スキャタリン邸 スカルパ建築視察イタリア ベネチア
現代の新しい文化やデザインと、昔ながらの伝統などを融合し建築スタイルや設計に取り入れていました。
撮影:佐藤建設株式会社 佐藤光輝





























🏡 海外視察レポート|スキャタリン邸(Casa Scatturin) — スカルパ建築を通して“住まいの本質”を考える
① 背景と対象概要
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スキャタリン邸(Casa Scatturin)は、イタリア・ヴェネツィアに残る、カルロ・スカルパによる住宅設計(または設計関与)の事例のひとつです。blog.chibiitalia.com+1
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スカルパは20世紀を代表するイタリアの建築家・デザイナーで、伝統とモダン、素材と空間、歴史と現代性を融合させるデザインで知られており、多くの住宅、公共建築、美術館、改修プロジェクトを手掛けました。ウィキペディア+2ティージャパン+2
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今回の視察では、スキャタリン邸の外観、内観、素材使い、空間構成などを実際に見て、スカルパの建築思想と“住まい”としての魅力を体感・分析しました。
② スカルパらしさ ― スキャタリン邸で見られるデザインの特徴
🔹 素材とディテールへのこだわり
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スカルパは、ガラス、金属、コンクリート、自然石、木、漆喰などの多様な素材を、意図的かつ繊細に組み合わせることで、空間に豊かな質感と時間の深みを与える設計を得意としました。ティージャパン+2高級注文住宅百
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スキャタリン邸でも、扉・金物・手すり・開口部・壁や床の仕上げなど、ディテールの一つひとつに美意識が感じられ、「建物としての構造体」ではなく、「住まいという“作品”」としての完成度が高いと感じられました。
🔹 空間構成と“間(ま)”のデザイン
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スカルパの建築は、単純な箱型の空間ではなく、壁・天井・床・開口・光・影・素材――それらを意識的に設計して、「空間に余白と詩情」を与えることが特徴です。BUNGA NET+2ティージャパン+2
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スキャタリン邸でも、そのような“余白のある空間”が感じられ、廊下、窓の位置、階段、奥行き、素材の変化などがすべて計算された上で構成されており、「ただ住む」ための家ではなく、「感じる」「体験する」住まいとしての存在感がありました。
🔹 歴史・場所・文脈との対話
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スカルパは、建築をその場所の歴史、風土、文化とつなげる設計を重視しました。たとえば、古い建物や既存の構造を尊重しつつ、現代の機能や感性を加える――これが彼の建築の核心です。ティージャパン+2ウィキペディア+2
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スキャタリン邸も、ヴェネツィアという歴史ある都市の中で、周囲の街並み、水路や光の入り方、通りとの関係などを考慮した設計がなされており、「その土地に根ざす住まい」のモデルになっていると感じました。
③ 私たち(佐藤建設)にとっての学びと、今後の設計への応用アイデア
このスキャタリン邸の視察から、私たちが今後の住宅設計・提案に活かしたいと思ったポイントは以下の通りです:
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素材とディテールへの丁寧な配慮
建物全体だけでなく、開口、金物、仕上げ、照明など“細部”へのこだわりが、住まいの質と時間の深みをつくる――この思想を基本に設計することで、永く愛される家づくりが可能。 -
空間の“余白”と時間の流れをデザイン
部屋と部屋のつながり、光と影の取り込み、視線の抜け、素材の変化――これらを設計段階から意識することで、「ただ住む」だけでなく、「暮らす/感じる」家が作れる。 -
地域・風土・歴史を尊重した家づくり
敷地や周囲の環境、気候、風土、景観、文化――これらを設計の前提条件として捉え、「その土地に馴染む家」「場所と対話する家」を目指す。 -
“住まい=作品”という視点
住宅を単なる住居ではなく、空間・時間・記憶・素材・感性を含む“作品”として捉える。これにより、長年住み続けてもそこに価値と誇りを持てる家になる。
📝 まとめ
スキャタリン邸(Casa Scatturin)は、カルロ・スカルパの思想と技術が凝縮された、時代や流行を超えて深みを持つ住まいです。
私たち 佐藤建設も、この視察で得た「素材の質感」「空間の余白」「地域との対話」「住まいの価値観」を大切に、宮崎の土地やお客様の暮らしに合った、時間を味わい、心地よく、かつ価値ある家づくり を追求していきたいと思います。