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世界街並み視察

シャトーヌフ・デュ・パプシャトーヌフ・デュ・パプ

歴史的なシャトーヌフ・デュ・パプ 1736年建築
シャトー・ラ・ネルトは、シャトーヌフ・デュ・パプで初めてワインをフランス国外に輸出したそうです。
ヨーロッパでは水の方が高くワインの方が安くで有名。

撮影:佐藤建設株式会社 佐藤光輝

 海外視察レポート|シャトーヌフ・デュ・パプ(フランス・プロヴァンス)視察


① 旅の舞台 — シャトーヌフ・デュ・パプとは

シャトーヌフ・デュ・パプは、フランス南部プロヴァンス地方のヴォクリューズ県にある村です。歴史ある村として知られ、ブドウ畑が広がる丘陵地帯の風景と、世界的に名高いワイン産地として知られています。ウィキペディア

名前はフランス語で “教皇の新しい城(New Castle of the Pope)” を意味し、14世紀にアヴィニョンに教皇が居を移した際に、周辺のブドウ栽培が発展したことに由来します。AOC Châteauneuf-du-Pape

今日でもシャトーヌフ・デュ・パプは世界的に有名な 赤ワインの産地 として知られ、その歴史と風土がワインの品質と文化を育んできました。ウィキペディア


② 視察の概要 — ワインと風景の体験

🍇 広がるブドウ畑と風土

視察では、周囲一面に広がる ワイン用ブドウ畑(=テロワール) を訪れました。シャトーヌフ・デュ・パプは、独特の地形と気候によってワインの味わいが育まれ、この地域固有の “ガレ・ルレ(丸い石)” と呼ばれる岩が、昼間に熱を吸収し夜に放出することで葡萄の成熟を助けるなど、土壌の影響が大きいのが特徴です。ウィキペディア

ブドウ畑からの眺めは、手入れの行き届いた緑の丘陵と石畳の道、そして遠くに見える村の建物が織りなす 豊かな風景そのものが一つの空間体験 でした。


③ 歴史と文化 — “教皇のワイン” の伝統

シャトーヌフ・デュ・パプは 中世にアヴィニョンに教皇庁が置かれた歴史的背景 を持ち、教皇たちがこの地の葡萄栽培を奨励したと言われています。AOC Châteauneuf-du-Pape

この教皇との関係性が、後のワイン文化の発展を促し、現在の AOC(原産地統制名称)制度の原点とも言える品質基準 が確立するまで、地域の名声が高まってきました。Wine Folly

現在のシャトーヌフ・デュ・パプは、伝統的なワイン製造と近代的な醸造技術が融合した産地として、世界中からワイン愛好家を引きつけています。


④ 視察で感じたこと — 風景と暮らしの融合

🌿 土地の個性を体感する

シャトーヌフ・デュ・パプの視察では、先述のように 土壌・気候・ブドウ畑 が一体となった景観が、ただの“観光地の景色”ではなく、 暮らしの背景・生活文化そのもの として存在していることが印象的でした。

ワインづくりは畑と人、そして季節と気候の協奏であり、これらが 空間としてのプロヴァンスの魅力 を高めています。

🧭 歴史と現在をつなぐ体験

ブドウ畑の中を歩き、地域の歴史や栽培方法・土壌の特性を体感することで、 ワインというプロダクトが“場所らしさ=ティエール(terroir)”を体現していること を実感できます。これは住まいの設計においても、 場所・環境・素材がもたらす体験価値 として非常に参考になるポイントです。たびちょく


⑤ 佐藤建設が得た示唆 — 設計への応用

テーマ 設計・提案へのヒント
場所と素材の関係性 土地ごとの気候・地形・土壌がワインの味わいを決めるように、住宅設計でも 敷地環境の特性を読み解くこと が重要。
歴史と継続性の表現 長年積み重ねられたワイン文化のように、 時と共に価値が育つ空間デザイン を心がける。
体験としての空間づくり ただ見るだけでなく、 自然の動き・光・風・緑 を感じられる空間設計は、暮らしの満足度を高める。

📝 まとめ

シャトーヌフ・デュ・パプの視察は、風土・歴史・人の営み が一体となった価値ある体験でした。
ワインというプロダクトに込められた地域性の深さを感じることで、住まいや空間づくりについても “その土地ならではの価値をどう形にするか” を考える大きなヒントとなりました。

私たち 佐藤建設は、これからの提案でも 敷地・環境・歴史を読み解く設計 を大切にしていきたいと思います。