ブティック邸 一般住宅視察イタリア フィレンツェ
インテリアにこだわり、新しいものではなく昔からある物を大切にして
いることを教えて頂きました。
撮影:佐藤建設株式会社 佐藤光輝

























🏠 海外視察レポート|ブティック邸(フィレンツェ) — “歴史と暮らしの調和”を感じる住まい
① 視察対象概要
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今回視察したのは、フィレンツェ中心部にある一般住宅「ブティック邸」。かつての街の持つ歴史と文化を背景に、住まいの“普通の暮らし”が営まれている住居です。
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建物・インテリアともに、過去のもの・古くからあるものを大切にしながら、現代の暮らしにあわせたリノベーション/維持がされており、「歴史的雰囲気 × 住みやすさ」が融合した住まいとして印象的でした。
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この住宅は、我々のような設計者にとって、単なる“外国の家”ではなく、「歴史ある街並みに馴染み、かつ住みやすさを確保する」という設計思想のロールモデルと捉えられます。
② 見どころ・住まいの特徴
■ 歴史と暮らしをつなぐインテリアと雰囲気
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室内はクラシックかつ落ち着いたトーンで統一され、古くから使われてきた家具や建具、素材感、そして建物の“歴史味”が感じられます。新しいデザインではなく、「昔からあるものを大切にする」という住まい手の価値観が明確に現れていました。
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キッチン、水回りや居室なども過度なモダンデザインではなく、建物の“素朴さ”“素地の良さ”を尊重した設え。その分、住まいの“静けさ”“落ち着き”“時間の流れ”を感じる空間になっているように思えました。
■ 外観・周囲との調和 — 街と一体の住まい
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フィレンツェの歴史ある街並みの一部として、この住宅は馴染んでおり、外観・外構あるいは街との距離感が慎重に保たれています。街のスケール、石造・煉瓦・塗り壁などの素材感、屋根や窓のデザイン ―― 全体が“街の文脈”に溶け込んだ家でした。
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こうした佇まいは、家を「単なる住居」ではなく、「街の一部」「時間の継承」として捉える設計の大切さを教えてくれます。
■ 住まいとしてのバランス感覚 — “普通”の家の豊かさ
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このブティック邸は、豪華さ・過剰さを追わず、あくまで“普通の暮らし”“日常”に寄り添った設計/インテリア。これが逆に「暮らす人にとっての安心感」「住みやすさ」「年月を経た時の味わい」を生んでいました。
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歴史と文化を背景にしつつ、現代の生活に必要な機能を無理なく取り込み、「心地よさ」と「実用性」の両立が実現されている点は、私たちが住宅づくりにおいて大切にしたい要素だと感じました。
③ 私たち(佐藤建設)にとっての学び・応用アイデア
このブティック邸の視察から、私たちが今後の住宅設計や提案に活かしたいと感じたポイントを以下にまとめます:
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地域性・歴史性を尊重した設計
国や時代が違っても、「その土地の街並みや気候、文化」を理解し、家をその文脈に溶け込ませること。これにより、住まいは“場の一部”として馴染み、時間とともに価値を増す家になる。 -
「新しさ」よりも「時間の深み」を意識する
新築・最新デザインではなく、「古さ」「素材の味」「年月を重ねた質感」を大切にすることで、住む人の日常に“落ち着き”と“安心感”を与えられる。 -
住まいを“文化としての暮らし”に昇華させる
住宅は単なる箱ではなく、暮らし・時間・記憶・歴史を内包する場所。インテリア、素材、窓、光、 動線、外構など、すべてを通じて“暮らす価値”をデザイン。 -
過剰ではない“ちょうど良さ”の提案
高級・派手さを追うのではなく、住む人のライフスタイルや価値観にあわせた「ちょうど良い」家 — コスト、広さ、使い勝手、心地よさ ―― のバランスを大切にする設計。
✅ まとめ
フィレンツェのブティック邸は、歴史という“時間の層”と、日常という“暮らし”とが自然に混ざり合った住まいでした。
私たち 佐藤建設は、この視察で得た「地域との調和」「時間の深み」「住まいの質感」「住みやすさのバランス」といった学びを、宮崎の風土・敷地・お客様の暮らしにあわせて咀嚼し“場に根ざし、年月とともに味わい深くなる家” を提案していきたいと思います。