【今すぐ確認】火事が多い季節に備える火災保険の見直しで「もしも」の不安を解消
2025年11月20日
「火事が多い季節」と聞くと、特定の時期を思い浮かべるかもしれません。
しかし、実は年間を通して火災リスクが高まる時期があり、それぞれ異なる原因が存在します。
あなたの家は、季節ごとの火災リスクに本当に備えられているでしょうか?
この記事では、まず「なぜ特定の季節に火事が増えるのか」を具体的な原因と対策とともに解説します。
その上で、ご加入中の火災保険が「もしも」の事態に適切に備えられているかを確認するためのチェックポイントを提示。
建物や家財の補償額、地震保険や水災・風災といった特約の必要性、免責金額の設定、契約期間と更新のタイミングまで、見直しで確認すべき重要な項目を網羅的にご紹介します。
さらに、現在の契約内容を確認する方法から、複数の保険会社を比較検討する重要性、保険のプロに相談するメリットまで、火災保険の見直しを始めるための具体的なステップを詳しく解説。
火災保険の見直しと合わせて行うべき日頃の防災対策まで網羅することで、この記事を読み終える頃には、火事への漠然とした不安を解消し、大切なご家族と財産を守るための確かな知識と具体的な行動計画が手に入ります。
今こそ、火災保険を見直し、安心な暮らしを手に入れましょう。

目次
火事が多い季節を知りリスクに備える
なぜ特定の季節に火事が増えるのか
一般的に「火事が多い季節」と聞くと冬を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は春も火災発生件数が非常に多い季節です。
総務省消防庁の統計によると、年間の火災発生件数は3月がピークとなることが多く、次いで1月、2月、12月、4月と、冬から春にかけての時期に集中する傾向が見られます。
特定の季節に火事が増える主な要因はいくつかあります。
まず、空気が乾燥している時期は、木材や落ち葉などの可燃物の水分量が減少し、小さな火種でも燃え広がりやすくなります。
特に冬から春にかけては、太平洋側を中心に乾燥した空気が続くことが多く、火災リスクが高まります。
次に、強風も火災の拡大に大きく影響します。
特に春先は、大陸から乾いた移動性高気圧と低気圧が交互に日本列島を通過する際に強い南風が吹きやすく、一度発生した火災が瞬く間に延焼する危険性があります。
林野火災(山火事)においても、冬から春(1月~5月)にかけて約7割が発生しており、乾燥した落ち葉と強風が主な原因とされています。
また、季節ごとの生活習慣の変化も火災原因に深く関わっています。
冬は暖房器具の使用が増え、電気ストーブや石油ストーブ、こたつなどからの出火が頻繁に発生します。
春は野焼きやたき火といった屋外での火気使用が増えることや、新生活に伴う家電製品の導入・使用が電気火災につながることもあります。
人間の不注意による「たばこ」「こんろ」「たき火」なども、季節を問わず上位の出火原因として挙げられます。
季節ごとの主な火災原因と対策
火災リスクが高い季節を知り、それぞれの季節に特有の火災原因と対策を理解することは、大切な住まいと家族を守る上で非常に重要です。
以下に、季節ごとの主な火災原因と、今日から実践できる具体的な対策をまとめました。
総務省消防庁が発表している消防白書や消防統計も参考に、ご自身の生活を見直してみましょう。
| 季節 | 主な火災原因 | 具体的な対策 |
|---|---|---|
| 冬 | 暖房器具(ストーブ、電気ヒーター、こたつなど)の不適切な使用や不具合
電気配線の老朽化、たこ足配線、コンセントへのほこりの蓄積 たばこの不始末、寝たばこ 調理中の不注意(コンロの消し忘れなど) 空気が乾燥し、引火しやすい環境 |
暖房器具は定期的に点検・清掃し、可燃物から十分な距離を確保する。
たこ足配線を解消し、コンセントやプラグ周りのほこりをこまめに除去する。 寝たばこは絶対にせず、たばこの吸い殻は完全に消火を確認する。 調理中は火元から離れず、その場を離れる際は必ず火を消す。 加湿器を使用し、室内の乾燥を防ぐ。 |
| 春 | 空気が乾燥し、強風により火災が拡大しやすい
野焼きやたき火、枯草焼きからの飛び火・延焼 林野火災(山火事)の発生増加 新生活に伴う家電製品の導入や引っ越し時の配線トラブル |
火気を使用する際は周囲の状況をよく確認し、風の強い日は屋外での火気使用を控える。
