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【宮﨑県の注文住宅】台風シーズン到来!プロが教える後悔しないための備えと対策完全ガイド

 

 

台風の常襲地帯である宮﨑県では、注文住宅の設計段階から適切な対策を講じることが、家族の安全と大切な資産を守る上で不可欠です。

 

この記事を読めば、土地選びや設計といった家づくりの段階から、シーズン前の準備、台風接近時の具体的な行動まで、プロが教える後悔しないための備えと対策の全てがわかります。

 

万全の準備で、安心して台風シーズンを乗り越えましょう。

目次

 なぜ宮﨑県の注文住宅で台風対策が特に重要なのか

宮﨑県で夢のマイホーム、注文住宅を建てるなら、絶対に無視できないのが「台風対策」です。

 

温暖で自然豊かな宮﨑県ですが、その地理的条件から、台風による被害のリスクが非常に高い地域でもあります。

 

「まだ先のこと」「うちは大丈夫だろう」といった油断が、後悔につながることも少なくありません。

 

まずは、なぜ宮﨑県の注文住宅で台風対策がこれほどまでに重要なのか、その理由を深く理解することから始めましょう。

 台風の通り道である宮﨑県の地理的特徴

宮﨑県が台風対策を重視すべき最大の理由は、その地理的な位置にあります。

 

日本列島の南東部に位置し、広大な太平洋に面している宮﨑県は、夏から秋にかけて発生する台風の進路、いわゆる「台風の通り道」になりやすいのです。

 

フィリピン沖などで発生した台風は、勢力を保ったまま北上し、九州地方に接近・上陸することが多くあります。

気象庁の統計データを見ても、宮﨑県は台風の接近数・上陸数が全国で常に上位に位置しています。

 

これは、この地で家を建て、暮らしていく上で、台風との遭遇が避けられない宿命であることを意味します。

参考資料: 気象庁 | 宮崎県への台風の接近数

 

台風がもたらすのは、強烈な「風」と「雨」です。

 

特に勢力の強い台風の場合、想像を絶する暴風が吹き荒れ、短時間に記録的な豪雨が降ることも珍しくありません。

 

このような過酷な自然環境に耐えうる家づくりが、宮﨑県では不可欠なのです。

 過去の台風被害から学ぶ教訓

「備えあれば憂いなし」ということわざがありますが、その「備え」のヒントは過去の災害にあります。

 

宮﨑県は、これまで幾度となく大きな台風被害に見舞われてきました。過去の事例から教訓を学ぶことは、未来の我が家を守るための第一歩です。

 

例えば、過去に宮﨑県に甚大な被害をもたらした台風では、以下のような被害が報告されています。

 

発生年と台風 主な被害内容 得られる教訓
1993年(平成5年)台風13号 強風による家屋の倒壊・損壊、屋根瓦の飛散、長期間の停電。 建物の構造自体の耐風性能の重要性。屋根材の固定方法や選び方の見直し。
2005年(平成17年)台風14号 記録的な豪雨による河川の氾濫、広範囲にわたる浸水被害、土砂災害。 土地選びにおけるハザードマップの確認の徹底。基礎の高さや排水設備の重要性。
2022年(令和4年)台風14号 暴風による飛来物での窓ガラス破損、カーポートや物置の倒壊、塩害による設備機器の故障。 窓のシャッターや雨戸の設置、飛散防止フィルムの有効性。外構物の固定・対策の必要性。

これらの被害は、決して他人事ではありません。

 

屋根が飛ばされる、窓が割れる、家が水に浸かる…そんな悪夢のような事態は、対策を怠れば誰の身にも起こりうるのです。

 

過去の被害事例は、私たちが注文住宅を建てる際に「何を」「どこまで」備えるべきかを具体的に教えてくれる、貴重な教科書と言えるでしょう。

 注文住宅だからこそできる対策と怠った場合のリスク

「台風対策なら、どんな家でも同じでは?」と思うかもしれません。

しかし、「注文住宅」だからこそ、より効果的で根本的な対策を講じることが可能です。

 

建売住宅やマンションと違い、設計の初期段階から台風への備えを計画に盛り込めるのが、注文住宅最大のメリットです。

 

例えば、

    • 土地選び:ハザードマップを元に、浸水や土砂災害のリスクが低い土地を選ぶ。
    • 建物の形状:風の抵抗を受けにくい、シンプルで凹凸の少ないデザインを採用する。

