一覧に戻る

平屋は実はコストが割高になることも?屋根・基礎が広がる分、坪単価が高くなる傾向を解説

 

平屋住宅は人気ですが、実は屋根や基礎が広がる分、坪単価が高くなりコストが割高になるケースがあります。本記事では、平屋のコスト構造や割高となる理由、二階建て住宅との比較、コストを抑えるポイントまで詳しく解説し、理想的な住まい選びの判断材料を提供します。

目次

 平屋とは何かとその人気の理由

 平屋住宅の定義と特徴

平屋住宅とは、階段や二階がなく、全ての生活空間がワンフロアに集約された住宅です。建物の全体が一層のみで構成されているため、バリアフリー性が高く、ライフステージが変わっても住みやすい点が大きな特徴です。また、天井高を確保しやすく、リビングから庭やテラスへのつながりを感じやすいなど、空間の広がりも魅力の1つです。

 近年の平屋人気の背景

なぜ今、平屋が注目されているのでしょうか?近年では、子どもの独立後や老後も長く快適に暮らしたいというニーズの高まりや、シンプルでミニマルな生活スタイルが注目されるようになったこと、また

  • 核家族化の進行
  • ワークライフバランス重視のトレンド
  • 地震や災害時の安全性

 平屋住宅のメリット・デメリット

平屋住宅は多くのメリットがある一方で、注意すべきポイントも存在します。以下の表に主なメリットとデメリットを整理しました。

メリット デメリット
階段移動が不要でバリアフリー性が高い 同じ延床面積の場合、広い土地が必要
生活動線がシンプルで家事効率が良い 屋根・基礎が広範囲になるため建築コストが上昇しやすい
将来のリフォームや増築がしやすい プライバシーの確保に工夫が必要な場合がある
耐震性・耐風性が高い傾向 周囲の建物や外部からの視線への配慮が課題
ワンフロアで冷暖房の効率が高い 日当たりや風通しを意識した設計が必要

 平屋が支持されるライフスタイル・家族構成

平屋住宅は、多様な世帯構成の方々から選ばれています。たとえば、高齢者世帯や子育て世帯、共働き夫婦、ペットと暮らすための住宅を求める人々など、段差のない安全性・コミュニケーションのとりやすさを重視する方の間で支持されています。
現在は、終の棲家としてだけでなく、若い世代からも「無駄のない暮らし」や「将来のメンテナンス負担軽減」を目的に選ばれています

 都市部と郊外での平屋選択の動向

都市部では土地価格の高騰や敷地面積の制約から従来は二階建てが主流でした。しかし、住宅地の再開発や郊外への移住志向の高まりで、平屋の新築件数が増加しています。特に郊外や地方都市では、庭付きのゆとりある暮らしを求めて平屋住宅が選ばれるケースが目立っています。

 

 

 平屋住宅のコスト構造について

 一般的な住宅の坪単価と比較

一般的に住宅の建築費を考える際には「坪単価」が比較指標として用いられます。平屋住宅は、二階建て住宅と比較して坪単価が割高になる傾向があります。この差はなぜ生じるのでしょうか。下記の表に、戸建住宅の種類ごとの平均坪単価の概算例を示します。

住宅タイプ 平均坪単価(万円/坪) 備考
二階建て住宅 65〜80 延床面積を増やしやすい
平屋住宅 70〜90 屋根・基礎が床面積分必要

このように、平屋住宅では同じ延床面積でも、二階建てより坪単価が高めに設定されることが一般的です。建物の構成によるコストの違いが、結果として坪単価の差となって現れます。

 屋根面積が広がることによるコスト増加

平屋住宅は、建物全体の屋根面積が広くなるという特徴があります。二階建てであれば2階部分の床が1階の屋根の役割も果たすのに対し、平屋は全ての延床面積の上に屋根を設置する必要があるためです。そのため、屋根材・防水シート・垂木・断熱材など屋根構造に関わる資材費や工事費が増大します。

また、屋根の形状にもよりますが、面積が大きくなる分、ガルバリウム鋼板や瓦・太陽光パネルを設置する場合の費用も上昇しやすい傾向にあります。加えて、施工手間も増すため、屋根工事にかかる人工(にんく)コストも高くなるのが現状です

