ノートルダム・ド・セナンク修道院フランス ゴルド
ロマネスク様式の石造りの建築物。
セナンコル川の流れる渓谷内にあります。
美しいラベンダー畑が有名です。
撮影:佐藤建設株式会社 佐藤光輝

































海外視察レポート|ノートルダム・ド・セナンク修道院 視察
— 静寂と石がつくる「本質的な空間」
① 視察の背景と場所
南フランス・プロヴァンス地方、ゴルド近郊の谷あいに佇むノートルダム・ド・セナンク修道院を視察しました。12世紀に建立されたシトー会修道院で、周囲のラベンダー畑と石造建築が織りなす風景は、装飾を極限まで削ぎ落とした精神性を今に伝えています。
② 建築の特徴|「削ぎ落とす」ことで生まれる強度
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石造の量感と比例
厚みのある石壁、低く抑えられた天井、単純明快なプロポーション。視線は自然と奥へ導かれ、空間に重心の低い安定感が生まれています。 -
光の設計
開口は最小限。直接光ではなく、反射光・拡散光が石肌を撫でることで、時間帯ごとに表情が変化します。 -
素材の一貫性
石・木・素焼きの床。素材を限定することで、触感と温度感が空間体験の核になります。
③ 回廊と内部空間|沈黙がデザインになる
中庭を囲む回廊は、歩行のリズムと柱の反復が心拍に同調するような設計。装飾に頼らず、寸法・反復・影だけで場の質を高めています。内部礼拝空間でも同様に、音が吸われ、言葉よりも気配が際立つ構成でした。
④ 視察から得た示唆(住宅設計への転用)
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引き算の設計:要素を減らすほど、比例・素材・光の精度が問われる。
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光は“量”より“質”:直射を避け、反射・間接で時間を表現する。
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素材を限定する勇気:少数素材の反復が、空間の記憶を強める。
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静けさの価値:視覚情報を抑えることで、暮らしの集中度が上がる。
⑤ まとめ
ノートルダム・ド・セナンク修道院は、贅沢=付け足しという常識を覆し、本質=削ぎ落としで成立する空間の力を教えてくれました。
住宅においても、光・比例・素材の精度を高めることで、日常はもっと静かで豊かになります。
この視察で得た「引き算の思想」を、住まいの設計に確かに落とし込んでいきます。