構造・基礎:耐風等級の高い構造計算を行い、基礎を高くして浸水に備える。
屋根・外壁:風に強く、防水性の高い素材を選び、適切な工法で施工する。
窓・開口部:シャッターや雨戸を標準装備し、ガラスの種類も防災仕様にする。

 

これらの対策は、家が建ってから後付けでリフォームするよりも、設計段階で組み込む方がはるかにコストを抑えられ、かつ高い効果が期待できます。

 

一方で、この「自由度の高さ」ゆえに、コスト削減などを理由に対策を怠ってしまうと、そのリスクは計り知れません。

 

台風によって住宅が一度でも大きな被害を受ければ、多額の修繕費用がかかるだけでなく、大切な資産価値も大きく損なわれます。

 

火災保険でカバーできる部分もありますが、保険金が支払われるまでの手続きや一時的な自己負担、そして何より家族が負う精神的なストレスは、お金には代えられない大きな損失です。

 

宮﨑県で家を建てるということは、台風という自然の力と共存していくということです。

 

注文住宅という最高の機会を活かし、家族の安全と大切な資産を末永く守るための「最強の備え」を、家づくりの第一歩から始めましょう。

 

 【設計段階】台風に強い注文住宅を建てるための後悔しないポイント

宮崎県で注文住宅を建てるなら、設計段階での台風対策が将来の安心を大きく左右します。

 

家が建ってしまってからでは変更が難しい部分だからこそ、後悔しないために知っておくべきポイントをプロの視点で詳しく解説します。

 

工務店やハウスメーカーとの打ち合わせ前に、ぜひご確認ください。

 ハザードマップで確認するべき土地選びの備え

理想の家を建てる第一歩は、安全な土地選びから始まります。

 

台風による被害は、強風だけでなく、豪雨による洪水や高潮、土砂災害など多岐にわたります。

 

まずは、家を建てようと考えている土地にどのような災害リスクが潜んでいるのかを正確に把握することが不可欠です。

 

そのために最も重要な情報源が、国や自治体が公表している「ハザードマップ」です。

ハザードマップでは、以下のような情報を確認できます。

 

  • 洪水浸水想定区域:河川が氾濫した場合に浸水が想定される区域と、その深さ。

 

  • 高潮浸水想定区域:台風などによる高潮で浸水が想定される区域と、その深さ。

 

  • 土砂災害警戒区域(イエローゾーン):土砂災害が発生するおそれがある区域。

 

  • 土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン):建築物の損壊が生じ、住民に著しい危害が生じるおそれがある区域で、特定の開発行為が制限されます。

 

これらの情報を事前に確認し、できる限り災害リスクの低い土地を選ぶことが、最も効果的な備えとなります。

土地の購入を決定する前に、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」や、宮崎県および各市町村のウェブサイトで必ず確認しましょう。

 

不動産会社や工務店にも、対象土地の災害リスクについて説明を求めることが重要です。

 建物の耐風性能を高める構造と形状

土地が決まったら、次は建物の「骨格」となる構造と形状を考えます。

 

台風の強烈な風圧に耐えるためには、設計段階での工夫が欠かせません。

 耐風等級は「等級2」を標準に

住宅の耐風性能は、住宅性能表示制度の「耐風等級」で示されます。

 

等級は1と2の2段階あり、その違いは以下の通りです。

 

  • 耐風等級1:建築基準法で定められた最低限の耐風性能。
    極めて稀に発生する暴風(50年に一度程度)による力に対して、倒壊・崩壊しない強度。

 

  • 耐風等級2:耐風等級1の1.2倍の力に対して、倒壊・崩壊しない強度。

 

台風の通り道となる宮崎県では、建築基準法レベルの等級1では不十分なケースも想定されます。

 

長期優良住宅の認定基準でもある「耐風等級2」を標準仕様として検討することをおすすめします。

 

これにより、家全体の強度が向上し、暴風時の安心感が格段に高まります。

 

 建物の形状はシンプルに

建物の形状は、風の受け方に大きく影響します。

一般的に、凹凸の少ないシンプルな形状ほど風圧を均等に受け流しやすくなります。

 