 基礎部分が広く必要になる影響

平屋は、全ての部屋がワンフロアにまとまる構造上、基礎コンクリートおよび土台となる面積も建物の延床面積分だけ広く取る必要があります。これにより、基礎工事の材料費・鉄筋コンクリート量・施工日数が自ずと増加します。

基礎工事費の算出は、建物の形状や地盤状況によっても異なりますが、おおむね平屋のほうが基礎にかかる費用割合が高くなります。下記の表で、一般的な基礎工事にかかる概算費用例を比較します。

住宅タイプ 基礎延べ面積(m²) 基礎工事費(万円)
二階建て住宅
(延床30坪/約100m²)
約50 100〜150
平屋住宅
(延床30坪/約100m²)
約100 150〜200

同じ延床面積でも、平屋では基礎面積が二階建ての約2倍となり、その分基礎工事コストも増大することが分かります。また、地盤改良などが必要な場合、この費用差はさらに広がる可能性があります。

 

 平屋が割高になる主な理由を詳しく解説

 建築資材と工事費の違い

平屋住宅が割高になりやすい大きな要因の一つは、「建築資材」と「工事費」の違いです。2階建て住宅と同じ床面積を確保しようとすると、平屋は建物の横幅が広くなります。そのため、屋根材や外壁材、基礎工事に必要なコンクリートや鉄筋の量が増加します。これに伴い、現場での作業手間や時間も多くなり、工事費が上がることが一般的です。

とくに、屋根や基礎は建築物の耐震性・耐久性を左右する重要部分のため、コストを削減しにくいポイントです。また、平屋では外周が広くなるため、外壁材の使用面積も大きくなり、外壁工事費も高くなります。

坪単価が高くなる主な要因概要
項目 平屋 2階建て
屋根面積 大きい 小さい
基礎面積 大きい 小さい
外壁面積 大きい 小さい
工事費 増加傾向 抑えやすい

 土地面積の確保が必要

平屋住宅は1フロアで間取りが完結するため、同じ延床面積の場合、2階建て住宅より広い土地が必要です。そのため、都市部や駅近など、地価が高いエリアでは平屋を建てようとすると土地代が大きな負担となります。

例えば、35坪や40坪といった一般的な4人家族向けの間取りを採用する場合、それなりの土地の広さが求められ、駐車スペースや庭を設ける場合、より広い敷地が必要になります。土地代はエリアによって大きく異なり、地方では比較的安価に平屋を建てられますが、都市部では土地費用だけで2階建てより大幅に高くなるケースも少なくありません。

平屋に必要な土地面積の例
用途 広さの目安 土地価格例(都内・近郊)
延床30坪 約50~60坪以上 3,000万~7,000万円
延床40坪 約65~75坪以上 4,000万~9,000万円

このように、広い土地を確保するコストが、平屋住宅の坪単価を押し上げる一因となります。

 

宮﨑市内の最新の土地情報はこちら

 平屋特有の設計・間取り上の課題

平屋はワンフロアで全ての機能をまとめる設計上の制約があり、建築コストにも影響を及ぼします。動線を短縮しながら各部屋に自然光や通風を十分に確保するため、廊下の幅を広くしたり、中庭・パティオ・吹き抜けを導入するケースもあり、そのための構造材や開口部の断熱・防犯性能を高める必要が生じます。

また、個人のプライバシーを守るための間取りやセキュリティ対策として、窓や外扉などの開口部が増え、サッシやシャッター、外構施工など付帯工事費もかさみやすい傾向にあります。さらに、天井高を高く設計した場合には断熱・空調のコストも加算されやすいです。

平屋における設計・間取り上の特徴とコスト影響
要素 メリット コストへの影響
開口部増加 採光・通風の確保 サッシ・断熱・防犯費用増
中庭・パティオ プライバシー確保・光の取り入れ 構造材・外構費用増
動線設計 バリアフリー・移動しやすさ 廊下面積増加による床・壁のコスト増

このように、平屋の設計には独自の工夫と追加コストが避けられず、それがトータルの建築費用や坪単価の上昇につながります

 