野焼きやたき火は行わず、やむを得ず行う場合は自治体の許可を得て、細心の注意を払う。 山林周辺ではたばこのポイ捨てなどをしない。 電気製品の配線は正しく行い、たこ足配線を避ける。 |
| 夏 | エアコンや扇風機など電気製品の酷使による過熱・発火
落雷による火災 花火やバーベキューなどレジャーでの火気使用の増加 |
エアコンはフィルターを定期的に清掃し、異常がないか確認する。
雷が発生しやすい時期は、家電製品のコンセントを抜くなどの対策を検討する。 花火やバーベキューを行う際は、水バケツを用意するなど消火準備を徹底し、後始末を確実に行う。 |
| 秋 | 冬に向けての暖房器具の準備・試運転時の不具合
乾燥と強風による延焼リスク たばこの不始末、たき火 落ち葉など可燃物の蓄積 |
暖房器具は本格的な使用前に必ず点検・清掃を行う。
空気が乾燥し、風が強い日は火の取り扱いに特に注意する。 たばこの吸い殻は確実に消火し、たき火は行わないか、十分な安全対策を講じる。 敷地内の落ち葉や枯れ草はこまめに清掃・除去する。 |
あなたの火災保険は「もしも」の火事に備えられているか
火災保険の見直しが今必要な理由
「まさか自分が」という思いから、火災保険の契約内容を一度確認したきり、そのままにしている方も少なくありません。
しかし、火災保険は一度契約したら終わりというものではなく、定期的な見直しが非常に重要です。
特に、火事が多い季節を前に、ご自身の火災保険が現在の状況に合っているかを確認することは、万が一の事態に備える上で不可欠と言えるでしょう。
見直しが必要な主な理由としては、以下のような点が挙げられます。
- 建物の価値の変化:築年数の経過による建物の劣化や、リフォーム・増改築を行った場合、建物の評価額は変動します。現在の保険金額が実態と乖離していると、いざという時に十分な補償を受けられない可能性があります。
- 家財の変化:新しい家具や家電の購入、高価な趣味の品が増えるなど、家財の総額は時間とともに変化します。家財保険の補償額が現在の家財の価値に見合っているかを確認しましょう。
- ライフスタイルの変化:家族構成の変化や、在宅勤務の増加など、ライフスタイルの変化によって、必要な補償内容やリスクの種類が変わることもあります。
- 保険商品の進化:火災保険の補償内容や特約は、時代とともに多様化し、より細分化されています。以前はなかった新しい補償や、より手厚いサービスが提供されている可能性もあります。
- 再建費用の高騰:物価上昇や建築資材の高騰により、建物の再建費用は年々増加傾向にあります。現在の保険金額では、いざという時に同等の建物を再建できないケースも考えられます。
これらの変化に対応するためにも、火災保険の契約内容を定期的に確認し、必要に応じて見直すことが、安心した暮らしを守るための賢明な選択となります。
火災保険の基本と補償範囲を理解する
火災保険は、火災による損害だけでなく、さまざまな自然災害や日常のリスクから大切な住まいと家財を守るための保険です。
その補償範囲を正しく理解することが、適切な保険選びの第一歩となります。
火災保険の補償対象は大きく分けて「建物」と「家財」の二つです。それぞれを個別に、またはセットで契約することができます。
- 建物:建物本体(柱、壁、屋根など)はもちろん、門、塀、物置、車庫といった付属建物、さらに給排水設備、電気設備なども含まれます。
- 家財:家具、家電製品、衣類、食器、寝具など、建物の中に収容されている動産全般を指します。現金や有価証券、貴金属などは、別途条件や限度額が設けられている場合があります。
火災保険で補償される主な損害は以下の通りです。
ただし、契約内容や特約の有無によって補償範囲は異なりますので、ご自身の保険証券で確認することが重要です。
| 主な補償内容 | 補償される損害の例 |
|---|---|
| 火災 | 失火、もらい火、放火などによる火災損害。 |
| 落雷 | 落雷による建物や家財の損害、電気機器の故障など。 |
| 破裂・爆発 | ガス漏れやストーブの破裂、ボイラーの爆発などによる損害。 |
| 風災・雹災・雪災 | 台風や竜巻による屋根の損壊、雹(ひょう)による窓ガラスの破損、豪雪によるカーポートの倒壊など。 |
| 水災 | 台風や集中豪雨による洪水、高潮、土砂崩れなどで、建物や家財が浸水したり流されたりする損害。 |