  • 形状:L字型やコの字型などの複雑な形状よりも、正方形や長方形に近い「総二階建て」のようなシンプルな箱型の家が有利です。

 

  • 屋根:屋根の形状も重要です。風の影響を受けにくいのは、
    4方向に傾斜がある「寄棟(よせむね)屋根」や「方形(ほうぎょう)屋根」です。

    一方、スタイリッシュで人気の「片流れ屋根」は、風向きによっては屋根が吹き上げられる大きな力がかかりやすいため、構造的な補強や耐風性の高い施工方法を検討する必要があります。

 

デザイン性を追求しつつも、防災の観点からどのような工夫ができるか、設計士とよく相談しましょう。

 屋根材の選び方と雨漏り対策

台風被害で最も多いのが、屋根の破損とそれに伴う雨漏りです。

屋根材の選定と適切な施工が、家を水から守る生命線となります。

 耐風性に優れた屋根材を選ぶ

現在主流の屋根材にはそれぞれ特徴があります。宮崎県の環境を考慮した選択が重要です。

屋根材の種類 特徴 台風対策上のポイント
防災瓦(陶器瓦・セメント瓦) 耐久性が高く、メンテナンス頻度が低い。重量があるため、風で飛ばされにくい。塩害にも強い。 瓦同士がかみ合うロック式や、釘・ビスで一枚一枚を固定する工法(ガイドライン工法)で施工されたものを選ぶ。
ガルバリウム鋼板 軽量で建物への負担が少ない。錆びにくく、耐震性にも有利。デザイン性が高い。 軽量なため、固定するビスのピッチ(間隔)を狭くするなど、強風で剥がれないための確実な施工が不可欠。表面に傷がつくと錆びる可能性がある。
スレート(コロニアル・カラーベスト) 比較的安価で普及率が高い。軽量。 経年劣化で割れやすくなるため、定期的な塗装メンテナンスが必須。強風で割れたり剥がれたりするリスクが他の素材より高い傾向がある。

台風常襲地帯であり、沿岸部では塩害の懸念もある宮崎県では、耐久性と耐風性に優れた「防災瓦」や、適切な施工がなされた「ガルバリウム鋼板」がおすすめです。

 見えない部分「防水シート(ルーフィング)」も重要

万が一屋根材が破損・飛散しても、すぐに雨漏りを起こさないための最後の砦が、屋根材の下に敷く「防水シート(ルーフィング)」です。

 

標準的なアスファルトルーフィングよりも、耐久性・防水性が高く、釘穴の止水性にも優れた「改質アスファルトルーフィング」を選ぶと、より安心です。

 窓やシャッターなど開口部の備えが重要

台風時に風が侵入する最も弱い部分が「開口部」、つまり窓や玄関ドアです。

 

飛来物で窓が割れると、室内に強風が吹き込み、屋根を吹き上げるほどの破壊的な力を生むことがあります。

 

開口部の強化は、家全体の安全を守る上で極めて重要です。

 シャッターや雨戸は必須装備

台風の備えとして、シャッターや雨戸の設置は非常に効果的です。

 

飛来物から窓ガラスを直接守り、破損を防ぎます。

 

特に風が強い宮崎県では、一部の窓だけでなく、可能な限りすべての窓に設置することを強く推奨します。

 

最近では、スイッチ一つで開閉できる電動シャッターが主流で、台風接近時にも手軽に家を守ることができます。

停電時に手動で開閉できる機能がついているかどうかも確認しておきましょう。

 窓ガラスやサッシも防災仕様に

シャッターを設置しない場合や、より安全性を高めたい場合は、窓ガラス自体の強度を高める選択肢もあります。

 

  • 防災安全合わせガラス:2枚のガラスの間に強靭な特殊フィルムを挟んだガラス。万が一割れても、破片が飛散しにくく、穴が開きにくいため、飛来物の貫通を防ぐ効果が高いです。
  • 強化ガラス:通常のガラスの3~5倍の強度を持つガラス。割れると粒状になるため大怪我をしにくいですが、割れると脱落してしまうため、飛来物の貫通は防げません。

また、窓枠であるサッシも、風圧に耐える「耐風圧性能」や、雨水の侵入を防ぐ「水密性能」が高い製品を選ぶことが大切です。

 

設計士や工務店に、地域の基準風速に適した性能を持つサッシを提案してもらいましょう。

 