 平屋のコストパフォーマンスを考える

 平屋にかかる初期費用の内訳

平屋住宅を建てる際の初期費用は、「本体工事費」「付帯工事費」「諸費用」に大別できます。二階建てと比較した場合、平屋は屋根・基礎が広く必要なため、それぞれのコスト比率が高まる傾向にあります。下表は一般的な平屋建築のコスト内訳の例です。

項目 平屋(30坪の場合) 二階建て(30坪の場合) ポイント
本体工事費 2,800万円 2,600万円 基礎・屋根が比例して増加
付帯工事費 250万円 220万円 外構や給排水も面積に比例して増加
諸費用 150万円 150万円 大きな差はなし

平屋の場合、特に初期費用のうち「屋根」と「基礎」の部分が大きな割合を占めていることが分かります。また、土地の広さによっては造成費や外構工事費も大きく変動することに注意が必要です。

 メンテナンスや光熱費の違い

平屋の維持管理における特徴として、メンテナンス性や光熱費の違いが挙げられます。ワンフロアで生活する平屋は、屋根や外壁の点検・補修が外部足場なしで行いやすく、将来的な修繕コストを抑えやすいというメリットがあります。一方で、屋根や外壁面積が広くなるぶん、塗装や防水などメンテナンス対象も増えるため、長期的にはある程度まとまった修繕費用が必要となります。

また、光熱費については間取りや窓配置による影響が大きいものの、階層による温度ムラが生じにくく、冷暖房効率を高めやすい傾向があります。適切な断熱性能や気密性能、設備の導入により、ランニングコストを抑えることも十分可能です。

 メンテナンス・光熱費の比較例

項目 平屋 二階建て 特徴
外壁・屋根塗装 約150万円(全面塗装) 約120万円(足場費込み) 足場不要だが塗装面積増
冷暖房効率 高い 部屋・階層でばらつく ゾーニングが容易
点検・補修 容易 足場が必要な場合が多い 外部設備へのアクセス性

 長期的なライフサイクルコスト

住宅の本当のコストパフォーマンスは、建築時の費用だけでなく、その後の維持管理費・修繕費や省エネ効果など、ライフサイクル全体で考えることが重要です。平屋住宅の場合、老後のバリアフリー性や将来的な介護負担の軽減といった「暮らしやすさ」にも価値があります。

また、段差が少なく一体化した空間により、将来的なリフォームや間取り変更の自由度が高まる点もポイントです。結果として、ライフステージの変化や家族の構成が変わった場合でも柔軟に対応でき、長く快適に住み続けられることが、長期的な資産価値につながります。

このように、平屋の割高とされる坪単価は、単なる初期費用だけではなく、その後の生活コストや将来的な価値も含めて判断することが大切です

 

 割高な坪単価を抑えるためのポイント

 無駄のない設計プランを選ぶ

平屋住宅で発生しやすいコスト増加を回避するためには、できる限り無駄を省いた設計プランを採用することが重要です。
動線を最小限に抑えたコンパクトな間取りや、廊下やホールなどの面積を減らすことで、建築コスト全体が抑えやすくなります。また正方形や長方形などシンプルな形状の建物は、外壁や屋根の面積を効率的に使えるため、資材の無駄が少なくなりやすい特徴があります。

設計段階で「どの部屋をどの大きさで、どこに配置するか」を慎重に検討し、家族構成や将来的なライフスタイルを見据えた空間計画を立てることも坪単価の抑制につながります。
一級建築士や経験豊かな工務店と相談しながら、必要最小限の面積で快適な暮らしができる間取りを模索しましょう。

 

土地選びの工夫

平屋の建築には二階建て以上に広い敷地が必要となるため、土地コストの占める割合が大きくなりがちです。しかし、土地の選び方や活用方法ひとつで、全体のコストを圧縮できる場合があります。

例えば、都市部の駅近や人気エリアを避け、郊外や地方都市で土地価格が比較的安く、なおかつ建築条件の緩やかな分譲地を探すことで、平屋でも無理なく広い敷地を確保できます。
また、間口の広い整形地よりも、旗竿地や変形地をうまく活用できる設計力のある業者に依頼することで、土地代を抑えられる場合もあります。

