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地震後に考える蓄電池|停電でも安心!容量・価格・選び方を徹底解説

近年、地震による大規模停電の発生リスクが高まっていることを受け、非常用電源としての蓄電池への注目が集まっています。 本記事では、地震後の備えとして重要な蓄電池について、その必要性から種類、容量の選び方、価格相場、設置方法、メンテナンス方法までを徹底解説します。この記事を読むことで、ご家庭に最適な蓄電池の選び方が分かり、災害時に安心して生活を送るための準備を整えることができます。

具体的には、ポータブル電源と固定型蓄電池の違いやメリット・デメリット、各家庭に適した容量の計算方法、購入時の価格相場や設置費用、そして日頃のメンテナンス方法などを網羅的に解説。地震による停電に備え、家族の安全を守るための具体的な対策を検討する上で、必ず役立つ情報が得られます。

目次

 なぜ地震後に蓄電池が必要なのか

地震大国である日本では、いつ大きな地震に見舞われるか分かりません。地震発生直後の混乱期において、ライフラインの途絶は深刻な問題を引き起こします。中でも電気の供給停止、つまり停電は、現代社会において私たちの生活に大きな支障をきたします。情報収集も難しくなり、安全確保にも支障をきたす可能性があります。だからこそ、地震への備えとして蓄電池の重要性が高まっているのです。

 地震による停電リスク

大規模な地震が発生すると、送電線や発電所の損傷、変電所の機能停止などにより広範囲で長期間の停電が発生する可能性があります。2011年の東日本大震災では、地震とその後の津波の影響で、広範囲にわたる長期の停電が発生し、多くの人々が不便を強いられました。また、都市部では、建物倒壊による送電線の切断なども停電リスクを高めます。停電は数時間から数日、場合によっては数週間続く可能性があり、復旧までの時間の見通しがつかないケースも想定されます。

 停電時の生活への影響

電気が使えなくなると、私たちの生活は大きな影響を受けます。以下に、停電時の具体的な影響をまとめました。

影響 詳細
情報収集の困難 テレビやインターネット、ラジオが使えず、災害情報や避難情報を得ることが難しくなります。スマートフォンの充電もできなくなるため、安否確認も困難になります。
照明の使用不可 夜間は室内が真っ暗になり、日常生活に支障をきたします。懐中電灯などの代替手段が必要となります。
冷暖房の使用不可 夏は暑く、冬は寒く、特に高齢者や乳幼児にとっては健康被害のリスクが高まります。
冷蔵庫の使用不可 冷蔵庫内の食品が腐敗し、食料の確保が困難になります。
調理の困難 IHクッキングヒーターや電子レンジが使えず、調理が難しくなります。カセットコンロなどの代替手段が必要となります。
医療機器の使用不可 在宅医療を受けている方にとっては、生命に関わる問題となる可能性があります。
給水ポンプの停止 一部地域では、電気で動く給水ポンプが停止し、断水が発生する可能性があります。

 蓄電池でできること

地震による停電時に蓄電池があれば、以下のようなことが可能になります。

  • スマートフォンや携帯電話の充電:家族や友人との連絡、情報収集に役立ちます。
  • 照明器具の使用:夜間でも安全に過ごすことができます。LEDランタンであれば消費電力が少ないため、長時間の使用が可能です。
  • 小型冷蔵庫の使用:食料品や医薬品の保管ができます。
  • ラジオの使用:災害情報や避難情報を収集できます。
  • 医療機器の使用:在宅医療を受けている方の生命維持に役立ちます。
  • 小型扇風機や電気毛布の使用:夏場の暑さや冬場の寒さをしのぐことができます。

蓄電池は、停電時のライフラインを維持し、被災後の生活を支える重要な役割を果たします。 だからこそ、地震への備えとして、蓄電池の導入を検討することが重要です。

 蓄電池の種類と特徴

地震などの災害時に備えて蓄電池の導入を検討する方が増えています。蓄電池には大きく分けてポータブル電源と固定型蓄電池の2種類があります。それぞれの特徴を理解し、ご自身のニーズに合った蓄電池を選びましょう。

 ポータブル電源

ポータブル電源は、持ち運び可能な小型の蓄電池です。コンセントから充電しておき、必要な時に必要な場所で電気を使用できます。キャンプやアウトドアなどのレジャー用途でも人気です。容量は比較的小さいですが、手軽に使えることがメリットです。