 外壁と外構における台風対策

台風対策は、建物本体だけでなく、その周りの外壁や外構(庭、塀、カーポートなど)にも及びます。

 

これらが破損・飛散すると、自宅だけでなく近隣に被害を及ぼす加害者になってしまう可能性もあります。

 外壁材とシーリング

外壁は、飛来物の衝撃から家を守る役割も担っています。

 

衝撃に比較的強いとされるのは、厚みのある窯業系サイディングやALCパネルなどです。

 

また、サイディングの継ぎ目を埋める「シーリング(コーキング)」は、雨水の侵入を防ぐ重要な部分です。

紫外線や雨風で劣化するため、耐久性の高いシーリング材を選ぶことで、メンテナンス周期を延ばし、防水性能を長く保つことができます。

 倒壊・飛散しない外構計画

外構物は、強風の影響を直接受けるため、設計段階から配慮が必要です。

 

  • 塀・フェンス:ブロック塀は、建築基準法で定められた高さや厚み、鉄筋の配筋、控え壁の設置などを遵守することが絶対条件です。
    風圧を考えると、風が通り抜けるメッシュフェンスなども有効な選択肢です。

 

  • カーポート・物置:台風による倒壊事例が非常に多い設備です。
    必ず「耐風圧強度」の高い製品を選び、メーカーの規定通りに基礎工事をしっかりと行うことが重要です。

 

  • 植栽:成長すると倒木の危険がある高木は、建物の近くや電線の近くを避けて植える配慮が必要です。

 

  • 雨水排水:ゲリラ豪雨などによる敷地内の冠水を防ぐため、地面に適切な勾配をつけ、雨水桝や排水溝を効果的に配置する計画も大切です。

 

これらの設計段階での備えは、建築コストに影響しますが、将来の修繕費用や安全・安心を考えれば、決して無駄にはなりません。

工務店やハウスメーカーとしっかりと話し合い、宮崎の厳しい自然環境に負けない、後悔のない家づくりを進めていきましょう。

 【台風シーズン到来前】宮﨑の住宅で今すぐできる備えと対策リスト

台風は突然やってくるものではありません。

天気予報で事前に進路が予測できる災害だからこそ、シーズンが本格化する前の「平時」の備えが、あなたと家族、そして大切な注文住宅を守る鍵となります。

 

ここでは、台風シーズンが到来する前に、宮﨑県の住宅で今すぐできる具体的な備えと対策をリスト形式で詳しく解説します。

 

できることから一つずつ実践していきましょう。

 

 家の外回りのセルフチェックとメンテナンス

強風や大雨に直接さらされる家の外回りは、台風被害の起点となりやすい場所です。

 

定期的なセルフチェックとメンテナンスで、被害のリスクを大幅に減らすことができます。

 屋根や雨樋の点検と掃除

屋根は家を守る最も重要な部分です。

 

瓦のわずかなズレやひび割れが、強風でめくれ上がり、雨漏りの原因となります。

 

また、雨樋に落ち葉やゴミが詰まっていると、大雨の際に雨水が溢れて外壁を伝い、思わぬ場所からの浸水や建材の劣化につながります。

 

高所での作業は危険を伴うため、無理せず専門の工務店やリフォーム会社に点検を依頼することも検討しましょう。

 

  • 屋根材(瓦、スレートなど)にズレ、ひび割れ、剥がれがないか
  • 棟板金(屋根の頂上部分)に浮きや釘の抜けがないか
  • 雨樋に落ち葉や土、ゴミが詰まっていないか
  • 雨樋の金具に緩みや破損がないか

 窓やシャッター雨戸の動作確認

台風の強風で最も危険なのは、飛来物による窓ガラスの破損です。

窓が割れると、室内に強風と雨が吹き込み、家の中がめちゃくちゃになるだけでなく、気圧差で屋根が吹き飛ばされる危険性も高まります。

 

いざという時にシャッターや雨戸が「固くて閉まらない」ということがないよう、事前に必ず開閉テストを行い、スムーズに動くか、鍵がしっかりかかるかを確認しておきましょう。

 

動きが悪い場合は、レール部分の掃除や潤滑油の塗布を試してみてください。

 庭の植栽や物置の飛散防止対策

庭にある物が、台風の際には命を脅かす「凶器」に変わり得ます。

 