土地タイプ メリット 注意点
郊外・地方の分譲地 土地価格が安い、広さが確保しやすい 近隣環境や交通アクセスを要チェック
旗竿地・変形地 土地費用を抑えやすい、工夫次第で快適空間を確保 採光やプライバシーへの配慮が必要
農地転用地 広い土地で価格優位、家庭菜園や駐車スペースに余裕 転用手続きやインフラ整備に追加費用がかかる場合あり

土地探しの段階から、設計士や不動産会社と密に連携し、将来的な固定資産税や利便性も見据えてコストを総合的に判断することが大切です。

 二階建て住宅と平屋のコスト比較

 施工費・坪単価の違い

二階建て住宅と平屋とでは、建築にかかる費用や坪単価に明確な違いが生じます。特に平屋は、屋根面積や基礎部分が広範囲に広がるため、その分、建材費と施工費が嵩みやすく、坪単価が割高になる傾向があります。一方で同じ建築面積の場合、二階建て住宅はコンパクトに建てられるため、総施工面積が抑えられ、坪単価も比較的低く収まりやすいのが特徴です。

住宅タイプ 建築坪単価の目安
(万円/坪)
主なコスト要因
平屋 70~100 屋根・基礎が広範囲、構造強度への配慮、土地面積の確保が必要
二階建て 60~85 屋根・基礎が抑えられる、上下移動に必要な階段スペース

このように、同じ延床面積を持つ場合でも、平屋の方が一般的に10%~20%前後坪単価が高くなる傾向があります

 住宅性能や断熱性能との関係

平屋と二階建てでは、断熱性能や省エネ性にも違いが生まれます。平屋は広く外気と接するため、断熱性能を高めるには壁や屋根、床などの外皮全体の強化が必要です。一方で二階建て住宅は、外壁や屋根などの「外皮」が相対的に少なくなる傾向があり、同じ延床面積であれば断熱材の使用量や冷暖房負荷が抑えやすい構造となっています。

そのため、ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)や長期優良住宅など、エネルギー効率や断熱性能が求められる住宅規格で比較した場合も、平屋の方が初期投資やランニングコストが高くなる場合があります。ただし、プランニングや工夫次第で性能差を縮めることも十分可能です。

 建築期間や工期の違い

二階建て住宅は構造が複雑になりやすく、その分工期が長引くケースも見受けられます。一方、平屋はワンフロア構成のため施工効率が高く、工事が比較的スムーズに進む傾向があります。しかし、前述した通り屋根や基礎工事の面積が広くなるため、結果的な建築期間に大きな差が出にくいのも事実です。

 土地面積・敷地条件による総コスト比較

平屋を建築するためには十分な敷地面積が必要であり、『建物+駐車スペース+庭』を確保したい場合、都市部や地価の高い地域ではトータルの費用が膨らみやすくなります。それに対して二階建て住宅の場合、同じ敷地面積でも延床面積を確保しやすいため、土地取得費用や造成費用を抑えやすいというメリットが挙げられます。

項目 平屋 二階建て
必要土地面積 広い(1階で全てを収容する必要あり) 狭くても可能(2階部分で延床を確保)
土地取得費 高くなりやすい 安く抑えやすい
設計・プラン自由度 バリアフリーしやすい 階段など動線に制約あり

 税金や各種法的コストの違い

建築物の高さや容積が都市計画や建築基準法の規制に及ぼす影響にも違いがあります。二階建ての場合、建ぺい率や容積率を有効活用しやすい反面、平屋は広い土地が必要となるため、固定資産税や都市計画税などの税負担もその分増える場合があります。

 ライフサイクルで見た場合のコスト比較

初期費用だけでなく、長期的な維持管理・メンテナンスコストを考えた場合、平屋は足場不要の外壁メンテナンスや屋根修理がしやすいメリットがあります。一方で二階建て住宅は、外壁塗装や屋根修繕に足場費用が発生するため、数十年単位のライフサイクルコストで考えた場合、平屋の方が有利になる場面もあります。また、構造的に階段の上り下りがないため、将来の手すり設置工事やバリアフリー化が容易な点もライフサイクルコストに影響します。