| 水濡れ | 給排水設備の故障や、上階からの水漏れなどによる損害。 |
| 盗難 | 空き巣などによる家財の盗難や、盗難に伴う建物の損壊(窓ガラスの破損など)。 |
| 外部からの物体の衝突 | 自動車の衝突や、航空機の墜落など、外部からの飛来物や落下物による損害。 |
| 騒擾・集団行動等による破壊行為 | デモや暴動などによる建物の破壊、家財の損壊。 |
なお、地震、噴火、津波による損害は、火災保険では基本的に補償されません。
これらの災害に備えるためには、別途「地震保険」への加入が必要です。地震保険については、次の章で詳しく解説します。
ご自身の火災保険が、これらのリスクに対して適切に備えられているか、保険証券や約款を確認し、不明な点があれば保険会社や代理店に問い合わせてみましょう。
正確な情報を得ることで、安心して日々の生活を送ることができます。
保険に関する一般的な情報については、日本損害保険協会のウェブサイトなども参考になります(日本損害保険協会)。

火災保険の見直しで確認すべきポイント
火災保険は、万が一の火災だけでなく、様々な自然災害から大切な住まいと家財を守るための重要な備えです。
しかし、一度加入したらそのままにしている方も少なくありません。
ライフスタイルの変化や社会情勢の変化に合わせて、定期的に見直すことで、現在のリスクに最も適した補償内容と保険料で契約を維持できます。
ここでは、火災保険を見直す際に特に確認すべきポイントを詳しく解説します。
建物と家財の補償額は適切か
火災保険の補償額は、建物と家財それぞれに設定します。
この補償額が現在の価値と乖離していると、いざという時に十分な補償を受けられなかったり、逆に不要な保険料を払い続けてしまったりする可能性があります。
建物の補償額
建物の補償額は、再取得価額(同じ建物をもう一度建て直すのに必要な費用)で設定するのが一般的です。
築年数の経過による価値の変動や、リフォームによる建物の価値向上など、時間の経過とともに適切な補償額も変化します。
例えば、新築時に設定した補償額が、数十年経った現在も適切とは限りません。
物価変動や建築費の高騰も考慮し、現在の再取得価額に見合った補償額になっているかを確認しましょう。
家財の補償額
家財の補償額は、家具、家電、衣類など、生活に必要な動産すべてを対象とします。
新しく購入した高価な家電製品や家具、家族構成の変化による家財の増加などがあれば、現在の補償額では不足する可能性があります。
家財一式を買い直す場合の費用を想定し、適切な補償額になっているかを確認することが重要です。
特に、引っ越しやリフォームを機に家財が増える場合は、見直しの良い機会となります。
火災保険の特約でリスクに合わせた備え
火災保険の基本補償だけではカバーできないリスクに対しては、特約を付帯することで備えることができます。
ご自身の住む地域の特性やライフスタイルに合わせて、必要な特約が付帯されているかを確認しましょう。
地震保険の必要性とその補償範囲
日本の火災保険では、地震、噴火、またはこれらによる津波を原因とする火災、損壊、埋没、流失による損害は、基本的に補償されません。
これらの損害に備えるためには、火災保険とセットで「地震保険」に加入する必要があります。
日本は地震大国であり、いつどこで大規模な地震が発生してもおかしくないため、地震保険への加入は非常に重要です。
地震保険の補償額は、火災保険の保険金額の30%~50%の範囲で設定され、建物は5,000万円、家財は1,000万円が上限と定められています。
全損、半損、一部損といった損害の程度に応じて保険金が支払われる仕組みです。
ご自身の住む地域の地震リスクを考慮し、地震保険の必要性と適切な補償額を検討しましょう。
水災や風災など自然災害への備え
火災保険の基本補償には、火災だけでなく、落雷、破裂・爆発なども含まれますが、水災や風災といった自然災害への補償は、契約内容によって異なります。
近年、集中豪雨による洪水や土砂災害、台風による暴風被害など、自然災害が激甚化しています。
ご自身の住む地域が河川の近くや土砂災害警戒区域内にある場合、または強風被害を受けやすい地域である場合は、水災や風災の補償が充実しているかを確認することが不可欠です。
水災とは、洪水、高潮、土砂崩れなどによって建物や家財が損害を受けることを指します。
風災とは、台風、竜巻、暴風などによって建物や家財が損害を受けることを指します。