植木鉢や物干し竿、ガーデニング用品、子どものおもちゃなどは、強風で飛ばされると自宅や隣家の窓ガラスを割ったり、人を傷つけたりする可能性があります。

台風が近づく前に、飛ばされそうなものは倉庫にしまったり、ロープで固定したりする対策が必要です。

  • 庭木の枝が伸びすぎていたら剪定し、風の抵抗を減らす
  • 物置がしっかりと地面に固定されているか確認する
  • プロパンガスのボンベが鎖でしっかり固定されているか確認する
  • 使わないときは物干し竿を下ろしておく習慣をつける

 排水溝や側溝の清掃

短時間に大量の雨が降るゲリラ豪雨では、排水能力を超えて道路が冠水し、床上浸水につながる「内水氾濫」が起こりやすくなります。

自宅の敷地内にある排水溝や、家の前の側溝が落ち葉や泥で詰まっていると、水の流れが妨げられ、浸水のリスクを高めます。

定期的に清掃し、水はけの良い状態を保つことが重要です。これはご近所との協力も効果的です。

 ライフライン停止に備える家の中の準備

台風による被害は、停電や断水といったライフラインの停止を引き起こすことがあります。

 

数日間は支援がなくても生活できるよう、家の中の備えを万全にしておきましょう。

 非常食や飲料水の備蓄リスト

ライフラインが止まっても最低3日間、可能であれば1週間程度は自足できるように、非常食や飲料水を備蓄しておくことが推奨されています。

 

普段から食べているものを少し多めに買い置きし、消費した分を買い足していく「ローリングストック法」なら、無理なく備蓄を維持できます。

 

非常食・飲料水の備蓄品リスト(大人2人・3日分の目安)
分類 品目例 備蓄量の目安 ポイント
飲料水 ペットボトルの水 1人1日3L × 3日 = 9L × 2人 = 18L 調理用も含めた量。賞味期限の長いものを選ぶ。
主食 アルファ米、レトルトご飯、パックご飯、乾麺、カップ麺 1人3食 × 3日 = 9食 × 2人 = 18食 カセットコンロとボンベもセットで準備。
主菜・副菜 缶詰(魚、肉、野菜)、レトルト食品(カレー、牛丼など) 適量 温めなくても食べられるものが便利。
その他 栄養補助食品、お菓子、野菜ジュース、粉ミルク、離乳食 適量 乳幼児や高齢者、アレルギー対応など家族構成に合わせる。

 停電対策に役立つポータブル電源と発電機

宮﨑県では、台風による長時間の停電も想定しておく必要があります。

 

停電すると冷蔵庫が使えなくなり、スマートフォンの充電もできず、情報収集が困難になります。

 

夜間の照明がなければ不安も増大します。

 

こうした事態に備え、ポータブル電源や発電機があると非常に心強いです。

 

ポータブル電源は静かで排気ガスが出ないため室内でも安心して使え、スマートフォンの充電や扇風機、電気毛布などに活用できます。

 

発電機はよりパワフルですが、騒音や一酸化炭素中毒のリスクがあるため屋外での使用が必須です。

 

ご家庭の状況に合わせて選びましょう。

 

最低限、乾電池式のラジオやLEDランタン、モバイルバッテリーは複数用意しておきましょう。

 

 窓ガラスの飛散防止フィルムや養生テープの準備

窓ガラスの対策として最も効果的なのは、事前に「飛散防止フィルム」を貼っておくことです。

 

万が一ガラスが割れても破片が飛び散るのを防ぎ、ケガのリスクを大幅に低減します。

 

フィルムを貼っていない場合、台風接近時の応急処置として養生テープやガムテープを窓に米印(※)のように貼る方法が知られていますが、これはガラスの強度を上げる効果は限定的で、あくまで「割れた際の破片の飛散を少しでも抑える」ための気休めに近い対策です。

 

何もしないよりはましですが、過信は禁物です。

 

 情報収集と避難計画の確認

いざという時に適切な行動をとるためには、正確な情報と事前の計画が不可欠です。

 

家族全員で情報を共有し、避難計画を立てておきましょう。

 宮﨑県の自治体ハザードマップと避難場所の再確認

お住まいの地域にどのような災害リスクがあるかご存知ですか?宮﨑県や各市町村が公開しているハザードマップで、自宅の浸水想定区域や土砂災害警戒区域を必ず確認してください。

