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地震の備えガイド|津波警報時の心得から避難グッズ準備、スマホ対応防災マップまで

本ガイドでは、家庭内耐震対策や避難経路の確認、津波警報発令時の迅速な避難判断、高齢者・子ども・ペット向けの防災グッズリスト、スマホ対応防災マップ活用法、国土交通省や市区町村のハザードマップ入手法を解説。

 

スマホのGPS機能やオフラインマップ設定、緊急連絡手段の確保、家族間安否確認手順も具体例付きで紹介。

 

定期点検や備蓄補充方法を解説し、緊急時の判断力と行動力を高め被害軽減を実現します。

 

 地震発生前の基本準備

 家庭内の耐震対策と家具固定

大規模な地震では家具の転倒や落下物による二次被害が大きなリスクとなります。

 

事前に家具の固定や耐震グッズの設置を行い、居住空間を安全に整えましょう。

 

対策項目 具体例
家具転倒防止金具 市販のL字金具で本棚や食器棚を壁下地にしっかり固定
耐震マット テレビや電子レンジの脚部に敷いて滑り止めを強化
突っ張り棒タイプ 食器棚の上下に設置し、揺れによる開閉を抑制
吊り下げ収納の点検 天井から吊るす照明や観葉植物のフックを耐荷重対応品に交換

床に収納している物品は棚や引き出し内に収め、揺れで飛び出さないよう耐震ストッパーを活用しましょう。

 

また、重いものは低い位置に配置し、上部に軽量物を置くことで転倒リスクを低減できます。

 避難経路の確認と集合場所の設定

家庭から安全な避難場所までの経路を複数パターンで確認し、日常的にシミュレーションを行うことが大切です。

 

ハザードマップで浸水想定区域や土砂災害警戒区域を確認し、最短かつ安全なルートを選定しましょう。

ルート名 チェックポイント
ルートA(徒歩) 避難経路標識/ガードレールの有無/道路幅
ルートB(自転車利用) 駐輪スペース/坂道の勾配/橋の耐震性
ルートC(車利用) 駐車可能エリア/渋滞しやすい交差点/給油スポット

避難先として高台、公園、指定避難所(小中学校や体育館など)の位置と集合場所を家族全員で共有し、地図に印をつけることで緊急時にも迷わず避難できます。

 家族間の連絡方法と安否確認手順の共有

地震発生直後は電話回線が混雑しやすいため、複数の連絡手段を用意しておくことが重要です。

 

家族間の連絡フローを決め、緊急時の安否確認手順を明確化しましょう。

 

  • 一次連絡手段:ショートメッセージサービス(SMS)や災害用伝言ダイヤル(171)

 

  • 二次連絡手段:LINEや災害時に動作保証されたトランシーバーアプリ

 

  • 三次連絡手段:メールやインターネット接続可能な無線機器

 

連絡方法とともに集合時間、待ち合わせ場所を決め、紙媒体の家族連絡カードを財布や非常持ち出し袋に入れておくと安心です。

 

また、遠隔地の親戚を「安否確認窓口」に設定し、国内の電話番号を共通で覚えておくと連絡網がスムーズになります。

 

 津波警報時の心得

 津波警報と注意報の違いと判断基準

区分 想定波高 対応の目安
津波注意報 0.3m以上3m未満 海岸や河口付近での立ち入り注意、情報収集
津波警報 3m以上 直ちに高台や指定避難所へ避難

上記の基準は気象庁が定める想定波高をもとにしています。

 

津波注意報と津波警報では、避難判断の緊急度が大きく異なるため、自治体からの情報を常に確認し、警報レベルに応じた行動をとることが重要です。

 警報発令後の初動行動と避難判断

津波警報が発令されたら、以下の手順で初動行動をとりましょう。

 

  • ラジオや防災行政無線で最新情報を確認する

 

  • 家族や同居者の安否を簡易に確認し、避難場所を共有する

 

  • 避難経路の安全を確かめつつ、できるだけ早く高台へ移動を開始する

 

避難判断のポイントは「できるだけ早く」「安全な場所へ」です。

 

海岸線から離れるほど安全性が高まるため、時間に余裕がない場合は近隣の高台や指定避難所に直行してください。

 高台や指定避難所への安全な移動方法

高台や指定避難所へ移動する際は、以下の点に注意しましょう。

 

