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梅雨時期に夜飛んできた白蟻が部屋にいる!その習性と巣造りの危険性を知って対策しよう【シロアリ駆除のプロが解説】

梅雨時期、夜に部屋へ白蟻(シロアリ)が飛来しているのを発見し不安を感じている方へ。本記事では白蟻の習性や飛来の理由、部屋で巣作りされるリスク、その対策と予防方法まで、プロの視点で詳しく解説します。確実な白蟻対策の結論も紹介します。

 

 梅雨時期に白蟻が部屋に現れる原因

 白蟻の発生時期と特徴

日本のシロアリの主な種類であるヤマトシロアリやイエシロアリは、梅雨の時期になると群飛と呼ばれる繁殖行動を活発に行います。群飛とは、羽アリとなったシロアリが集団で巣から一斉に飛び出し、新しい住処を探し繁殖ペアを形成する行動です。特にヤマトシロアリは4月~5月、イエシロアリは5月下旬~7月ごろに最も群飛が盛んとなり、気温や湿度が高く、雨上がりの日没後によく活動します。この時期、外から室内に向かってシロアリが飛来しやすくなります。

 夜間に飛んでくるシロアリの種類

梅雨時期の夜間に部屋へ飛来するのは、主にヤマトシロアリとイエシロアリの羽アリです。これらの羽アリは光に集まる習性が強く、特に室内照明や窓明かりに誘引されてしまいます。ヤマトシロアリの羽アリは体長5~7mm、黒っぽい体色と褐色の羽を持ち、対してイエシロアリの羽アリは体長がやや大きく、淡い褐色の体色が特徴です。

種類 羽アリ発生時期 特徴 主な活動時間
ヤマトシロアリ 4月~5月 体色は黒~黒褐色、羽は褐色、湿った木材を好む 昼~夕方
イエシロアリ 5月下旬~7月 体色は淡褐色~黄色、羽は透明、乾いた木材や広範囲にも巣を作る 夕方~夜間

特にイエシロアリの羽アリは夜間に活動しやすく、部屋の照明に引き寄せられ部屋の中やベランダ、玄関灯の周囲に集まるケースが多く報告されています。

 梅雨ならではの湿度と建物環境の影響

梅雨時期は高い湿度と気温により、シロアリにとって繁殖・巣作りに最適な環境です。特に気密性の高い現代の住宅や、換気が不十分な木造住宅では、湿気がこもりやすく白蟻の侵入リスクが高まります。また、雨天が多いことで屋外のシロアリが雨宿りや新しい巣場所を求めて住宅内部に侵入してくることも増えます。建物の基礎部分や隙間、古くなった木材・紙素材周辺から室内への侵入経路ができやすくなるため、十分な注意が必要です。

環境省や公益社団法人日本しろあり対策協会なども、梅雨時期のシロアリ被害への注意を呼びかけています。

 白蟻の習性とは

 白蟻が夜に活動する理由

白蟻(シロアリ)は基本的に暗い場所や湿気の多い環境を好みます。そのため、昼間よりも夜間に活発になる傾向があります。特に梅雨時期は湿度が高く、白蟻の行動が活発化するタイミングです。夜間に白蟻が活動するのは、天敵の鳥やアリなどの捕食者から身を守りやすく、乾燥や紫外線の影響を受けにくいからです。また、夜になると家屋内外の湿度が上がることも、白蟻が移動や営巣活動を行う理由の一つとされています。

 白蟻の群飛行動と生態

多くのシロアリは、繁殖期(特に5月から7月にかけた梅雨時期)になると、羽アリとなって群飛(ぐんぴ)という集団飛翔行動を行います。これは新しい巣を作るために、オスとメスのシロアリ(生殖虫)がペアになって新天地を探す行動です。群飛は主に夕方から夜にかけて行われ、光や湿気、温度の条件が揃った時に一斉に行われます。

時期 主な群飛時間 特徴
ヤマトシロアリ 4月~5月、日中~夕方 比較的小規模の群飛、湿度が高い日や雨上がりに多い
イエシロアリ 6月~7月、夜間 大規模な群飛、夜間の光に集まりやすい

このような群飛行動が見られるとき、近くにシロアリのコロニー(巣)が存在する可能性が高くなります。群飛後、オスとメスは羽を落としてカップルとなり、適した場所に巣作りを始めるのです。

 白蟻とヤマトシロアリ・イエシロアリの違い

日本国内で住宅被害が多い代表的な白蟻は「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」です。両者は習性や群飛の時期、巣作りの方式などに違いがあります。主な違いをまとめると以下の通りです。

種類 生息エリア 主な特徴 群飛時期 営巣の習性
ヤマトシロアリ 全国(北海道~沖縄) 土中や木材内に小型の巣を作る。湿気を好む。 4~5月 分散的に営巣。被害がゆっくり拡大しやすい。
イエシロアリ 主に西日本の沿岸部 建物の壁内や床下などに大規模な巣を作る。 6~7月 集中型で巨大な巣を作る。被害拡大が速い。

