省エネルギー パッシブハウス 視察ドイツ ダルムシュタット
工事中の建築物も視察できました。
日本では積雪がある地方に適した設備でした。
撮影:佐藤建設株式会社 佐藤光輝









海外視察レポート|ドイツ Passive House Institute 所縁の街 Darmstadt(ダルムシュタット)で「パッシブハウス」集合住宅/現場を視察
① 背景 — パッシブハウスとダルムシュタットの関係
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「Passive House(パッシブハウス)」は、建物の断熱性・気密性・開口部・換気などを徹底し、冷暖房に頼らずとも快適な室内環境を実現する高性能住宅の国際基準です。 ウィキペディア+2passivehouse.com+2
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この基準は、1980〜90年代にドイツで確立され、1991年にはダルムシュタットにて世界初のパッシブハウス住宅群(テラス形式の集合住宅群)が完成しました。 passiv.de+2blowerdoor.com+2
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以来、パッシブハウスは世界中に広がり、多くの住宅・集合住宅・公共建築で採用されています。ダルムシュタットはその発祥地にして、今もパッシブハウスの思想と実践の中心地です。 ウィキペディア+2ecohabitat.gr+2
② 視察対象の概要 — 集合住宅+パッシブハウス規格の建設現場
今回視察したのは、ダルムシュタットにおけるパッシブハウス仕様の集合住宅の建築現場/既存の集合住宅群。具体的には、発祥初期の住宅群(テラス方式の連棟住宅)および、その後の拡張や改修を含めたパッシブハウスの集合住宅です。
この住宅群は、建材・断熱・気密・窓・換気設備すべてにおいてパッシブハウスとしての厳しい設計基準を満たすよう造られており、「省エネルギー」だけでなく「快適で健康的な室内環境」「耐久性」「住み心地」のバランスも考えられています。
③ パッシブハウスの設計・施工のポイントと現場での確認
🔒 厳格な断熱・気密・熱橋対策
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建物全体の外皮(外壁・屋根・床下など)を高断熱材で包み、熱の出入りを極力遮断。これにより外気温の影響を受けにくく、室内温度を安定させる基盤を作っています。
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開口部(窓・扉)には高性能サッシ(複層・三重ガラスなど)を採用し、熱の出入りを最小限に。窓からの熱損失/熱取得を抑えるのがパッシブハウスの基本です。
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また、構造上の“熱橋(断熱が弱くなる部分)”を徹底的に排除する設計・施工がなされており、通常の住宅では見落とされがちなディテールにも注意が払われています。これにより、冬の寒さ、夏の暑さ、結露や断熱ムラなどの問題を防いでいます。 サイエンスダイレクト+2passiv.de+2
🌬 換気+熱交換システムによる室内環境の確保
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気密性が高くても、室内空気を入れ替えないと空気質が低下します。そのため、熱回収型の換気システム(HRV / 熱交換換気)が必須。外気を取り入れる際に、排気の熱を回収して再利用することで、室温を保ったまま換気が可能です。これにより、年間を通して安定した室内空気と快適な温熱環境が保たれます。 passiv.de+2yourhome.gov.au+2
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実測では、暖房エネルギーを大幅に抑えられ、一般的な住宅と比べて冷暖房エネルギーを約 80〜90%削減できる例もあるとの報告があります。 Airflow+2ecohabitat.gr+2
🏠 集合住宅への適用で実現する「効率 × 快適性 × 継続性」
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単棟の戸建て住宅だけでなく、集合住宅でパッシブハウスを採用することで、スケールメリットが活きやすく、建設コストのバランスや住戸ごとのエネルギー効率を高めることが可能です。
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特に住宅密集地や都市近郊など、敷地や住戸数が限られる環境でも、「快適で省エネ」「高耐久・メンテナンス性」「将来の光熱費の安定」といった価値を住まい手に提供できる点は大きな強みです。
④ 私たち(佐藤建設)にとっての学びと、宮崎での応用可能性
✅ パッシブハウスの思想をベースにした「住まいの質」の提案
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単に「断熱性能が高い」「暖かい」「冷暖房費が安い」だけでなく、室内の空気質、温熱の安定、静けさ、健康性など、住まいの“質”を根本から高める設計思想として捉える価値。
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特に、湿気・暑さ・寒さ・季節変化などがある宮崎のような地域では、断熱・気密・換気をきちんと設計すれば、四季を通じて快適で安全な住まいが実現できる可能性を感じました。
🏘 集合住宅・多世帯住宅にも応用できる設計の幅
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将来的にアパートや集合住宅、または二世帯住宅・長期居住を考えるお客様に対して、エネルギー効率と住み心地を両立した住まいの提案が可能。
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また、断熱・気密性をしっかり確保した上で、素材や空調・自然素材・通風・間取りを工夫すれば、「住み心地」「健康」「快適さ」を犠牲にせず、エコで耐久性のある住宅設計が可能です。
🌿 将来を見据えたサスティナブルな家づくり
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冷暖房エネルギーの大幅削減、住宅の長寿命化、快適性の維持などは、これからの地球環境・エネルギー問題の観点からも重要。パッシブハウスの思想を日本の気候や暮らしに合わせて実現すれば、「環境に優しい」「ランニングコストが安い」「快適で健康的」という三拍子そろった住まいに。
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私たちとしても、今後の提案の選択肢のひとつとして、パッシブハウス規格の採用を積極的に検討する価値があると感じています。
📝 まとめ
ダルムシュタットでのパッシブハウス集合住宅視察は、単なる「省エネ住宅の設計例」ではなく、
「快適性・健康性・持続可能性・コスト安定性」を併せ持つ住まいのひとつの理想形 を目の当たりにする機会でした。
私たち 佐藤建設は、この経験と学びを、宮崎の気候・風土・敷地条件に応じて咀嚼し、
「エネルギー効率と暮らしやすさを両立する、未来に続く住まい」を提案していきたいと思います。