これらの特約が付帯されているか、また補償範囲が十分であるかを、ハザードマップなどを参考にしながら確認しましょう。
例えば、水災補償は、床下浸水は対象外で床上浸水から補償されるケースや、一定以上の損害割合がないと保険金が支払われないケースなど、保険会社によって条件が異なる場合があります。
契約内容をよく確認し、ご自身のニーズに合っているかを見極めることが大切です。
免責金額の設定と保険料の関係
免責金額とは、保険事故が発生した際に、契約者が自己負担する金額のことです。
この免責金額を設定することで、保険料を抑えることができます。
| 免責金額の設定 | 保険料 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 免責金額なし(0円) | 高い | 少額の損害でも保険金を受け取れる | 保険料負担が大きい |
| 免責金額あり(例:3万円、5万円、10万円) | 安い | 保険料を抑えられる | 少額の損害は自己負担となる |
免責金額を高く設定すればするほど保険料は安くなりますが、いざという時に自己負担額が大きくなります。
逆に、免責金額を低く設定したり、なしにしたりすると保険料は高くなりますが、少額の損害でも保険金を受け取ることができます。
ご自身の家計状況や、どの程度の自己負担なら許容できるかを考慮し、最適な免責金額を設定しましょう。
特に、小さな損害での保険金請求を避けることで、保険会社の事務コストが削減され、結果として保険料に還元されるという側面もあります。
火災保険の契約期間と更新のタイミング
火災保険の契約期間は、一般的に1年から最長10年までと幅広い選択肢があります。
長期契約を選択すると、年間の保険料が割安になる傾向があるほか、契約期間中に保険料率が変動しても、契約時の保険料が維持されるというメリットがあります。
一方で、ライフスタイルの変化や保険商品の改定などがあった際に、見直しがしにくいという側面もあります。
現在の契約が短期契約であれば、毎年更新のタイミングで内容を見直すことができます。
長期契約の場合は、契約期間の満了時が最も見直しの良い機会となります。
契約期間が満了する前に、保険会社から更新の案内が届くため、そのタイミングで現在の契約内容が適切か、他の保険会社のプランと比較してより良い選択肢がないかなどを検討しましょう。
契約期間の途中で見直しが必要になった場合は、現在の契約を解約して新たな契約を結び直すことも可能ですが、その際には解約返戻金の有無や、新たな契約での割引適用などに注意が必要です。

火災保険の見直しを始める具体的なステップ
現在の契約内容を確認する方法
火災保険の見直しを始めるにあたり、まず最初に行うべきは、現在ご契約中の火災保険の契約内容を正確に把握することです。
お手元にある保険証券をご確認いただくのが最も確実な方法です。
保険証券には、補償の対象となる建物や家財、保険金額、補償範囲、特約の内容、免責金額、そして契約期間といった重要な情報がすべて記載されています。
もし保険証券が見当たらない場合でも、ご契約されている保険会社のウェブサイトの契約者ページや、お客様サービスセンターに問い合わせることで、契約内容を確認することができます。
これらの情報を正確に把握することで、現在の保険が「もしも」の事態にどれだけ備えられているのか、何が不足しているのかを明確にすることができます。
確認すべき主な項目
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 補償対象 | 建物のみか、家財も含まれているか。 |
| 保険金額 | 建物や家財の再調達価額(新しく建て直す・買い直すのにかかる費用)に対して十分か。 |
| 補償範囲 | 火災だけでなく、落雷、破裂・爆発、風災、ひょう災、雪災、水災、盗難、水漏れなど、どのような災害や事故が補償されるか。 |
| 特約 | 地震保険や個人賠償責任特約など、付帯している特約とその内容。 |
| 免責金額(自己負担額) | 事故が発生した際に、保険会社から保険金が支払われる前に自己負担する金額。 |
| 契約期間と更新日 | 現在の契約がいつまで有効で、いつ更新のタイミングが来るのか。 |
複数の保険会社を比較検討する重要性
現在の契約内容を把握したら、次に複数の保険会社の火災保険商品を比較検討することが非常に重要です。