 メリット

  • 持ち運びが簡単
  • 比較的手頃な価格
  • 設置工事不要
  • アウトドアでも使える

 デメリット

  • 容量が小さい
  • 長時間の使用には不向き
  • 寿命が短い傾向がある

 おすすめ商品例:Jackery ポータブル電源 700

Jackery ポータブル電源 700は、700Whの大容量で、スマートフォンやノートパソコン、電気毛布など様々な電化製品を充電できます。AC出力、DC出力、USB出力に対応しており、幅広い機器に対応可能です。持ち運びやすく、初心者にもおすすめです。

 固定型蓄電池

固定型蓄電池は、住宅の壁などに設置する大型の蓄電池です。太陽光発電システムと連携させることで、発電した電気を蓄え、夜間や停電時に使用できます。大容量で長時間の使用が可能ですが、設置工事が必要で価格も高額です。

 メリット

  • 大容量
  • 長時間の使用が可能
  • 太陽光発電と連携可能
  • 停電時の安心感が高い

 デメリット

  • 価格が高い
  • 設置工事が必要
  • 設置スペースが必要

 おすすめ商品例:パナソニック 住宅用蓄電池システム

パナソニック 住宅用蓄電池システムは、停電時に自動で電気を供給するシステムです。容量や機能のバリエーションが豊富で、家庭の電力需要に合わせて最適なシステムを選ぶことができます。太陽光発電システムと連携することで、更なる節電効果も期待できます。

項目 ポータブル電源 固定型蓄電池
容量 数百Wh〜数kWh 数kWh〜数十kWh
価格 数万円〜数十万円 数十万円〜数百万円
設置 工事不要 工事必要
用途 アウトドア、緊急時、一部家電の使用 家庭全体の電力供給
寿命 数百回〜数千回 数千回〜数万回

蓄電池を選ぶ際には、容量、価格、設置の有無、用途、寿命などを考慮し、ご自身のニーズに合った製品を選びましょう。 また、各メーカーの製品仕様や口コミなども参考にすると良いでしょう。

 地震後に備える蓄電池の容量の選び方

地震後の停電に備えて蓄電池を導入する場合、最も重要なのは必要な容量を選ぶことです。容量が不足すると、停電時に必要な家電製品を十分に稼働させることができません。逆に、容量が大きすぎるとコストがかかり、設置スペースも必要になります。最適な容量を選ぶためには、以下の要素を考慮する必要があります。

 使用したい家電製品の消費電力

まず、停電時に使用したい家電製品の消費電力を確認しましょう。家電製品の本体または取扱説明書に記載されています。冷蔵庫、照明、スマートフォン、パソコン、テレビ、炊飯器など、優先順位の高い家電製品からリストアップし、それぞれの消費電力を把握することが重要です。

 使用時間

次に、各家電製品をどのくらいの時間使用したいかを考えます。冷蔵庫は長時間稼働させる必要がありますが、照明は数時間、スマートフォンは数回充電できれば十分かもしれません。それぞれの家電製品の使用時間を見積もりましょう。停電が長引く可能性も考慮し、余裕を持った時間を設定することが重要です。

 容量計算方法

必要な容量は、以下の式で計算できます。

必要な容量(Wh) = 消費電力(W) × 使用時間(h)

例えば、消費電力100Wの冷蔵庫を10時間使用したい場合は、100W × 10h = 1000Whの容量が必要です。複数の家電製品を使用する場合は、それぞれの家電製品の必要な容量を合計します。

 家族構成別の容量目安

家族構成によって必要な容量の目安は異なります。以下の表は、一般的な家族構成別の容量目安です。ただし、使用する家電製品の種類や数、使用時間によって必要な容量は変わるため、あくまで目安として考えてください。

家族構成 容量目安(Wh) 想定される使用例
単身世帯 500~1000Wh 照明、スマートフォン、パソコンの充電
2人世帯 1000~1500Wh 上記に加え、小型冷蔵庫、テレビ
3~4人世帯 1500~2000Wh 上記に加え、炊飯器、電気ケトル
5人以上世帯 2000Wh~ 上記に加え、電子レンジ、洗濯機など

