ドクター邸 一般住宅視察イタリア フィレンツェ
マンションになっており外観条例が厳しくエアコンの室外機や
太陽光パネルは見えないように設置しないといけないようです。
撮影:佐藤建設株式会社 佐藤光輝



























🏠 海外視察レポート|ドクター邸(フィレンツェ) — “日常性 × 街並みの調和”を感じる住まい
① 視察対象と背景
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ドクター邸は、イタリア・フィレンツェにある一般住宅で、今回、住宅視察として訪問しました。資料によると “マンション形式” の住居で、外観や建築の規制が厳しい地域とのこと。
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特に注目すべきは「外観条例」の存在で、エアコンの室外機や太陽光パネルなどは“見えないように設置”されており、街並みの景観保全に強い配慮がなされているようです。
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このような条件下で、住まいの機能性と街並みとの調和、インテリア・外構のまとまりなど、“建物だけでなくまちとの共生”という観点で参考になる住宅です。
② ドクター邸の特徴・住まいのポイント
🔹 街並みとの調和を重視した外観・設計
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外観においては、街並みに馴染むデザインが採用されており、外構・外観・設備の配置まで細かく配慮された設計がされているようです。特に室外機や太陽光パネルの見え方に関する条例遵守は、住まいとしてだけでなく“景観の一部”としての意識の高さが感じられます。
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こうした配慮は、日本のように住宅地で景観条例や町並み保存に配慮する際の、ひとつのモデルケースとして非常に参考になります。
🛋️ 住まいとしての日常性と機能性のバランス
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ドクター邸は“一般住宅(マンション)”であり、特別華美ではなく、日常の暮らしを前提に設計されている点が印象的です。過度な装飾ではなく、必要な機能性と落ち着いたデザインで構成されているようです。
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“住まうこと”を最優先にした間取りや設備、そして景観との調和という “バランス設計” が、「ただの住宅」ではなく、「周囲と調和する暮らしの拠点」としての価値を高めています。
🔧 法律・条例を尊重した設計 — デザインの制限下での工夫
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外観条例が厳しい地域であるだけに、エアコンやソーラーパネルといった生活や省エネに関わる設備であっても、設置の仕方に工夫が求められています。こうした “制限のある設計条件” の中で、美観・住みやすさ・性能を両立させている点に設計者の工夫と配慮が見られます。
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制限があるからこそ、設計の自由度ではなく“創造性”が問われており、私たちのような住宅設計者にとっても学びの多い事例だと感じます。
③ 私たち(佐藤建設)にとっての学びと、今後の住宅設計への応用
このドクター邸の視察から、私たちが今後の住宅提案・設計に活かしたいと感じたポイントは次の通りです:
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景観条例や地域ルールを尊重した家づくり
日本の地域でも、景観保存や町並みとの調和が求められるケースがあります。ドクター邸のように、設備の見え方・配置に配慮した設計を提案することで、周囲との調和を損なわない住宅を提供できる。 -
“当たり前の暮らし”を前提にしたバランス設計
豪華さだけが家の価値ではなく、日常の暮らしやすさ、使いやすさ、長く住むための快適性を重視した設計 ―― それが結果的に満足度の高い住まいにつながる。 -
制限や条件の中での創意工夫の重要性
敷地条件、法律・条例、気候、周囲の環境などの制約があっても、それを前提に「最適なプラン」を考えること。むしろ制約は、設計の質を高めるきっかけとなる可能性。 -
住まいとまちの調和を意識した住宅提案
家だけを建てるのではなく、「まち」「地域」「周囲の景観」「環境」との関係性を設計に含めることで、住まいの価値はより高く、長く支持されるものになる。
📝 まとめ
ドクター邸は、「単なる住宅」ではなく、「街並み・地域・法律・景観」と調和しながら“暮らし”を成立させる、成熟した住宅のモデルでした。
特に、外観条例など厳しい条件がある中で、住まいやすさと景観とのバランスを両立させた設計は、私たち 佐藤建設 にとっても大きな学びと刺激になります。
今後もこうした “まちとの共生” を意識した住宅設計を心がけ、宮崎の風土・地域性・暮らしに合った住まいを提案していきたいと思います。