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世界街並み視察

ワインレッド ボルドー色フランス ボルドー地方 散策

ボルドー色であるワインレッド。
ボーダーや雨戸扉に塗装。景観を崩さないようにまとまっています。

撮影:佐藤建設株式会社 佐藤光輝

海外視察レポート|ワインレッド(ボルドー色)とフランス・ボルドー地方の街並み散策

 


① ボルドー地方 — 景観と色の調和

 

フランス南西部に位置する ボルドー地方(Bordeaux) は、世界的に名高いワインの産地として知られる一方で、都市としても歴史的建築が美しく保存されている街です。

今回の散策視察では、特に ボルドー地方で感じられる色彩の豊かさ — とりわけ「ワインレッド(ボルドー色)」と周囲の建築との調和について観察しました。

ボルドーは旧市街全体が歴史的建造物で構成されており、その大部分が 19世紀に整備された石造建築の景観 です。建物の色合いと素材感が統一され、歩く人の視線や時間の流れに寄り添う街並みになっているのが特徴です。


② ワインレッド(ボルドー色)とは?

 

「ボルドー色」は、ワインの色合いを象徴する深い赤色です。


この色は、地域のワイン文化と密接に結びつき、街の一部にも視覚的な影響を与えています。

視察時に特に印象的だったのは、

  • 窓枠や扉

 

  • シャッター

 

  • 一部の外装装飾
    などに見られる ワインレッド系の色使い が、
    重厚な石造建築の淡いベージュ〜グレーの背景と対比して、美しいアクセントとして成立している点です。

 

この「濃色 × 霞んだ背景色」のバランスは、街全体の色調を落ち着いたものにしながら、視覚的な深み をつくり出しています。


 

③ 散策で見られた色彩と建築の関係

 

 

🧱 建物の素材と色の統一感

ボルドーの旧市街は、主に 淡いサンドストーン(黄色みを帯びる石) で統一されています。


この素材自体が柔らかい印象を残し、ワインレッドのような濃色が 程よい引き締め役 として機能しています。

  • 石素材の自然な色味

  • 木製建具の塗装色(レッドやグリーン)

  • 鉄製金物の黒・ダークカラー
    これらが互いに調和し、視界に入るすべての色が 落ち着いた“時間の色” として感じられました。

 


🪟 窓まわりのアクセントカラー

 

散策中、ワインレッド系が使われている箇所は以下のような場所で見られました。

  • シャッターや扉:深い赤色が空間の入口としての存在感を強める

 

  • 鉄柵や装飾金物:黒や濃色との組み合わせで視覚的に空間を引き締める

 

  • 屋根瓦・バルコニー詳細:赤茶系のニュアンスが背景の石材と美しく調和

 

こうした色合いは、ただの装飾色ではなく、
建築・素材・街並みとの対話として使われていることが分かりました。


④ 色彩の意味と暮らしの感覚

 

ボルドー地方で見られる「ワインレッド(ボルドー色)」は、
単なる“ワインの象徴色”であるだけでなく、

  • 歴史と文化の象徴

  • 視覚的なアクセント

  • 素材と時間の調和

という意味を持っています。

淡い背景色と濃色の対比は、街並みに

  • 深み

  • 落ち着き

  • 優雅さ
    をもたらし、
    色遣いが空間体験に寄与している 点が印象的でした。

 


⑤ 住まいづくりへの示唆

 

今回の視察で学んだ色彩と建築の関係性は、住宅設計にも多くのヒントを与えてくれます。

視点 設計・提案への気づき・応用例
色の対比による表情づくり 背景色(ベース)と濃色アクセントの関係性で、建物の印象をコントロールする
素材の色味を活かす 自然素材の色を基準に、塗装色や金物色を選ぶことで調和を図る
地域色を反映した提案 その土地らしい色彩感を住まいにも取り入れることで、街並みに馴染む設計が可能
視線誘導としての色づかい 開口部・入口・フォーカルポイントに濃色を配置することで、視覚的に軸をつくる

📝 まとめ

 

ボルドー地方の街並み散策を通して、


「ワインレッド(ボルドー色)」が街の色調に与える役割を強く感じました。

街全体を覆うサンドストーンの淡い色味は、時を重ねるごとに風景としての深みを強め、そこにアクセントカラーとしての濃色が配置されることで、

  • 視覚的な落ち着き

 

  • スケールの程よい引き締め

 

  • 時代とともに育つ美意識

 

が成立しているのだと思います。

この色彩観は、単なる“デザイン表現”ではなく、
素材・時間・文化を読み取る設計視点としても大いに応用可能です。