 まとめ:ライフスタイルとコスト、両面からの納得できる選択を

二階建て住宅と平屋では、初期費用・土地取得費・坪単価・建物性能・将来的なメンテナンスコストなど、さまざまな視点でコスト構造の違いが現れます。家族構成やライフプラン、土地の条件、住宅性能へのこだわりなどを含め、総合的な視点から最適な住まい選びを考えることが大切です。

 それでも平屋を選ぶメリット

 バリアフリーによる圧倒的な安心感と将来性

階段がないため、家族全員が安全に暮らせる点は、平屋住宅の最大のメリットです。小さなお子様やご高齢の方、車いす利用者も含めて、段差のないフラットな空間で日々の移動がストレスフリーになります。将来的にリフォームや介護が必要になった場合にも、バリアフリー設計が活かされ、永く快適に住み続けられる住まいとなります。

 家族の気配を感じやすい一体的な設計

生活空間がワンフロアで完結するため、家族間のコミュニケーションが自然とかたちづくられるのが平屋です。リビング・ダイニング・キッチンが一直線、またはL字等で設計しやすく、家事動線や生活動線も効率的です。「お互いの気配が感じ取れる安心感」や「家族一体感」を求める方には大きな魅力といえます。

 自由度とアレンジ力が高い間取りプラン

二階建てと比較して構造の制限が少なく、オープンな空間設計や大きな吹き抜け、勾配天井、庭と一体化したウッドデッキなど、自由な間取り・デザインを実現しやすいのも平屋ならではのメリットです。

平屋の設計で実現できる特徴的な空間 メリット
大空間リビング 構造的制約が少なく、広く開放感のあるLDKが作れる
中庭や坪庭 中と外がつながる空間でプライバシーも確保しやすい
勾配天井・ロフト 天井を高くしたり、収納や趣味空間のロフトも設けやすい

 屋外空間と自然と一体化できる暮らし

一階だけの設計だからこそ、東西南北どの方角からもしっかり光や風を採り込めるため、全室が庭に面した明るく開放的な空間づくりも可能です。ウッドデッキやテラス、中庭などとの一体感を持たせた設計で、外とのつながりを毎日の暮らしの中で実感できます。

 メンテナンスや掃除・家事が格段にラクになる

ワンフロアでの生活は日々の掃除や換気、庭の手入れも効率的です。窓ふきや外壁のメンテナンスも高所作業が不要なため安全かつコストダウンも可能です。将来的なリフォームや増築の際にも、二階建てより自由度が高く、工事の負担が比較的少ないのが特徴です。

 耐震性能と安心感

建物の高さが抑えられているため、重心が低くなり耐震性に優れるのも、災害が多い日本においては大きな利点です。実際に多くの住宅メーカーが、耐震等級3の高性能な平屋商品を展開しています。

 住宅ローンや固定資産税、将来的なコストの見通し

必要以上に大きすぎる土地でなければ、シンプルでコンパクトな設計にすることで、ローンの返済や維持管理費も長期で見れば抑えやすい傾向があります。固定資産税の額も、土地評価のバランス次第で二階建てと大きく変わらない場合も多いので、十分な情報収集とプランニングが平屋計画の成功の鍵となります。

 平屋住宅に向いているライフスタイルや家族構成

子育て世帯やシニア世帯、二世帯同居、趣味や仕事の部屋を多目的に配置したい方など、多彩なニーズにフィットしやすいのが平屋住宅です。とくに将来を見据えた終の棲家(ついのすみか)として計画されることも多く、生涯にわたり暮らしやすさや満足感を維持しやすいというメリットがあります。

 

まとめ

平屋住宅は、屋根や基礎が広がるため坪単価が高くなりがちで、建築資材や工事費、土地面積の点で割高となるケースが多いことが分かりました。しかし、バリアフリー性やメンテナンスのしやすさ、将来の暮らしやすさなど、コストを上回るメリットも多く存在します。コストを抑える工夫を取り入れた上で、自分たちの理想の住まいを実現するために慎重に検討しましょう。