 

そして、最寄りの避難場所はどこか、そこまでの安全な避難経路は複数あるかを地図上で確認し、実際に歩いてみることをお勧めします。

 

災害情報は、宮﨑県の防災ポータルサイトなどで確認できます。

 家族との安否確認方法の共有

災害時には電話回線が混雑し、つながりにくくなることがあります。

 

離れ離れになった際にどうやって連絡を取り合うか、事前に家族で話し合っておきましょう。

 

  • NTTの災害用伝言ダイヤル(171)や災害用伝言板(web171)の使い方を確認しておく

 

  • SNS(LINE、Xなど)のグループを作成し、安否報告のルールを決めておく

 

  • 遠方の親戚などを連絡の中継点として決めておく

 

  • 万が一連絡が取れない場合の集合場所を決めておく

 

 火災保険の補償内容を確認する

万が一、台風で住宅に被害が出てしまった場合に備え、加入している火災保険の内容を事前に確認しておくことは非常に重要です。

 

 水災や風災の補償はついているか

「火災保険」という名称ですが、多くの場合、火災だけでなく台風による「風災」や豪雨による「水災」も補償対象に含まれています。

 

しかし、契約内容によっては補償対象外であったり、補償額に上限があったりする場合があります。

 

保険証券を取り出し、ご自身の契約に「風災・雹災・雪災補償」「水災補償」が付帯しているか、免責金額(自己負担額)はいくらかを必ず確認しておきましょう。

 

特に水災補償は、「床上浸水」や「地盤面から45cm以上の浸水」といった支払い条件が定められていることが多いので注意が必要です。

 保険請求に必要な手順の把握

被害を受けた後に慌てないよう、保険金の請求手順も確認しておくとスムーズです。

 

一般的には、

①保険会社の事故受付窓口へ連絡、

②保険会社から必要書類の取り寄せ、

③書類の記入・提出、

④保険会社による損害状況の調査、

⑤保険金の支払い、という流れになります。

 

被害状況を証明するために、被害箇所の写真を撮っておくことが極めて重要になることも覚えておきましょう。

 【台風接近から通過後まで】時系列で見る具体的な対策と行動

宮﨑県に台風が接近してから通過するまでの間、いつ、何をすべきかを時系列で具体的に解説します。

 

台風のニュースを聞くと不安になるかもしれませんが、事前に正しい行動を知っておくことで、パニックにならず冷静に対処できます。

 

ご自身とご家族、そして大切な注文住宅を守るために、一つひとつのステップを確認していきましょう。

 台風接近が予想された時の備え

気象庁から台風情報が発表され、宮﨑県が予報円に入ったら、早めの準備を開始することが肝心です。

 

暴風雨が始まってからでは屋外での作業は大変危険です。テレビやラジオ、スマートフォンのアプリなどで最新の情報を常に確認しながら、以下の対策を進めましょう。

 

 屋外にある物の室内への移動または固定

暴風によって屋外にある物が飛ばされると、自宅や近隣の家の窓ガラスを割ったり、外壁を傷つけたりする「凶器」に変わる可能性があります。

 

事前にしっかりと対策を行いましょう。

  • 室内へ移動するもの:植木鉢、物干し竿、ガーデニング用品、自転車、子どものおもちゃ、ゴミ箱など、飛ばされる可能性のあるもの。

 

  • 固定・補強するもの:室内に入れられない物置やエアコンの室外機、プロパンガスのボンベなどは、ワイヤーやロープでしっかりと固定されているか確認します。特に、あとから設置した物置は基礎が不十分な場合もあるため注意が必要です。

 

ご自身の家の安全だけでなく、ご近所への配慮という観点からも、飛散防止対策は非常に重要です。

 

強風が吹き始める前に、必ず完了させてください。

 断水に備えた水の確保

台風の影響で停電が発生すると、マンションなどではポンプが停止して断水したり、浄水場の機能が停止して広域で断水したりする可能性があります。

飲料水とは別に、生活用水を確保しておきましょう。

 

  • 浴槽に水をためる:最も手軽で多くの水を確保できる方法です。
    トイレを流したり、体を拭いたりするための生活用水として活用できます。
  • ポリタンクや空のペットボトル:洗い物や手洗い用に、清潔な容器にも水を確保しておくと便利です。