この表はあくまで目安であり、実際の使用状況に合わせて容量を選択することが重要です。 例えば、在宅勤務などでパソコンを長時間使用する場合や、医療機器を使用する場合は、より大きな容量が必要になります。また、停電時の生活レベルをどの程度維持したいかによっても必要な容量は変わります。最低限の生活を維持できれば良いのか、普段と変わらない生活を送りたいのか、などを考慮して容量を選びましょう。

さらに、蓄電池の容量には、定格容量と実容量があります。 定格容量は、蓄電池の最大容量を示す数値ですが、実際に使用できる容量は、実容量となります。実容量は、定格容量の80~90%程度であることが多いです。この点も考慮して、少し余裕を持った容量を選ぶことをおすすめします。

 蓄電池の価格相場

蓄電池の価格は、種類、容量、機能によって大きく異なります。導入を検討する際には、予算に合わせて最適な製品を選ぶことが重要です。ここでは、ポータブル電源と固定型蓄電池それぞれの価格相場、設置費用、補助金について解説します。

 ポータブル電源の価格相場

ポータブル電源の価格は、容量や機能によって大きく変動します。小容量(300Wh程度)の製品であれば、3万円台から購入可能です。大容量(1000Wh以上)の製品になると、10万円を超えるものもあります。また、急速充電機能やパススルー機能、正弦波出力といった付加機能が搭載された製品は、価格が高くなる傾向にあります。

代表的なメーカーと価格帯の例を以下に示します。

メーカー 容量 価格帯
Jackery 700Wh 7万円~9万円
Anker 500Wh 5万円~7万円
EcoFlow 1000Wh 10万円~15万円

 ポータブル電源の価格を決める要素

  • 容量:容量が大きいほど価格は高くなります。
  • 出力:出力(W)が大きいほど高価になります。
  • 機能:急速充電、パススルー、正弦波出力などの機能の有無で価格が変動します。
  • ブランド:信頼性の高いブランドは比較的高価格帯です。

 固定型蓄電池の価格相場

固定型蓄電池は、ポータブル電源よりも高価で、容量やメーカーによって価格が大きく異なります。一般的に、容量が大きくなるほど価格も高くなります。5kWh程度の容量の蓄電池であれば、100万円から150万円程度が相場です。10kWhを超える大容量の蓄電池になると、200万円以上になる場合もあります。

代表的なメーカーと価格帯の例を以下に示します。(システム全体の価格帯であり、蓄電池単体の価格ではないことに注意してください)

メーカー 容量 価格帯
パナソニック 5kWh 150万円~200万円
京セラ 10kWh 250万円~350万円
長州産業 7kWh 200万円~250万円

 固定型蓄電池の価格を決める要素

  • 容量:容量が大きいほど価格は高くなります。
  • 出力:出力(kW)が大きいほど高価になります。
  • 機能:停電時の自動切り替え機能や太陽光発電連携機能の有無で価格が変動します。
  • 設置工事費:設置場所や工事内容によって費用が異なります。

 設置費用や補助金

固定型蓄電池を設置する場合、本体価格に加えて設置工事費用がかかります。設置費用は、設置場所や工事内容によって異なりますが、数十万円程度かかることが多いです。また、各自治体によっては、蓄電池の設置に対して補助金制度を設けている場合があります。補助金の金額や申請方法は自治体によって異なるため、事前に確認しておきましょう。補助金を活用することで、導入コストを抑えることが可能です。

蓄電池の価格相場を理解し、予算に合わせて最適な製品を選び、地震などの災害に備えましょう。

 蓄電池を選ぶ際のポイント

地震や災害に備えて蓄電池を選ぶ際には、様々なポイントを考慮する必要があります。蓄電池は決して安い買い物ではないため、導入前にしっかりと検討することが大切です。容量や出力といった基本的なスペックだけでなく、安全性やメーカーの信頼性、保証期間なども確認し、最適な蓄電池を選びましょう。

 容量

蓄電池の容量は、使用したい家電製品の消費電力と使用時間から算出します。容量が大きければ多くの家電を長時間使用できますが、価格も高くなります。家族構成やライフスタイル、使用したい家電製品の種類と使用時間を考慮して、必要な容量を検討しましょう。停電時に使用したい家電製品の消費電力を合計し、使用したい時間数を掛けて算出します。余裕を見て少し大きめの容量を選ぶと安心です。

