • 建物規模が大きくても、断熱・気密・換気・窓などの基本性能をきちんと設計・施工すれば、快適性・省エネ・品質を維持できるという“拡張性”を確認。

■ 日本での応用を見据えた設計思想の検証

  • 宮崎のような温暖・湿潤な気候でも、断熱と気密、換気・湿気対策をきちんと設計すれば、快適性・省エネ性を両立できるという可能性。

  • 断熱・気密を重視しつつ、自然素材や地域の気候・風土を考慮することで、日本の住まいに合った「パッシブハウス的住まい」が成立するという実感。


③ パッシブハウス集合住宅を通じて得た “これからの住まい” のヒント

この視察から、私たちが今後の住宅設計・提案に活かしたいと思ったポイントは以下の通りです:

  • 省エネ住宅 ≒ 快適・健康な住まい
    高断熱・高気密+換気の設計は、ただエネルギーを節約するだけでなく、住む人の健康・快適さ・安全を支える基盤になる。

  • 集合住宅でも高性能住宅は可能
    一戸建てに限らず、アパート・マンションなど集合住宅でも、パッシブハウスの考え方を取り入れた住まいが実現可能 — これにより提案の幅が広がる。

  • 長期的なコストと価値を見据えた住まいづくり
    建築コストはやや上がる可能性があっても、光熱費削減、メンテナンスのしやすさ、快適性、住み心地の良さなどを考慮すれば、「長く住み続けられる家」となる。

  • 環境・気候・住まい手に合わせた設計
    断熱・換気・素材の選定を、地域の気候や住まい手のライフスタイルに応じてカスタマイズ。単に海外の仕様を真似るのではなく、「日本の暮らし」に合ったパッシブ設計。


📝 まとめ

今回のパッシブハウス集合住宅工事現場の視察は、私たちにとって「住まいの性能と質」「快適性と省エネ」「設計思想と環境配慮」を再確認する非常に貴重な機会となりました。

私たち 佐藤建設は、この学びを生かし、宮崎の気候・土地・暮らしに合った “高断熱・高気密 × 快適 × サスティナブル” な住まいを、お客様に提案してまいります。