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世界展示会 工場視察

上海 建築資材上海

上海では建築現場の視察や建築材料を視察してきました。

撮影:佐藤建設株式会社 佐藤光輝

海外視察レポート|上海 建築資材視察 — 「竹足場」の現場から学ぶ

 


① 視察の背景と目的

 

今回の視察では、中国・上海において 建築資材・施工現場の実例 を見学しました。特に印象的だったのは、アジア圏で広く使われている 竹(バンブー)による足場(竹足場)
現地では高層ビルや大規模改修現場でも竹足場が普通に使われており、その施工方法や合理性・材料の特性を体感する機会となりました。


(資料出典:視察レポート本文より)


② 竹足場とは — 素材の特徴と実用性

 

■ 竹という素材の長所

 

竹は、日本を含む東アジア・東南アジアで昔から建築資材として使われてきた素材です。特に足場に使われる理由としては:

  • 軽量でありながら強度が高い

 

  • 扱いやすく、施工が比較的早い

 

  • 現地調達しやすい材料であるためコストメリットが大きい

 

  • 環境負荷が小さい自然素材である

 

という特徴があります。


③ 現場で見た竹足場 — 上海での使われ方

 

上海の建築現場では、高層建築でも竹足場が使われているケースが複数ありました。一般的に西洋圏では鋼管・単管足場が主流ですが、アジア圏では竹足場が依然として使われる現場が多く、以下のような特徴が見られました。

🏗 高層でも成立する足場構造

 

竹は太さがあり、複数本を結束して梁や桁のような構造をつくることで、十分な耐荷重を確保しています。
支柱・横桁・斜材を竹で構成し、ロープや結束材で固定するだけで、鋼管足場と比べても高い柔軟性と施工速度を実現しています。

🔗 結束の技術

 

鉄パイプやボルトで固定するのではなく、シュロ縄や結束バンド、ロープといった材料で竹どうしをしっかり結わえるという技術。


単純な素材でも、熟練した結束技術が安全性を支えていることが印象的でした。


④ 竹足場から学ぶこと

 

今回の視察で得られた気づきは、単に「竹がすごい」というだけではありませんでした。


むしろ、

✔ 素材の地域性と効率

その土地に 調達しやすい素材 を活かすことで、材料コスト・施工コスト・スピードをバランスよく保つ取り組みは、住宅や現場施工でも応用できる視点です。

✔ 単純な素材を“技術で使いこなす”

鋼管や機械設備に頼らず、現場の知恵・職人技 で安全性を担保する発想は、素材選定・施工指示・工程計画の基本に通じるものがあります。

✔ 持続可能性の視点

竹は成長が早く、再生可能な素材です。住宅設計においても、再生可能素材の利用や環境負荷を抑える材料選定は今後さらに重要なテーマになります。


⑤ 建築素材としての可能性

 

竹足場の視察を通じて、以下のような提案のヒントも感じました。

  • 外構やシェードの素材としての竹活用
    植栽・ルーバー・庇・スクリーンなど、外部空間で竹素材を活かす設計。

  • ナチュラル素材を“精度高く”使う発想
    木材や竹、自然素材を「味わいだけでなく性能として使う」設計手法。

  • 職人技を設計に組み込む
    大工・左官・素材職人の知恵を活かした設計指示や仕上げ仕様の工夫。


📝 まとめ

 

上海での建築資材視察では、特に 竹足場の施工例が強い印象として残りました。


鋼管足場とは全く異なる発想で構築される竹足場は、

  • 民間住宅の施工現場でも

 

  • 省コストな新築・リフォームの素材戦略として

 

  • 自然素材を設計に取り込むアイデアとして

 

多くの示唆を与えてくれました。

「素材は結果でなく、**設計と技術の両方で価値が決まる」──
この視察を通じて、その重要性を改めて感じました。


⚠️ 注意

※ 現地での足場・施工安全基準は国により異なります。
住宅設計・施工に取り入れる際は、日本の建築基準法・安全基準を必ず遵守してください。