  • 指定避難所は自治体が公開するハザードマップや防災マップで事前に確認しておく

 

  • 徒歩での避難が原則。車両での移動は渋滞や道路冠水の恐れがあるため避ける

 

  • 川沿い、河口付近、盛り土のない低い土地は洪水や二次災害の危険があるため通らない

 

  • 夜間や雨天の場合は懐中電灯や雨具を用意し、足元に注意して歩行する

 

また、避難経路上に避難所が複数ある場合は、到達しやすく安全が確認されている最寄りの避難所を優先してください。

 

緊急時には自治体職員や消防団の誘導にも従いましょう。

 

 避難グッズ準備のポイントとチェックリスト

地震や津波警報時に迅速かつ安全に避難を行うためには、あらかじめ必要なグッズを把握し、適切な量と品質で備蓄しておくことが重要です。

 

以下では、必須アイテムの一覧と目安、子ども・高齢者・ペット向けの追加アイテム、さらに定期的な点検と補充方法について詳しく解説します。

 必須アイテム一覧と備蓄目安

 

 水と非常食

一人あたり最低3日間を目安に水と非常食を備蓄しましょう。水は飲料だけでなく衛生用としても使用するため、余裕を持った量の確保が必要です。

アイテム 内容 備蓄目安
飲料水 ミネラルウォーター(500mlペットボトル) 3L×3日分(9L)/人
非常食(保存食) アルファ米、缶詰、レトルト食品、長期保存パン 3食×3日分/人

 救急セットと常備薬

けがや持病の急な発症に備え、救急用品と常備薬をセットにしておきます。

アイテム 内容 備蓄目安
救急セット 包帯、ガーゼ、絆創膏、消毒薬、三角巾、体温計 1セット
常備薬 かかりつけ薬、鎮痛剤、整腸薬 3日分

 懐中電灯と携帯充電器

停電時や夜間の避難に備え、光源と通信手段を確保しましょう。

アイテム 内容 備蓄目安
懐中電灯 LEDライト、ヘッドライト(予備電池付き) 各1個
携帯充電器 モバイルバッテリー(10000mAh以上)、USBケーブル 1セット
手回し充電ラジオ ライト、AM/FMラジオ、USB出力付き 1台

 子どもや高齢者ペット向けの追加アイテム

特に支援が必要な家族やペットには、以下のような追加アイテムを用意してください。

 

  • 子ども用おむつ、粉ミルク、哺乳瓶、離乳食

 

  • 高齢者用常用薬の予備、杖用予備グリップ、防寒用ブランケット

 

  • ペット用フード(3日分)、給水ボトル、キャリーケース、トイレシーツ、リード

 

 定期的な点検と補充の方法

備蓄品は期限切れや劣化に注意し、定期的に点検して必要に応じて補充を行います。

 

 

チェックリストを作成し、半年ごとまたは年に一度の点検をおすすめします。

項目 点検頻度 確認ポイント
非常食・保存食 6ヶ月 賞味期限、パッケージの破損
飲料水 6ヶ月 容器の膨張、にごり
医薬品・常備薬 6ヶ月 使用期限、保管状態
電池・バッテリー 12ヶ月 残容量、外観の腐食
ライト&充電器 12ヶ月 点灯・充電動作確認

 スマホ対応防災マップの活用方法

 おすすめアプリと機能比較

スマホで利用できる代表的な防災マップアプリを、機能や対応OS、オフライン対応の有無で比較しました。

 

事前にインストールし、操作方法を確認しておきましょう。

アプリ名 対応OS 主な機能 オフライン対応
Yahoo!防災速報 iOS/Android 地震・津波警報プッシュ通知・避難所一覧・ハザードマップ 一部マップを事前ダウンロード可
日本気象協会防災アプリ iOS/Android 気象警報・避難情報共有・ハザードマップ 対応(全国地図)
ハザードラボ iOS/Android 自治体ハザードマップ閲覧・避難所検索 指定エリアをダウンロード可

家族や同居者と同じアプリを入れておくと、情報共有がスムーズになります。

 GPS位置情報活用のタップ操作

スマホのGPS機能を有効にすると、現在地を地図上でリアルタイムに表示できます。

 

以下の手順で設定し、避難ルートを確認しましょう。

 

