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世界街並み視察

ヴァンヴの蚤の市パリ 中心部

早朝七時から一般の方も含めて出展しています。
日本で言うフリーマーケットです。
アンテイーク品や家具など沢山あります。

撮影:佐藤建設株式会社 佐藤光輝

海外視察レポート|ヴァンヴの蚤の市(Marché aux Puces de Vanves)視察 — パリ中心部

―― 人とモノ、時間の交差する「暮らしの記憶」の場を歩く


① ヴァンヴの蚤の市とは — パリの暮らしと文化

 

「ヴァンヴの蚤の市(Marché aux Puces de Vanves)」は、パリ南部ヴァンヴ地区で毎週末開催される大規模な蚤の市(フリーマーケット)です。


地元の人々から観光客まで、多彩なモノが並ぶマーケットとして人気があり、家具・雑貨・古着・古本・雑貨・レトロなインテリアパーツなど、幅広いジャンルの“暮らしの品”が出品されています。

この蚤の市は単なる「モノの集合」ではなく、

  • 時代を超えて受け継がれてきたモノ

 

  • 古いものに新たな価値を見出す文化

 

  • 人と人をつなぐ場

  • として、パリの暮らしの一部になっています。

 

 


② 視察で見た光景 — モノの奥にある“暮らしの痕跡”

🪑 古い家具・照明・工芸品

多数のブースに並ぶのは、

  • 使い込まれた木製家具

  • 真鍮や鉄の照明器具

  • ファブリック張りのチェア

  • など、長年使われてきたモノたち。

 

これらはただの「アンティーク」ではなく、
過去の暮らし・使い手の時間・職人の仕事が刻まれた痕跡です。

一見すると“古いもの”であっても、
その質感・素材・ディテールは、
現代の住まいに置いたときにも“心地よさ”を残す可能性を持っています。


🧵 布・ファブリック・小物

 

蚤の市には、古いテキスタイル、ボタン、布片、ランプシェードの生地なども多く見られます。


こうした素材は、住宅インテリアのアクセントとして、

  • 家具の張り替え

  • クッションやカーテン

  • 壁面装飾
    などに再利用できるヒントを与えてくれます。

 

古い素材をそのまま使うだけではなく、「新しい用途を与える発想」がデザインの幅を広げます。


📚 古書・紙もの

 

古書・ポストカード・ラベル・雑誌など、紙ものも充実しています。


単なる“読み物”としてではなく、
空間の記憶・ストーリーを語る素材として、ディスプレイやアートワークに活かすアイデアが見られました。


③ 蚤の市から感じた文化的価値

 

📍 物の“時間性”を受け入れる空間

ヴァンヴの蚤の市では、物ひとつひとつに歴史が宿っています。それは、

  • 時代を経てきた素材の質感

 

  • 壊れた痕や修復の跡

 

  • 使い手の生活パターン

 

といった「時間の積層」です。

これは建築にも共通する価値になります。


例えば住宅設計で素材を選ぶ際、

  • 新築時の見た目
    だけでなく

 

  • 年月が経ったときの佇まい
    を想像できることは、
    長く愛される住まいをつくるうえで重要です。

 


🧠 再利用・リ・デザインという視点

 

蚤の市でモノを選ぶ人々の姿は、単なる買い物ではありません。
彼らは


「古いものを自分仕様に再生する」


という視点で、素材や形状を読み解いています。

この発想は、

  • リノベーション設計

 

  • 既存ストックの活用

 

  • サステナブルデザイン
    にもつながります。

  • 素材や家具を“使い捨て”ではなく、
    価値あるものとして再定義する視点が、これからの住宅設計にも必要です。


④ 住まいづくりへのヒント

 

視点 示唆・応用アイデア
素材の記憶を活かす 古い素材をそのまま置くだけでなく、「現代の暮らしに合わせて再解釈」することで、空間に味わいが生まれる。
ストーリーを設計する 家具や小物に「誰のものだったか?」という問いを加えることで、住まいに“物語”を宿す。
サステナブルな暮らし 壊す・捨てるではなく、使い続ける・再生する視点は、設計と暮らしの質を高める。
パーソナルな空間づくり 既製デザインではなく、「選び抜いた素材・家具でつくる空間」こそ、住む人の個性を映し出す。

📝 まとめ

 

ヴァンヴの蚤の市視察は、
物そのものの魅力だけでなく、「時間・人・暮らし」を含めた空間の価値を体感する機会でした。

単なるモノを見るだけでなく、

  • 古い素材が語る時間

 

  • 再利用のための視点

 

  • 暮らしへの落とし込み方

 

という多くの学びを得ることができました。

モノや空間には必ず「痕跡」があります。


それを読み解き、設計やインテリアに活かすことこそ、
真の豊かな住まいづくりにつながると感じた視察でした。