 台風上陸中の安全確保のための行動

台風が上陸し、暴風雨がピークに達している間は、屋外に出ることは絶対に避けてください。

 

家の中で安全を確保し、命を守ることを最優先に行動しましょう。

 窓や危険な場所から離れる

暴風で何が飛んでくるか分かりません。

 

飛来物によって窓ガラスが突然割れる危険性があるため、窓のそばには絶対に近づかないでください。

カーテンやブラインドは閉めておき、万が一ガラスが割れた際の飛散を少しでも防ぎましょう。

 

家の中心部に近い、窓のない部屋(廊下やトイレ、納戸など)が比較的安全な場所です。

 浸水発生時の垂直避難

家の周辺で浸水が始まったり、自治体から避難指示(警戒レベル4)が発令されたりした場合は、速やかに安全な場所へ避難する必要があります。

 

しかし、すでに屋外への避難が危険な状況であれば、無理に外へは出ず「垂直避難」を徹底してください。

垂直避難とは、自宅の2階や3階など、より高い場所へ移動することです。

 

浸水のリスクがある1階からは、家財道具や貴重品など可能な範囲で高い場所へ移し、ご自身と家族の安全を確保してください。

 

宮﨑県が公開している「宮崎県防災・危機管理情報」などで、お住まいの地域の浸水想定を確認しておくことも重要です。

 台風通過後にまずやるべきこと

台風が過ぎ去り、風雨が収まった後も油断は禁物です。

 

安全が確認できるまでは慎重に行動し、被害状況の確認と記録を落ち着いて行いましょう。

 

これが、その後のスムーズな復旧と保険請求に繋がります。

 安全を確保した上での被害状況の確認

家の外の状況を確認する際は、まず身の安全を第一に考えてください。

  • 増水した河川や用水路、側溝には絶対に近づかない。
  • 垂れ下がった電線を見つけても絶対に触れない(電力会社へ連絡する)。
  • 足元のガラス片や釘、瓦礫などに注意し、長靴や厚底の靴を履く。
  • ヘルメットや帽子を着用し、頭上からの落下物にも注意する。

安全を確保したら、家の被害状況をチェックします。特に確認すべき箇所は以下の通りです。

台風通過後の住宅被害チェックリスト
場所 主なチェックポイント
屋根 瓦やスレートのズレ、割れ、剥がれ。棟板金の浮きや剥がれ。
外壁 ひび割れ(クラック)、サイディングの剥がれや破損、塗装の剥離。
雨樋 破損、変形、外れ。落ち葉やゴミによる詰まり。
窓・サッシ ガラスのひび割れ、破損。サッシの歪みによる開閉不良。シャッターの破損。
ベランダ・バルコニー 手すりのぐらつき、床面の防水層の剥がれや膨れ。
カーポート・フェンス 屋根パネルの破損、柱の傾き、フェンスの倒壊や変形。
室内 天井や壁のシミ(雨漏りのサイン)、サッシ周りからの浸水。

 被害箇所の写真撮影

火災保険の保険金を請求する際に、被害状況を証明する客観的な証拠として写真が非常に重要になります。

片付けや修理を始める前に、必ず被害状況を写真に撮っておきましょう。

  • 「全景写真」:建物全体と被害箇所が一緒に写るように、少し離れた場所から撮影します。

 

  • 「拡大写真」:被害箇所に近づいて、破損の状況が具体的にわかるようにアップで撮影します。

 

複数の角度から何枚も撮影しておくと、より正確に状況を伝えることができます。

 工務店や保険会社への連絡

被害を確認したら、速やかに契約している損害保険会社(または代理店)に連絡し、被害の報告と今後の手続きについて指示を仰ぎます。

 

同時に、家を建てた工務店やハウスメーカーにも連絡を入れ、修理の見積もりや応急処置を依頼しましょう。

台風の後は修理依頼が殺到し、業者の手配に時間がかかることが予想されます。

 

被害に気づいたら、できるだけ早く連絡することが、一日も早い復旧への第一歩となります。

 困ったときに頼れる宮﨑県の相談先一覧

台風による被害は、精神的にも経済的にも大きな負担となります。

 

しかし、一人で抱え込む必要はありません。

 