  • 設定アプリを開き、「位置情報サービス」または「プライバシー」を選択

 

  • 防災マップアプリの位置情報利用を「常に許可」または「アプリ使用中のみ許可」に設定

 

  • 防災マップアプリを起動し、画面上の「現在地表示」アイコンをタップ

 

  • 自動追尾モードをオンにして、移動に合わせて地図を追従させる

 

これにより、避難所や安全な高台までの距離や所要時間を即座に把握でき、迅速な判断をサポートします。

 オフラインマップ設定と事前ダウンロード

災害発生時は通信障害や回線混雑でオンラインマップが使えない場合があります。

 

事前にオフライン用地図データをダウンロードしておくことが重要です。

 

  1. 防災マップアプリの設定画面から「オフラインマップ」「地図ダウンロード」などの項目を選択
  2. 自宅周辺や避難所周辺など、事前に必要なエリアを表示範囲として指定
  3. Wi-Fi環境下でダウンロードを開始し、完了まで待機
  4. ダウンロード済みデータは機内モードやモバイル通信オフの状態でも表示可能

ダウンロード容量が大きい場合は、複数の小エリアに分割して保存すると効率的です。

 

定期的に更新し、最新の道路情報や避難所位置を反映させましょう。

 

 地域別防災マップ入手と確認方法

地震や津波など、各地域の自然災害リスクを把握するには、市区町村や国土交通省のハザードマップを確認することが重要です。

 

本章では、公式マップの閲覧手順と活用ポイントを解説します。

 市区町村公式ハザードマップの閲覧

各自治体が提供するハザードマップは、浸水想定区域や土砂災害警戒区域、津波浸水想定図などを網羅しています。

 

自治体のホームページからダウンロードできるほか、インターネット環境がない場合は役所窓口で紙版を入手できます。

 

以下の表は代表的な自治体の提供形式と特徴です。

都道府県 市区町村 災害種別 提供形式 更新時期
東京都 千代田区 地震・津波・洪水 PDF・Webマップ 年1回
大阪府 大阪市 土砂災害・洪水・津波 インタラクティブマップ 随時
北海道 札幌市 地震・土砂災害・浸水 PDF・紙版 2年に1回

 国土交通省ハザードマップポータルサイトの使い方

国土交通省のポータルサイトでは、全国のハザード情報を一括で検索できます。

 

地震動予測地図や津波浸水予測区域、想定最大規模降雨による洪水浸水想定区域など多彩なデータが公開されています。

 

サイト内の検索画面で地名や郵便番号を入力すると、該当エリアのマップが表示されます。

 

以下の表で主な機能と利用上のポイントをまとめました。

 

機能 内容 データ形式 注意点
地震動予測地図 内閣府検討基準の震度分布 PDF・GISデータ 最新版を必ず確認
津波浸水予測 想定最大津波高さマップ Webマップ 県境や小規模堤防は未反映の場合あり
洪水浸水想定 想定最大規模降雨による浸水 PDF・GISデータ 最新の数値を確認

 ハザードマップ縦覧システムでの情報取得

ハザードマップ縦覧システムは、国土交通省が自治体のマップを一元的に公開するサービスです。

 

自治体名または地図上の市区町村を選択し、閲覧したい災害種別をチェックすると、当該マップが表示されます。

 

オンラインで閲覧できるほか、印刷用ファイルのダウンロードも可能です。地震や津波、土砂災害のハザードエリアを重ね合わせて比較できるため、幅広いリスクを把握するうえで便利です。

 

各地図ともオフラインで利用する場合は、事前にPDFをダウンロードしておき、スマートフォンやタブレットに保存しておきましょう。

 

災害時の通信障害に備え、定期的に最新版を確認し、保存ファイルを更新してください。

 

 まとめ

本ガイドでは家庭内での耐震対策や避難経路の確認、家族間の連絡方法の共有、津波警報時の初動行動と高台への避難方法を解説しました。

 

また、非常食や救急セットなどの避難グッズと子ども・高齢者・ペット向けアイテムの定期点検は被害軽減の要です。

 

GPS機能やオフラインマップアプリ、市区町村公式ハザードマップや国土交通省ハザードマップポータルの活用で安全に避難でき、日頃の準備と情報収集が命を守る鍵です。