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世界展示会 工場視察

中国大学院 建築講義中国

建築学校で日本の建築について講演させて頂きました。
日本の木造建築の大工技術を勉強したいという内容です。

撮影:佐藤建設株式会社

🌏 海外報告|中国大学院での “日本の木造建築” 講義を通して

① 講義の背景と目的

  • 当社 佐藤建設株式会社 は、このたび中国の建築学校で、「日本の木造建築と大工技術」をテーマに講義を行いました。

  • 内容は、日本の伝統的な木造工法や、大工による手刻み技術・継手・仕口、木組みの思想などを紹介するもので、海外の学生・建築関係者に対して“日本らしい住まいづくり”の考え方と技術を伝える貴重な機会となりました。

  • このような講義を通じて、日本の木造建築の良さ、そしてその根底にある手仕事・素材・構造の価値を国際的に共有することを意図しています。


② 講義内容と紹介したポイント

■ 日本の木造建築の基本構造と木組みの思想

講義では、木造住宅の柱・梁・土台の構造、伝統的な継手・仕口、耐震・可変性を見据えた木組みの設計思想などを紹介。

特に、単なる“材料としての木”ではなく、“木の特性を生かした構造”――木の呼吸、収縮・膨張、湿度変化への対応、年月とともに味わい深くなる素材感――を大切にする日本の工法の強みを伝えました。

■ 大工技術・手刻みの実際と“ものづくりの文化”

いわゆるプレカットに頼るだけでなく、大工自身の手で木を刻み、構造を組み上げる“手刻み木造”の技術と意義を解説。

さらに、木材の選別、加工、組み立て、納まりの細やかさ――それらが住まいに与える“質感”“居心地”“耐久性”を、目と感覚で理解してもらうよう努めました。

■ 日本の住まいづくりの思想:自然・季節・環境との調和

日本の気候風土を踏まえ、四季の移ろいや自然環境と調和させる住まい設計――例えば、風通し、湿度管理、照明、素材の呼吸など――の重要性を議論。

木造建築を単なる“構造物”としてではなく、“人と自然が共に生きる場”として捉える考え方を紹介しました。


③ 我々が得た価値と意義

  • 日本の木造技術を国際発信
     日本の伝統技術や木造建築の良さを、海外の建築学校・学生に直接伝えることで、文化の共有・理解の輪を広げられたこと。

  • 木造建築の強み・可能性の再確認
     構造としての信頼性、素材としての心地よさ、環境との共生――改めて「木造住宅」の魅力と有効性を見直す機会になりました。

  • 国際的な視野での設計思想の拡張
     異なる地域・文化の人々に日本の建築を伝えるなかで、「固定観念にとらわれない設計」「素材・構造・気候・文化を含めた総合デザイン」の重要性を再認識。

  • 弊社の立ち位置を“技術と思想の継承者”として示す契機
     単に家を建てる会社としてではなく、「伝統技術の継承者」「本質的な住まいづくりを追求する集団」としての姿勢を、国際的にも表明できた点に価値を感じています。


④ 今後の家づくりへの応用・展望

この学びをもとに、今後の住宅提案・設計で以下のような方向性を検討しています:

  • 日本の木造技術と現代的な設計を融合させた住まい。例えば、木組み+現代的レイアウトの組み合わせ。

  • 気候・風土を考慮した自然素材の住宅――素材の質感と経年変化を活かした家づくり。

  • 住宅の構造・仕上げだけでなく、「住まいの思想」「暮らしの価値観」をお客様と共有できるような設計提案。

  • 海外との技術交流や情報発信の継続 ― 伝統技術をアップデートしつつ、広く届けるチャネルの確保。


📝 まとめ

中国大学院での講義は、単なる海外活動ではなく、私たちにとっても大きな学びと挑戦でした。日本の木造建築、大工技術、住まいの思想――それらを改めて考え直し、国際的な文脈で見つめ直す機会となりました。

佐藤建設は、これからも 「技術」「思想」「デザイン」を統合した住まいづくり を追求し、日本の木造建築の良さを大切にした家づくりを進めてまいります。