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世界遺産視察

サンテミリオンの村フランス ボルドー地方 サンテミリオン

中世の村でありユネスコ世界遺産に登録されているサンテミリオン

撮影:佐藤建設株式会社 佐藤光輝

海外視察レポート|サンテミリオン(Saint-Émilion) — フランス・ボルドー地方の古村散策

 


① サンテミリオンとは — 歴史と風景の調和した村

 

サンテミリオンは、フランス南西部 ボルドー地方の丘陵に開けた中世の村です。長いワイン生産の歴史を背景に、旧市街と周囲のブドウ畑が一体となった風景は、1999年にユネスコの世界文化遺産に登録されています。ウィキペディア+1

村は 小高い丘の上に築かれた石造の街並み で、石畳の路地や歴史的建造物、丘陵を見下ろす景観など、ヨーロッパらしい風景が広がっています。ボルドー観光相会議


② 中世のまち並み — 石造建築と歴史の痕跡

 

サンテミリオンの街並みは、中世以来の歴史がそのまま建築と路地に表れているのが大きな特徴です。

  • 石造の民家・商家が密集する狭い路地

 

  • 傾斜地に階段や坂道でつながる構造

 

  • カフェやワインショップが並ぶ広場

 

といった景観は、まるで時代を遡るような体験を与えてくれます。ボルドー観光相会議

石はそのまま建物素材として使われているだけでなく、城壁や遺跡、教会、修道院跡と融合して村全体が一体的な景観を形成しています。ウィキペディア


③ 見どころ | 歴史的建築・教会・ワイン文化

 

🏛 中世建築とモノリット教会

サンテミリオンの象徴の一つが、岩盤を掘り出して造られた「モノリット教会」です。巨大な一枚岩を掘り出して造られたこの教会は、内部空間がそのまま素材の中に埋まったような構造で、建築と場所の関係を強く感じられる場所です。ボルドー観光相会議

また、ロマネスク様式やゴシック様式が混在する教会・修道院跡 や、古い塔などが村のあちこちで出迎えてくれます。ウィキペディア

🍷 ブドウ畑とワイン文化

 

サンテミリオンは単なる観光地ではなく、世界的名声を誇るワイン産地(AOC) としても有名で、その村自体が「ワイン文化と暮らし」の中心です。街を囲む丘陵やブドウ畑の景色は、歴史と農業が一体となった文化的景観を形成しています。ウィキペディア

視察の途中では、畑を見渡す展望や、村の入口から広がる石造路地の風景 から、地域の気候・地形・歴史がつくり出す「場所らしさ」を感じることができました。


④ 歴史と暮らしの視点 — 何がその景観をつくるか

 

🧱 古い素材と職人のこだわり

 

石の建物は、単に古いだけではなく、石材を丁寧に積み上げてつくられた住宅・歴史的建築 が一体となって街全体のトーンをつくっています。

これは、素材そのものの耐久性だけでなく、時間が空間に刻まれていることを実感するポイントです。ウィキペディア

🏘 村のスケールと歩行体験

 

サンテミリオンは、都市的な大きな通りがあるわけではなく、人がじっくり歩きながら体験するスケールの街並み です。

坂道・階段・小さな路地が入り組むことで、見える風景が次々と変化し、何気ない場所でも「過去と現在が重なる風景」を味わうことができます。ボルドー観光相会議


⑤ 視察から得た設計・空間のヒント

 

📍 材料と時間が生む「風景」

 

石という素材は時間と気候によって色味や質感が変わり、建物自体が“時間を表現する媒体” になります。

これは、住宅の素材選び・外観設計において「経年変化を想定する設計」につながるヒントです。

🧭 地形をつかう空間設計

 

サンテミリオンのような丘陵地の街並みは、地形を無理に整えずに活かす設計 の価値を教えてくれます。

これは、住宅の敷地条件に応じた高低差・眺望・動線を読み解くときにも役立ちます。

🍇 文化と建築の共存

 

ワインという地域の事業・産業がそのまま建築・景観と一体化している点は、用途やライフスタイルが建築の設計に影響を与える好例です。住宅でも、暮らし方や周辺環境を設計の中心に据える発想が重要になります。


📝 まとめ

 

サンテミリオンの村は、単なる“観光地”を越えて、


歴史ある街並み
素材が刻む時間
地形と建築の調和
文化と暮らしの融合

といった、建築・まちづくりの本質を体感できる視察対象でした。ウィキペディア

中世から現代に至るまでの建物の積み重ねと、ワイン文化が育んだ集落の風景は、これからの住宅・空間設計にも多くのヒントを与えてくれます。