 出力

蓄電池の出力は、接続する家電製品の消費電力に対応している必要があります。消費電力が大きい家電製品を使用する場合は、出力の大きい蓄電池を選ぶ必要があります。定格出力と瞬間最大出力を確認し、使用したい家電製品の消費電力に対応しているか確認しましょう。電子レンジやドライヤーなど、起動時に大きな電力が必要な家電製品を使用する場合は、特に瞬間最大出力を確認することが重要です。

 充電時間

蓄電池の充電時間は、容量や充電方法によって異なります。停電に備えるためには、できるだけ短い時間で充電できる蓄電池が理想的です。充電時間を確認し、災害発生時にも迅速に充電できるか確認しましょう。また、停電が長引く場合にソーラーパネルなどで充電できるかも検討しておくと安心です。

 寿命

蓄電池の寿命は、充放電回数や使用環境によって異なります。寿命が長い蓄電池を選ぶことで、長期的に安心して使用できます。寿命の目安となる充放電サイクル数を確認しましょう。また、高温多湿を避けた適切な保管方法で寿命を延ばすことができます。

 安全性

蓄電池は、電気製品であるため、安全性も重要なポイントです。安全規格を取得しているか、過充電や過放電に対する保護機能が搭載されているかを確認しましょう。PSEマークやJET認証といった安全規格を取得している製品を選ぶと安心です。また、メーカーの信頼性も重要な要素です。実績のあるメーカーの製品を選ぶことで、安全性や品質の面で安心感を得られます。

 メーカーの信頼性

蓄電池は高価な製品であるため、信頼できるメーカーの製品を選ぶことが重要です。実績があり、サポート体制が整っているメーカーを選ぶと安心です。パナソニック、シャープ、京セラなど、大手家電メーカーは実績があり、サポート体制も充実しています。また、製品レビューや口コミなども参考に、メーカーの信頼性を確認しましょう。

 保証期間

蓄電池は、長期間使用する製品であるため、保証期間も重要なポイントです。保証期間が長いほど、安心して使用できます。保証期間と保証内容を確認し、万が一の故障時にも対応してもらえるか確認しましょう。保証期間はメーカーや製品によって異なりますが、一般的には1年から10年程度です。

項目 ポータブル電源 固定型蓄電池
容量 比較的小さい 大きい
出力 比較的小さい 大きい
充電時間 短い 長い
寿命 短い(充放電回数が多いほど劣化) 長い
安全性 比較的高い 高い
メーカーの信頼性 様々 高い
保証期間 短いことが多い 長いことが多い
価格 比較的安い 高い

上表はポータブル電源と固定型蓄電池の特徴を比較したものです。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自身に最適な蓄電池を選びましょう。

 蓄電池の設置場所と注意点

蓄電池の設置場所は、その種類や住宅の状況によって最適な場所が異なります。安全かつ効率的に使用するために、設置場所の選定は重要なポイントです。適切な設置場所を選ぶことで、蓄電池の性能を最大限に活かし、長持ちさせることができます。

 屋内設置

屋内設置は、ポータブル電源だけでなく、固定型蓄電池の一部機種でも可能です。屋内設置のメリットは、風雨や直射日光の影響を受けにくく、温度変化が少ないため、蓄電池の寿命を延ばすことに繋がります。また、盗難のリスクも軽減できます。

 屋内設置のメリット

  • 天候の影響を受けにくい
  • 温度変化が少ない
  • 盗難リスクの軽減
  • 容易に確認できる

 屋内設置のデメリット

  • 設置スペースが必要
  • 換気が必要な場合がある

 屋内設置の際の注意点

  • 可燃物の近くを避ける
  • 湿気の多い場所を避ける
  • 通気性を確保する
  • 直射日光を避ける

 屋外設置

固定型蓄電池は、屋外設置が一般的です。屋外設置のメリットは、住宅内のスペースを節約できる点です。また、大容量の蓄電池を設置する場合にも適しています。

 屋外設置のメリット

  • 設置スペースの節約
  • 大容量設置への対応

 屋外設置のデメリット

  • 天候の影響を受けやすい
  • 温度変化が大きい
  • 盗難リスクがある

 屋外設置の際の注意点

  • 雨風や直射日光を避ける
  • 地面からの高さに注意する
  • 転倒防止対策を行う
  • 防犯対策を施す

 設置時の注意点(屋内・屋外共通)