なお、イエシロアリは特に水分を求めて部屋の配管や水回りにも営巣しやすく、被害が深刻化しやすい傾向があります。ヤマトシロアリは土壌と木部を行き来しながら小規模な巣を複数形成するため発見が難しいことが特徴です。

詳しいシロアリの種類と分布については公益社団法人日本しろあり対策協会も参考にすると良いでしょう。

 部屋に飛来した白蟻が巣作りをするリスク

 白蟻が家屋内で巣を作る流れ

梅雨時期にシロアリの羽アリが部屋へ飛来すると、たとえ一匹や数匹であっても家屋内で新たな巣を作る可能性があります。羽アリ(有翅虫)は結婚飛行後、オスとメスが対となり、湿気が多く暗い場所で新しいコロニーを形成し始めます。特に木材や段ボール、畳など湿度が保たれやすい部分は巣作りの温床となります。一度定着すると、女王アリが産卵を続け、数万匹規模のコロニーに発展することも少なくありません。初期段階では被害が目立ちにくく、気付かぬまま被害が拡大することが多いのもシロアリ被害の特徴です。

シロアリが巣を作りやすい場所 具体例 発見のポイント
床下や壁内部 浴室や洗面所、キッチンの床下、壁の隙間や柱 床がブヨブヨする、小さな羽アリや糞の発見、カビ臭
畳や収納内部 押入れ内部、畳の下、使用頻度の低いクローゼット 木粉や土のような物質、穴、羽の抜け殻
段ボールや木材の近く 長期間置かれたダンボールや木箱の下 木材の変色、割れ、音が中空

 部屋で見つかった場合の被害例

実際に家の中でシロアリを発見した場合、気付いたときには被害がかなり進行しているケースも多く見られます。以下のような被害例が報告されています。

  • 和室の畳下や床下の木材がスカスカになり、歩くと沈み込む
  • 壁や柱に触れると中が空洞化しており、押すと簡単に崩れる
  • 押入れや収納内部に土や木のカス、羽アリの抜け殻が大量に溜まっている
  • 家屋の基礎部分から羽アリが大量に発生し、外壁にも被害が拡大

特にイエシロアリはコロニーが大規模化しやすいため、一度巣作りが成立すると、住宅全体の耐久性を大きく損なう危険があります。

 白蟻の被害が拡大しやすい住宅の特徴

シロアリによる被害が広がりやすい住宅には、次のような共通点があります。

特徴 理由 被害防止のための対策
床下や壁に湿気が多い シロアリは湿気を好み、湿った木材に巣を作りやすい 床下換気口の設置・除湿機による湿気対策
木造で築年数が経過している 経年劣化した木材は防虫効果が薄れ、侵入しやすくなる 定期的な点検と防蟻処理の実施
基礎にヒビや隙間がある 微小な隙間からもシロアリが侵入可能 ヒビの補修や土台周辺の点検強化
庭やベランダ周辺に木材・段ボール・枯れ枝が放置されている 屋外から室内への誘引要因となる 不要な木材やダンボールは処分し、家周囲を整理

早い段階での発見・適切な対策により、甚大な建物被害や補修コストの増大を防ぐことが可能です。気になる症状がある場合や、梅雨時期に羽アリを目撃した際は速やかに専門業者の調査を依頼することが重要です。

 白蟻の侵入を防ぐための対策方法

 住宅でできる予防策

梅雨時期は白蟻(シロアリ)にとって活動に適した季節です。室内への侵入を防ぐには、環境や建物の構造をしっかり整備することが重要です。
以下の表に、主な家庭でできるシロアリ予防策をまとめます。

予防策 詳細 ポイント
建物周辺の整理 落ち葉や木材、ダンボールなど、シロアリのエサや巣になりやすい有機物は家の基礎周辺に置かないようにしましょう。 庭やベランダも定期的に清掃する
換気と湿気対策 換気口や床下換気扇を使用し、床下や室内に湿気がこもらないようにします。シロアリは高湿度を好みます。 梅雨時期は特に定期換気を心がける
水漏れ・結露 台所や浴室、給湯器まわりなど水回りの水漏れや結露を早めに修理することが大切です。 日常的な点検を徹底する
基礎や外壁のひび割れ補修 基礎コンクリートや外壁のわずかなひび割れからシロアリが侵入することがあるため、発見次第すぐに補修しましょう。 年1回以上は家全体の目視点検を
木部の接地回避 ウッドデッキや物置など、木材部分が直接地面に触れないように設置し直すことも有効です。 コンクリート基礎の上に設置する

