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世界モデルハウス視察

ドイツ 住宅展示場視察ドイツ ベルリン

ドイツの住宅展示場を視察しました。

撮影:佐藤建設株式会社 佐藤光輝

 海外視察レポート|ドイツ メーカー住宅展示場を訪れて — “多様・比較・性能重視”の住まい選び


① 展示場の概要/背景

  • 今回視察したのは、ドイツ国内にある「メーカー住宅展示場(いわゆるモデルハウス展示場/プレハブ住宅の見学施設)」です。例えば Hanse Haus のようなプレハブ住宅メーカーは、自社のモデルハウス(ショーハウス)を常設展示しており、訪問者は実際の住まいとして想定された住宅をじっくり見学できます。Hanse Haus

  • また、ドイツには複数の住宅メーカーが参加する住宅展示村(複数棟のモデルハウスが並ぶ展示場)もあり、異なる構造・デザイン・断熱仕様・間取りを “見比べられる場” として機能しています。Bauzentrum Poing+2siena.co.jp+2

  • 住宅展示場は単に「見せる家」ではなく、「断熱・気密など住宅性能」「構造/仕様」「デザインの多様性」を含めた“住まいの選択肢の提示”の場となっており、建築会社・ビルダー・お客様にとって貴重なリファレンスになっています。


② 注目ポイント — ドイツ住宅展示場で見た「住まい」の特徴と設計思想

■ 住まいの多様性:構造・スタイル・仕様のバリエーション

  • 展示場には、木造、プレハブ、パネル工法、バンガロー型、二世帯住宅、タウンハウス、さらには平屋や小規模住宅など、“様々な家の形”が並ぶことで、ライフスタイルや家族構成、敷地条件に応じた選択肢が豊富であることがわかります。これにより、住まい手の好みや要望に応じた柔軟な提案が可能です。Hanse Haus+2暮らしの理想をドイツから オスモ&エーデル+2

  • 各住宅には内装、水回り、収納、間取り、外構、断熱材、窓仕様などが実際に実装されており、「図面やカタログ」ではなく「実物としての住まい」を体感できるのが大きな利点。特に初めて家づくりを考える人にとって、サイズ感・動線・住み心地のイメージをつかみやすい環境です。Hanse Haus+1

■ 高断熱・高気密住宅がベース — 性能と快適性の重視

  • 多くの住宅が断熱性、気密性に配慮されており、エネルギー効率や快適な室内環境に重点を置いた設計になっているのが印象的です。特に欧州では、断熱・省エネ住宅への意識が高く、住宅仕様として標準化されているケースが多いようです。miyazakigumi.com+2Bauzentrum Poing+2

  • また、外付けブラインドや日射遮蔽、窓の性能、換気・通風など、気候や季節に応じた住まいの快適性や住環境の安定を考慮した仕様が各モデルに見られました。暮らしの理想をドイツから オスモ&エーデル+1

■ 比較のしやすさ — 住まいの選択肢を現物で吟味できる場

  • 1つの敷地で異なる構造・仕様の住宅を見比べられるため、住まいづくりにおけるメリット・デメリットを実感を伴って判断できる点は非常に大きな価値。たとえば「断熱性重視」「コスト重視」「間取り重視」「外観重視」など、優先したい条件ごとに適した住宅スタイルを見つけやすくなります。

  • このような展示場の形式は、施主・設計者・ビルダーそれぞれにとって、設計の妥当性・提案の幅・素材や仕様の適合性をリアルに検証できる “住まいのスタディフィールド” になると感じました。

■ 営業姿勢とお客様視点 — “見せる家”としての適切な距離感

  • ドイツの住宅展示場では、日本のような「強い営業」や「売り込み感」が少なく、訪問者が自分のペースで住宅を見学できるようになっているとの報告があります。これにより、お客様が自らのペースで住まいを検討でき、押し付けではない、納得感のある家づくりが可能になるようです。siena.co.jp+1

  • また、住宅設備・断熱・窓・外構・間取りなど、細部にわたる仕様が丁寧に示されており、「見た目」だけでなく「住まいの質」「性能」「将来的な暮らしやすさ」がきちんと考えられている点が印象的でした。


③ 私たち(佐藤建設)にとっての学び・今後の家づくりへの応用アイデア

このドイツの住宅展示場視察から、私たちが取り入れたいと思った設計・提案のヒントは以下の通りです:

  • “選択肢の幅”を大切にする住宅提案
     建てる人の暮らし方、敷地、希望、ライフスタイルに応じて、木造・プレハブ・パネル・重断熱など多様な構造や仕様を用意することで、より柔軟で最適な住まいを提案できる。

  • 住まいの性能を当たり前に
     断熱・気密・窓性能・日射制御など、気候・気象の条件を考慮した「住みやすさ・快適性」を住宅の基本性能として設計に組み込む。「住んでから快適」「冬暖かく、夏涼しい」「エネルギー効率の高い家」を、地域の気候にあわせて実現。

  • 施主と設計者・ビルダーとの関係性の見直し
     押し売りではなく、お客様が自分のペースで住まいを考えられるような「余白」と「選択の自由」を残す提案スタイル。お客様が本当に納得する家を一緒に考えるパートナーとしての役割を大切にする。

  • “家づくりの透明性”と“リアルな暮らしのイメージ”の提供
     模型や図面だけでなく、「実物の住宅」「実際の間取り・仕様を体験できるモデルハウス」のような見学環境を整えることは、お客様の理解と満足につながる。


✅ まとめ

ドイツのメーカー住宅展示場視察は、私たちにとって「家を建てるとは何か」「お客様が本当に必要としているものは何か」を改めて考える貴重な機会でした。

住宅は単なる“建物”ではなく、「暮らし」「性能」「選択肢」「将来」を含めた総合提案であるべき — その考え方を、あらためて強く感じました。

佐藤建設としても、この学びを踏まえて、宮崎の風土・敷地・暮らしに合った、多様性・性能・住み心地 を兼ね備えた“選ばれる住まい”の提案を、これからも大切にしていきたいと思います。