蓄電池を設置する際には、屋内・屋外に関わらず、いくつかの共通の注意点があります。これらの注意点をしっかり守ることで、安全に蓄電池を使用することができます。

項目 注意点
設置場所の強度 蓄電池の重量に耐えられる強度がある場所を選ぶ必要があります。特に、固定型蓄電池は重量があるため、設置場所の強度を確認することが重要です。
周辺環境 高温多湿の場所や、可燃物の近く、水回りなど、蓄電池に悪影響を与える可能性のある場所を避ける必要があります。また、小さなお子様やペットの手が届かない場所に設置することも重要です。
配線 配線は、資格を持った電気工事士に依頼することをおすすめします。誤った配線は、火災の原因となる可能性があります。
定期点検 蓄電池は、定期的に点検を行う必要があります。メーカーの指示に従って、定期的に点検を行い、異常がないか確認しましょう。また、保証期間やメンテナンスについても確認しておきましょう。

蓄電池は、地震などの災害時に非常に役立つ設備です。適切な設置場所と注意点を理解し、安全に設置・運用することで、安心して電気を使用することができます。設置に関する不明点があれば、販売店やメーカーに相談することをおすすめします。

 地震発生時の蓄電池の使い方

地震発生直後は、まずは身の安全を確保することが最優先です。蓄電池の使用は安全が確認されてから行いましょう。

 安全確認

地震の揺れがおさまったら、周囲の状況を確認し、火災や家屋の倒壊などの危険がないか確認しましょう。ガス漏れがあれば窓を開けて換気し、ガス栓を閉めます。電気系統の損傷も確認し、必要に応じてブレーカーを落としましょう。

 必要な家電製品への給電

安全が確認できたら、蓄電池を起動し、必要な家電製品に給電します。優先順位の高い家電から順に接続していくことが重要です。下記に例を挙げますが、状況に応じて判断してください。

優先度 家電製品 使用目的
スマートフォン/携帯電話 情報収集、連絡
ラジオ 情報収集
LEDライト 照明確保
冷蔵庫 食品の保存
医療機器(人工呼吸器など) 生命維持
テレビ 情報収集(代替手段がある場合)
パソコン 情報収集(代替手段がある場合)
電気毛布 保温(代替手段がある場合)

 ポータブル電源を使用する場合

出力ポートの種類やワット数を確認し、適切なケーブルを使用して家電製品を接続します。接続する機器の合計消費電力が出力容量を超えないように注意しましょう。多くのポータブル電源にはAC出力、DC出力、USB出力などが搭載されています。

7.2.2 固定型蓄電池を使用する場合

固定型蓄電池は、あらかじめ特定のコンセントに接続されているため、停電時には自動的に電力を供給するようになっています。どのコンセントが蓄電池に接続されているかを事前に確認しておきましょう。停電時に使用したい家電は、そのコンセントに接続しておきます。また、特定の回路のみに電力を供給する設定になっている場合もありますので、取扱説明書をよく読んで理解しておきましょう。

 節電方法

蓄電池の電力は限られています。できるだけ節電して、少しでも長く使用できるように工夫することが大切です。具体的には、以下の点に注意しましょう。

  • 明るさを下げる:照明の明るさを必要最低限に抑えましょう。複数の照明器具を使用している場合は、必要なものだけを使用します。
  • 使用しない家電は電源を切る:使用していない家電製品は、待機電力も消費するため、電源プラグを抜くか、主電源をオフにしましょう。
  • こまめに電源を切る:使用しない時はこまめに電源を切る習慣をつけましょう。例えば、携帯電話の充電が完了したらすぐに充電器から外すなどです。
  • 省エネモードを使う:家電製品に省エネモードがある場合は、積極的に活用しましょう。

これらの節電方法を実践することで、蓄電池の電力を効率的に使用し、停電時の不安を軽減することに繋がります。

 蓄電池のメンテナンス方法

蓄電池を長く安全に使い続けるためには、適切なメンテナンスが不可欠です。定期的なメンテナンスを実施することで、蓄電池の寿命を延ばし、性能を維持することができます。以下に、ポータブル電源と固定型蓄電池それぞれのメンテナンス方法を詳しく解説します。