宮﨑県内には、住宅の修繕から公的な支援、保険の請求まで、さまざまな場面で頼りになる相談先があります。

 

いざという時に慌てないよう、どこに何を相談できるのかを事前に把握しておきましょう。

 家を建てた工務店やハウスメーカー

注文住宅に被害が出た場合、まず最初に連絡すべきは、その家を建てた工務店やハウスメーカーです。

 

建物の構造や仕様を最も熟知している専門家であり、迅速かつ的確な対応が期待できます。

 

被害状況の確認から応急処置、本格的な修繕の見積もりや工事まで、一貫して相談に乗ってもらえます。

 

特に、保証期間内であれば無償で修理してもらえる可能性もあります。

 

アフターサービスの窓口や担当者の連絡先は、普段から分かりやすい場所に保管しておくことが重要です。

 

連絡する際は、被害箇所の写真を用意しておくと、状況が伝わりやすくスムーズです。

 宮﨑県や各市町村の防災窓口

公的な支援や正確な情報を得るためには、お住まいの自治体の窓口が頼りになります。

 

被災者支援制度の利用や、罹災(りさい)証明書の発行手続きなど、生活再建に不可欠なサポートを受けることができます。

罹災証明書は、保険金の請求や公的支援の申請に必要となる重要な書類です。

 

また、自治体の公式サイトや防災ポータルサイトでは、最新の被害状況、避難所の情報、給水活動、災害ごみの収集場所など、重要な情報が発信されます。

 

まずは県の防災ポータルサイトを確認し、お住まいの市町村の窓口も併せて確認しておきましょう。

宮﨑県の総合的な防災情報

宮﨑県内 主要市町村の防災担当窓口(例)

※下記は一例です。詳細や最新の情報は各市町村の公式ホームページでご確認ください。

市町村名 担当課(例) 備考
宮崎市 危機管理課 市のホームページでハザードマップや避難所情報を確認できます。
都城市 危機管理課 防災行政無線やメール配信サービスでの情報発信も行っています。
延岡市 危機管理室 各種支援制度や罹災証明書の申請について案内しています。
日南市 危機管理室 地域の危険箇所や避難行動について確認できます。
日向市 危機管理課 防災マップを活用し、自宅周辺のリスクを確認しておきましょう。

 加入している損害保険会社

住宅の修理には多額の費用がかかる場合があります。

 

その経済的負担を軽減するために不可欠なのが、火災保険(損害保険)です。

 

台風による被害は、多くの場合「風災」や「水災」として補償の対象となります。

 

被害を受けたら、まずはご自身が加入している保険会社の事故受付センターへ速やかに連絡しましょう。

保険証券を手元に用意し、契約者名、証券番号、被害の状況(いつ、どこで、何が、どのように壊れたか)を具体的に伝えます。

 

自己判断で修理を進めてしまうと、保険金が支払われないケースもあるため、必ず保険会社の指示を仰いでください。

 保険金請求の一般的な流れ

保険金の請求は、以下の流れで進むのが一般的です。

 

  1. 保険会社への事故連絡:契約者本人から、事故受付センターや代理店へ連絡します。
  2. 保険会社からの案内:今後の手続きや必要書類について説明を受けます。
  3. 必要書類の提出:保険金請求書、修理費用の見積書、被害状況がわかる写真などを提出します。
  4. 損害状況の調査:保険会社が損害鑑定人を派遣し、現地調査を行う場合があります。
  5. 保険金の支払い:調査結果に基づき、支払われる保険金額が決定し、指定口座に振り込まれます。

 保険に関する中立的な相談窓口

保険会社とのやり取りで不明な点やトラブルが生じた場合は、中立的な第三者機関に相談することもできます。

 

 

こちらは、損害保険全般に関する相談や、保険会社とのトラブル解決のサポート(和解案の提示など)を無料で行っている機関です。

 

困ったときのために、このような窓口があることも覚えておくと安心です。

 まとめ

台風の通り道である宮崎県において、注文住宅の台風対策は後悔しない家づくりの要です。

 

設計段階で耐風性能の高い構造や開口部の強化を行うことはもちろん、ハザードマップの確認や日頃のメンテナンス、備蓄といった地道な備えが、ご家族と大切な住まいを守ることに直結します。

 

本記事で解説したポイントを実践し、万全の体制で台風シーズンを迎えましょう。