これらのポイントを抑えておくことで、白蟻被害を未然に防ぐことができます。

 白蟻を見つけた時の応急処置

もし室内でシロアリや羽アリを発見した場合、最初に落ち着いて行動することが大切です。応急処置として以下の方法が挙げられます。

応急処置 方法 注意点
掃除機で吸い取る 室内に侵入した羽アリやシロアリは掃除機で丁寧に吸い取り廃棄します。 後で紙パックを処分する
捕獲・記録 可能であれば何匹かサンプルを捕獲し、種類が特定できるよう記録します。 業者への相談時に有効
市販の殺虫剤を使用する 玄関付近や発見場所にシロアリ用殺虫剤(例:アース製薬「シロアリ撃滅」など)を噴霧します。 換気に注意し、人畜無害な薬剤を選ぶ
拡大防止 被害箇所を水濡れや破損から守り、物理的な拡散を防ぐようにします。 無理に壊したりしない

被害箇所をむやみに壊したり薬剤を大量に散布するのは逆効果となる場合があります。必ず数日以内に白蟻専門業者に相談を検討してください。

 白蟻駆除業者に依頼する際のポイント

シロアリを自力で完全に駆除するのは難しいため、プロの駆除業者に早期相談・依頼することが重要です。依頼時には以下のポイントをチェックしましょう。

ポイント チェック内容
実績・資格の有無 「公益社団法人日本しろあり対策協会」指定の業者や、しろあり防除施工士の有資格者が在籍しているか確認します。
調査内容と見積もり 床下・家全体の詳細な無償調査と複数業者の見積もりを比較しましょう。
使用薬剤と保証 人体やペットに安全な薬剤を採用しているか、保証内容(期間・補償範囲)を確認します。
アフターサービス 施工後の無料点検や再発保証、トラブル対応体制が整っているかが大切です。
口コミや評判 第三者による口コミや公益社団法人日本しろあり対策協会などの公式サイト情報を参考にしましょう。

最終的には信頼できる業者に現地調査を依頼し、状況に応じた適切な処置・予防策を早急に実施することが、被害の拡大防止につながります。

 プロがすすめる梅雨時期の白蟻対策グッズ

梅雨時期は湿気が多く、白蟻が最も活発になる季節です。シロアリ対策を徹底することで、ご自宅への被害を最小限に抑えることができます。ここでは、プロが実際にすすめる信頼性の高い対策グッズを、市販殺虫剤や忌避剤、点検・メンテナンス用品に分けて詳しく紹介します。これらのグッズを組み合わせて使うことで、より高い防虫効果が期待できます。

 おすすめの市販殺虫剤や忌避剤

白蟻対策の第一歩は、手軽に購入できる市販の殺虫剤や忌避剤を活用することです。下記の表では、プロも現場で使うことのある信頼性の高い商品と主な特徴をまとめました。

商品名 タイプ 特徴 使用場所例
アース シロアリ撃滅粒剤 粒剤タイプ 土壌や基礎部分にまくだけで長期間効果が持続。雨にも強い。 家の基礎まわり、床下
キンチョー シロアリアーススプレー スプレータイプ 直接噴射でき、速効性が高い。小規模な発生箇所にも対応。 室内、玄関まわり、木部の隙間
フマキラー シロアリ忌避剤 液状忌避剤 白蟻の嫌う成分で寄せつけにくくする。定期的な塗布がおすすめ。 ドア枠、窓枠、押入れ内部

殺虫剤は発見時の応急処置や、予防としての定期散布に有効です。木造部材の隙間や床下、基礎まわりへの設置が効果的ですが、室内で薬剤を使う際には、必ず換気を十分に行い、取扱説明書を遵守してください。

 定期点検と日常のメンテナンス方法

梅雨時期の白蟻対策は、グッズの使用だけでなく、点検や日々のメンテナンスも欠かせません。被害を未然に防ぐため、次のようなグッズと方法が効果的です。

対策グッズ 用途 ポイント
白蟻探索ランプ 夜間の白蟻飛来状況確認 白蟻は光に集まるため、ランプに群がる様子を観察することで侵入リスクを把握できる
湿度計・温度計 室内環境管理 湿気が高いと白蟻が繁殖しやすいため、室内の湿度を一定に保つ管理が大切
床下換気扇 床下の湿気対策 通気性を確保し、湿度上昇を防ぐことで白蟻発生予防につながる
防虫パテ・コーキング材 隙間塞ぎ 基礎や木部の小さな隙間をしっかり塞ぐことで、白蟻の侵入経路を遮断する

また、日本しろあり対策協会などの公的団体が推奨する点検方法や最新リストも、一度確認しておくと安心です。被害が進行する前に異常を察知し、適切な対策グッズを使うことで、住宅を長期間守ることができます。

 まとめ

梅雨時期はヤマトシロアリやイエシロアリの群飛が活発になり、夜に部屋へ侵入し巣作りを始めるリスクが高まります。被害拡大を防ぐには、住宅の湿気対策や隙間の封鎖、市販の殺虫剤・忌避剤(アース製薬、フマキラーなど)の活用が効果的です。異変を感じたら早めに専門業者へ相談し、定期点検を心がけましょう。