 ポータブル電源のメンテナンス

ポータブル電源は、比較的小型で持ち運びが容易なため、キャンプや車中泊など、様々なシーンで活躍します。しかし、その手軽さゆえに、メンテナンスを怠りがちになってしまうことも。適切なメンテナンスを行うことで、ポータブル電源をより長く、安全に使用することができます。

 バッテリーのメンテナンス

ポータブル電源の心臓部であるバッテリーは、適切な管理が必要です。満充電状態や完全放電状態での長期間の放置はバッテリーの劣化を早めるため、避けるようにしましょう。理想的には、バッテリー残量を20~80%程度に保つことが推奨されています。

また、高温多湿の環境での保管もバッテリーに悪影響を与えるため、風通しの良い涼しい場所で保管するようにしましょう。直射日光が当たる場所や、車内などの高温になる場所は避けてください

さらに、3ヶ月に1回程度は充放電を行うことで、バッテリーの状態を良好に保つことができます。長期間使用しない場合は、特にこの点に注意しましょう。

 本体のメンテナンス

ポータブル電源本体のメンテナンスも重要です。本体の汚れは、柔らかい布で乾拭きしましょう。水拭きは故障の原因となる可能性があるため、避けてください。また、端子部分にホコリや異物が付着している場合は、エアダスターなどで優しく除去しましょう。

 固定型蓄電池のメンテナンス

固定型蓄電池は、住宅に設置されるため、大容量で長寿命であることが特徴です。高価な製品であるため、適切なメンテナンスを実施し、長く使用することが重要です。

 定期点検

固定型蓄電池は、メーカーや販売店による定期点検を受けることが推奨されています。点検では、蓄電池の内部状態や配線、接続状況などを確認し、異常があれば修理や交換などの対応を行います。点検の頻度は、製品によって異なるため、取扱説明書を確認しましょう。

 日常点検

定期点検に加えて、使用者自身による日常点検も重要です。具体的には、蓄電池本体の表示ランプを確認し、異常がないかを確認します。また、異音や異臭、発熱がないかなども確認しましょう。異常を発見した場合は、すぐにメーカーや販売店に連絡してください。

 保証とアフターサービス

固定型蓄電池は高額な商品であるため、保証内容とアフターサービスについても確認しておきましょう。保証期間や保証内容、修理対応などを事前に確認しておくことで、万が一のトラブル発生時にも安心して対応できます。

項目 ポータブル電源 固定型蓄電池
バッテリーメンテナンス 3ヶ月に1回程度充放電、高温多湿を避けて保管、満充電・完全放電での長期間放置を避ける メーカー推奨の充放電サイクルを守る
本体メンテナンス 柔らかい布で乾拭き、端子部分のホコリ除去 定期点検を受ける、日常点検を行う(表示ランプ、異音、異臭、発熱)
その他 取扱説明書をよく読む 保証内容とアフターサービスを確認

適切なメンテナンスを行うことで、蓄電池をより長く、安全に使用することができます。取扱説明書をよく読み、記載されている注意事項を守って使用しましょう。また、不明な点があれば、メーカーや販売店に問い合わせることをお勧めします。

 まとめ

地震大国である日本では、いつ大規模な地震が発生してもおかしくありません。地震による停電は、私たちの生活に大きな影響を与えます。そんな時、頼りになるのが蓄電池です。本記事では、地震後に備える蓄電池の選び方について解説しました。

蓄電池には、持ち運びが容易なポータブル電源と、住宅に設置する固定型蓄電池があります。ポータブル電源は比較的手頃な価格で購入でき、必要な時に必要な場所へ持ち運べるメリットがあります。一方、固定型蓄電池は大容量で、より多くの家電製品を長時間使用することが可能です。設置費用は高額ですが、災害時だけでなく普段から活用することで電気代の節約にも繋がります。

蓄電池を選ぶ際には、使用したい家電製品の消費電力と使用時間を考慮して、必要な容量を計算することが重要です。また、出力、充電時間、寿命、安全性、メーカーの信頼性、保証期間なども確認しましょう。設置場所やメンテナンス方法についても事前に理解しておくことで、より安心して蓄電池を使用できます。

地震への備えは、日頃から行うことが大切です。蓄電池は、停電時の安心を確保するための有効な手段の一つです。本記事を参考に、ご家庭に合った蓄電池を選び、災害に備えましょう。

 

 

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