火災保険は、保険会社によって提供されるプランや補償内容、保険料が大きく異なります。
一つの保険会社の商品だけを見て決めてしまうと、ご自身のニーズに合わない補償内容であったり、割高な保険料を支払っていたりする可能性があります。
複数の保険会社の商品を比較することで、よりご自身のライフスタイルや住まいの状況に合った、最適な補償内容と保険料のバランスを見つけることができます。
インターネット上には、複数の保険会社の火災保険を一括で比較できるサービスやサイトが多数存在します。これらを活用することで、効率的に情報収集を行うことが可能です。
比較検討のポイント
- 補償内容と範囲: 火災だけでなく、地震、水災、風災など、ご自身の住む地域の災害リスクに応じた補償が充実しているかを確認します。
- 保険料: 同等の補償内容であれば、保険料が安いものを選ぶのが一般的ですが、安さだけで判断せず、サービス内容も考慮しましょう。
- 保険会社の信頼性・サービス: 事故対応の迅速さや、お客様サポートの質なども重要な比較ポイントです。
- 特約の種類: 必要に応じた特約(例:家財補償、個人賠償責任、臨時費用など)が充実しているかを確認します。
- 免責金額の設定: 免責金額を高く設定すれば保険料は安くなりますが、自己負担額が増えるため、バランスを考慮しましょう。
保険のプロに相談するメリット
火災保険は専門用語が多く、補償内容も複雑なため、ご自身だけで最適な選択をするのが難しいと感じる方も少なくありません。
そのような場合に大きな助けとなるのが、保険のプロフェッショナルへの相談です。
保険代理店やファイナンシャルプランナーなどの専門家は、お客様一人ひとりの状況を丁寧にヒアリングし、最適な火災保険のプランを提案してくれます。
プロに相談することで、以下のようなメリットが得られます。
- 専門的な知識に基づいたアドバイス: 複雑な補償内容や特約について、分かりやすく解説してもらえます。
- 最適なプランの提案: ご自身の住まいの状況、家族構成、予算、リスク許容度などに応じた、オーダーメイドのプランを提案してもらえます。
- 複数の保険会社からの比較検討: 多くの保険会社の情報を持ち、中立的な立場で比較検討をサポートしてくれます。
- 手続きのサポート: 契約内容の変更や新規加入、保険金請求など、煩雑な手続きをスムーズに進める手助けをしてくれます。
- 時間と手間の削減: ご自身で複数の保険会社を調べて比較する手間を省き、効率的に見直しを進めることができます。
特に、火災保険と合わせて地震保険の加入を検討している場合や、自然災害への備えを強化したいと考えている場合は、専門家のアドバイスが非常に役立ちます。
不安な点や疑問点は積極的に質問し、納得のいく形で火災保険の見直しを進めましょう。
火事から大切なものを守るための総合的な対策
火災保険の見直しで経済的な備えを整えることはもちろん重要ですが、火災そのものを未然に防ぎ、万が一発生してしまった場合の被害を最小限に抑えるための対策も欠かせません。
ここでは、火災保険と並行して取り組むべき具体的な防災対策と、日頃から実践できる火災予防の習慣について詳しく解説します。
火災保険の見直しと合わせて行うべき防災対策
火災保険は「もしも」の事態に備えるものですが、物理的な対策を講じることで、その「もしも」の発生確率を下げ、被害を軽減することができます。
保険と合わせて以下の防災対策を見直しましょう。
住宅用火災警報器の設置と維持管理
住宅用火災警報器は、火災発生時の煙や熱を感知し、警報音や音声で知らせてくれる機器です。
消防法により、全国一律で設置が義務付けられています。
新築住宅は2006年6月1日から、既存住宅も市町村条例の規定によって設置が義務化されています。就寝中の逃げ遅れを防ぐことが主な目的のため、寝室や階段への設置が必須です。
台所への設置は義務ではありませんが、火災発生のリスクを考慮し、設置することが望ましいとされています。
設置場所は、天井または壁面で、エアコンの吹き出し口や換気口から1.5m以上離し、ストーブなどの熱や煙の影響を受けない位置を選びましょう。
住宅用火災警報器は電池切れや電子部品の劣化により、設置から約10年で交換が推奨されています。
定期的にボタンを押したり、ひもを引いたりして作動確認を行い、ホコリが付着しないよう清掃することも重要です。
消火器の設置と正しい使い方
