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世界住宅視察

アンティーブの住宅視察アンティーブ

一般住宅を視察しました。
生活しているのに生活感が感じられない空間。
敷地内にはいくつも建物があります。
景色が良く高台に位置している住宅でした。

撮影:佐藤建設株式会社 佐藤光輝

海外視察レポート|アンティーブの一般住宅視察 — 地中海の風土がつくる暮らしのカタチ


① アンティーブってどんな街?

 

アンティーブは、フランス南東部プロヴァンス=コート・ダジュール地方の海沿いの街で、地中海に面した風景と歴史的な街並みが魅力です。

カンヌとニースの中間に位置し、美しいビーチや歴史地区を持ちながら、落ち着いた暮らしの環境が整っています。Green Acres

この地域は、旧市街の路地や港、自然を身近に感じられる住環境として、地元の人々の生活が息づく住宅地としても人気です。Remoters


② 視察した住宅の印象

 

今回視察したのは、実際に生活している方の一般住宅


最大の印象は、「生活しているのに生活感が感じられない空間」でした。これは、単に美しく整っているというだけでなく、住まいの構成や素材・明るさ・デザインが意識的に設計されていることを物語っています。

また敷地内には、複数の建物が配置されており、
・住居本体
・プライベートガーデンやテラス
・客間やゲストハウス的な小屋
といったように、暮らしのための“場”が細かく分かれているのが特徴的でした。

高台に位置していたため、開放的な眺望も住宅の大きな魅力の一つです。地中海が視界に入り、太陽や風を感じられる設計が随所に見られました。


③ アンティーブの住宅環境と暮らし方

 

🌿 地中海気候と住まい

アンティーブのような地中海性気候では、

  • 日差しを適度に取り入れる窓の配置

  • 屋外と内部をつなぐテラス・庭

  • 風通しの良い動線
    といった要素が、住まいの快適性に直結します。

こうした条件は、日常生活と自然環境を調和させる住まいとして、海外住宅視察でも極めて参考になる観点でした。Green Acres

🏡 住宅の多様性

 

アンティーブでは、歴史的な旧市街の建物から、近代的デザインを取り入れた住宅、地元の伝統ある住まいまで多様な住宅タイプが混在しています。


中でも、海沿いの高台に建つ家は、眺望とプライバシーを両立させる設計になっていることが印象的でした。これは、敷地条件を最大限活かす設計の好例です。Remoters


④ プロヴァンスの暮らしと住宅デザインへの示唆

 

アンティーブでの一般住宅視察を通して、次のような学び・気づきがありました。

視点 住宅設計・提案へのヒント
自然環境との調和 日差し・風・眺望を活かすことで、計画中の住宅の快適性や居心地を向上できる。
生活感のない空間の設計 必要な機能は整えつつも、素材や光のバランスで“空間の余白”をつくる。
敷地内の“複数の場”の設計 居住空間以外にも、趣味・くつろぎ・ゲストを受け入れる別棟などの“余白”が暮らしの満足度を高める。
眺望の活かし方 視界を開く軸を意識した窓配置やテラス設計は、地域性を住まいに取り込む上で効果的。

📝 まとめ

アンティーブの一般住宅視察は、


目に見える“デザイン”だけでなく、暮らしそのものが空間として成立している住まいを体感する機会になりました。

  • 生活しているのに雑然と感じない

 

  • 景色や気候を積極的に住まいに取り込む

 

  • 敷地を細かく“場”に分けて使う

 

といった点は、日本の住宅設計においても応用可能な示唆が多くありました。

このような視点を、これからの設計・提案に活かしていきたいと思います。