初期消火は火災の被害を最小限に抑えるために非常に重要です。
家庭への消火器設置は義務ではありませんが、万が一に備えて設置を強くおすすめします。
住宅用消火器は、一般家庭で使いやすいように開発されており、軽量で操作も比較的簡単です。
消火器には「普通火災(A火災)」「油火災(B火災)」「電気火災(C火災)」など、適応する火災の種類があります。
家庭では、これら全てに対応できる粉末タイプが一般的で万能型とされています。
天ぷら油火災には冷却効果・浸透性に優れた液体(強化液)タイプも有効です。
消火器の正しい使い方は以下の通りです。
- 火元から2~3m程度離れた安全な場所に運び、レバーの下側を持ちます。
- 黄色の安全栓を引き抜きます。
- ホースを火元に向け、炎の上部ではなく根元を狙います。
- レバーを強く握り、消火剤を噴射します。放射時間は10~15秒程度です。
消火活動を行う際は、必ず避難経路を確保し、初期消火が困難だと判断した場合は速やかに避難しましょう。
地震火災への備え
大規模な地震が発生すると、同時に多くの場所で火災が発生し、消火活動が困難になることがあります。
特に、2011年の東日本大震災では、原因が特定された火災の過半数が電気に起因するものでした。
地震火災を防ぐためには、以下の対策が有効です。
- 感震ブレーカーの設置: 地震の揺れを感知して自動的に電気を遮断し、「通電火災」を防ぎます。
- 家具の転倒防止対策: 家具が転倒して電気コードを損傷させたり、可燃物に接触したりすることを防ぎます。
- 暖房器具周辺の整理整頓: ストーブなどの暖房器具の周囲には燃えやすいものを置かないようにしましょう。
- 避難時のブレーカー遮断: 停電からの復旧時に起こる通電火災を防ぐため、避難する際にはブレーカーを落とすことが重要です。
- 住まいの耐震性確保: 建物自体の耐震性を高めることも、地震による被害を軽減し、結果的に火災リスクを低減します。
避難経路の確保と非常持ち出し品の準備
万が一火災が発生した場合に備え、家族で避難経路を確認し、定期的に避難訓練を行いましょう。
特に、夜間や就寝中の火災を想定した訓練は重要です。
また、非常持ち出し袋を準備し、いつでも持ち出せる場所に置いておくことも大切です。
日頃からできる火災予防の習慣
火災の多くは、日頃のちょっとした不注意や火の不始末から発生しています。
消防庁が発表したデータによると、たばこ、たき火、こんろが主な出火原因の上位を占めています。
以下の習慣を心がけ、火災リスクを低減しましょう。
| 火災原因 | 具体的な予防習慣 |
|---|---|
| たばこ |
|
| こんろ |
|
| 電気器具・配線 |
|
| 暖房器具(ストーブなど) |
|
| 放火 |
|
| その他 |
|
これらの対策は、火災保険だけではカバーできない「命」や「かけがえのない思い出」を守るために不可欠です。
火災保険の見直しを機に、ご家庭の防火対策全体を見直す良い機会と捉え、安心・安全な暮らしを実現しましょう。

まとめ
火事が多い季節があることを知り、そのリスクに適切に備えることは、大切な住まいと財産を守る上で非常に重要です。
特に空気が乾燥し、暖房器具の使用が増える冬場や、落雷や台風による被害が懸念される季節など、特定の時期には火災のリスクが高まる傾向にあります。
このような「もしも」の事態に備えるため、火災保険の見直しは今すぐ行うべき重要な対策です。
現在の契約が、建物や家財の適切な補償額になっているか、地震保険や水災・風災といった自然災害への特約が十分か、そして免責金額の設定がご自身の状況に合っているかなど、多角的に確認することが求められます。
見直しは決して難しいことではありません。
まずは現在の保険証券を確認し、不明な点があれば複数の保険会社を比較検討したり、保険のプロフェッショナルに相談したりすることで、ご自身に最適なプランを見つけることができます。
火災保険の見直しと並行して、日頃からの火災予防や防災対策も忘れてはなりません。
火災報知器の点検、暖房器具の安全な使用、コンセント周りの清掃など、小さな習慣が大きな被害を防ぐことに繋がります。
火事が多い季節を迎える前に、火災保険の見直しと防災対策を徹底し、万全の備えをしておくことで、安心して毎日を過ごすことができます。
大切なご家族と財産を守るためにも、この機会にぜひ行動を起こしましょう。

